「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「夕映えの銀杏」

2010-12-29 12:20:27 | 和歌

 「うつろ庵」の近くにある公園の銀杏は、久しく見ないうちに見事な「黄葉」に変わっていた。

 比較的新しい住宅地にしては、類稀なかなり大きな公園で、沢山の桜や、欅、銀杏が植えられている。宅地造成と同時に数ブロック分が一括して公園に充てられて、まだ50年足らずだが樹木はたちまち大きく育って、それぞれに風格ある大樹になった。生憎の曇り空で、銀杏の黄葉は聊かくすんでいたが、子供たちは銀杏には目もくれず、広い芝生を駈けまわっていた。





 夕暮れ近くだったからか犬の散歩の皆さんも集って、又とない交流の場になっていた。
公園の一画には、高いフェンスで囲まれた球技場が設えられているが、子供たちは野球かサッカーなどに夢中になっているのであろう、ひと際大きな歓声が聞えてきた。

 そんな子供たちの歓声に応えるかのように、夕日が一瞬、背の高い銀杏を照らした。
いままでくすんでいた銀杏の黄葉が、パッと明るく映えて目を瞠った。久しぶりに公園に足を踏み入れて暫らく佇んでいたが、「ようこそ」との銀杏の挨拶を受けたように思われた。





              黄葉の銀杏は木の葉を夕映えに

              染めての挨拶 しばし見惚れぬ


              子供らのはしゃぐ声聞きしのばるる

              孫のカートを追いしかの日を


              何時ならむ夕映えかすめば目を閉じて

              しずかにあの世にわたるを夢みぬ





      半日ほど下書きのまま放置して、お見苦しい姿を晒しました。老人性痴ほう症の初め?
      或は泥酔のなせるだらしなさかも。深く恥じ入り、頭を掻いております。