草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

尾瀬再訪

2016-08-23 16:09:53 | おでかけ
4年ぶりの尾瀬。
今回は、夏休暇で帰省した娘、それにオマケに夫と長男も付いて。

山の鼻から尾瀬ヶ原ハイキング、2日目に山の鼻から至仏山に登り、鳩待峠に下りるという計画を立てていたが、直前に変更。
山友Tさんによると、
「山の鼻からの至仏山はとんでもない」ということだった。
急峻で、滑る石ゴロゴロの岩場、何件もの滑落事故が起きているという。
その上、「ああダメだ!」と引き返そうにも後戻りのできない一方通行だと。
「絶対無理」と断言され、
鳩待ち峠から登り、折り返すというコースなら、しかも一日目に至仏山というのならいいだろうということになった。

 



夏らしからぬ今夏にあって、恵まれたその日は、まさしく登山日和であった。
足元に咲く小さき花々に目をやりながら、休憩地(ワタシたちはココを小至仏山だと思っていたが、後に知る)に着く。
開けたそこは、青空と白い雲の中、向こうには至仏山、眼下には尾瀬が原。
ああ、気持ちいい。大きく何度も何度も深呼吸。
家族での旅は何年振りか。
「Yも一緒に登りたかったぁ」
ワタシの言葉に、皆がそれぞれに視線を反らし聞こえないふりをする。
言ってはいけなかったのか。

夫はここで脱落。
3人で至仏山を目指し、ハアハア言いながらも2228m。
往復5時間の登山であった。




鳩待峠に戻って、そこから1時間歩いて山の鼻に行く。
その日、何度かツキノワグマが出現したらしく恐る恐るの道中だった。
この時期、ミズバショウの実を食べに来るらしい。
山の鼻の山小屋で一泊。
4人で枕を並べて寝る。
何年振りか。
これから先あるかないかのことだ。
来てよかったと思いながらも、一人いないことへの後ろめたさが残る。
「Yも一緒だったら」
今度は、目をつむったまま、ワタシはその言葉を飲み込んだ。
言葉にしただけ悲しみが強くなりそうで。




次の日は、尾瀬ヶ原ハイキングへ。
多くの花の時期は終わっていたとはいえ、ここそこで小さき花々が迎えてくれる。
遠くに燧ヶ岳を望みながら、今度はあそこに登りたいなと思う。
男どもは竜宮小屋までの3時間コース。
ワタシと娘はその先、見晴らしまで行き回る5時間コースをてくてく。





           いつしかワタシは、視線を落とし、
           広大な尾瀬ヶ原を、黙々と歩いていた。
           ここにいないキミを想い、
           長く長く混濁の中に、遠く遠く時間のない世界にいるキミを想い・・・・

           気が付くと、
           朝は、開いていなかったヒツジグサが、
           一つ、二つと開いている。
    
           いつか、いつか、キミにもそんな時が来てほしいと祈りながら、
           続く道をひたすら歩いていく。。
        
        




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