草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

2015.9.19

2015-09-21 05:19:12 | 雑感



聴く力のない者たち
大勢の声に耳をふさぎ
戦争法案を通してしまった

70年守り続けた平和憲法、戦争放棄
それは大きく覆されてしまった

のちに知る歴史の大きな禍根
それにワタシは居合わせてしまった





         この重量のある機械は
         地面をどっしりと圧えつける
         地面は強く踏みつけられ
         反動し
         濛濛とする埃をたてる。
         この日中を通っている
         巨重の逞しい機械をみよ
         黝鉄の油ぎった
         ものすごい頑固な巨体だ
         地面をどっしりと圧えつける
         巨きな集団の動力機械だ。
          ずしり、ずしり、ばたり、ばたり
          ざっく、ざっく、ざっく、ざっく。

         この兇逞な機械の行くところ
         どこでも風景は褪色し
         黄色くなり
         日は空に沈鬱して
         意志は重たく圧倒される。
          ずしり、ずしり、ばたり、ばたり。
          お一、二、お一、二。

         お この重圧する
         おおきな真っ黒の集団
         浪の押しかえしてくるように
         重油の濁った流れの中を
         熟した銃身の列が通る
         無数の疲れた顔が通る。
          ざっく、ざっく、ざっく、ざっく
          お一、二、お一、二。

         暗澹とした空の下を
         重たい鋼鉄の機械が通る
         無数の拡大した瞳孔が通る
         それらの瞳孔は熱にひらいて
         黄色い風景の恐怖のかげに
         空しく力なく彷徨する。
         疲労し
         困憊し
         幻惑する。
          お一、二、お一、二。
          歩調を取れえ!
     
         お このおびただしい瞳孔
         埃の低迷する道路の上に
         かれらの憂鬱の日ざしをみる
         ま白い幻像の市街をみる
         感情の暗く幽囚された。
          ずしり、ずしり、ずたり、ずたり
          ざっく、ざっく、ざっく、ざっく。

         いま日中を通行する
         黝鉄の凄く油ぎった
         巨重の逞しい機械をみよ
         この兇逞な機械の踏み行くところ
         どこでも風景は褪色し
         空気は黄ばみ
         意志は重たく圧倒される。
          ずしり、ずしり、ずたり、ずたり
          ずしり、どたり、ばたり、ばたり。
          お一、二、お一、二。





朔太郎の聞いた軍靴の音が
朔太郎の見た疲弊した顔が
今、ワタシにも聞こえ見えはじめる

空気は黄ばみ
意志は重たく圧倒される



2015年9月19日
手放した美しきもの


    こころせよ こころせよ




  




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