日本百名山 15、鳥海山(2237m)
「始めて、私が鳥海に登ったのは、その海ぎわの(山形県)吹浦(ふくら)という漁村からであった。」
鳥海山は東北地方第二の高山で、その高さは2236mです。
日本アルプスの山々と比べれば「なーんだ」といわれても仕方がありませんが、ここは海抜0mの海ぎわから直接登っている山です。決して引けを取る標高の山ではありません。
そして、連綿とつづく山並みの中のひとつではなく、孤立して聳える秀麗な山です。
『東北第一の名峰』と称賛されているゆえんです。
そして、「鳥海山が山麓の住民に尊崇されているのは・・・
米の産地である庄内平野も秋田平野も、この山から流れ出る水でうるおっている・・・」からだそうです。
そう思ってみるとなおさら、美しく素晴らしい山容です。
そして、古くから信仰されてきた大物忌神社が祀られています。
昔は白衣の行者で賑わっていたようです。
(秋田県由利本庄市の秋田平野から見た鳥海山・新山)=秋田富士
設定:カメラ:PRO、レンズ:28mm、風景:夏の山々、
「早朝、駒止(こまどめ)の小屋を出た時は満天の星で、・・・
大平小屋に着く頃にはすっかり明るくなり、蔦石坂の急坂を登りきると、朝の太陽が差してきた。・・・
豊かな高原状の見晴らし台を過ぎ御浜に着くと、そこには夏の行者のための宿舎がある。
旧火山口の鳥海湖の神秘的な静かな風景も、そこから見下ろすことが出来た。・・・
正面には頂上の岩峰がドッシリと座っている。・・・
頂上の外輪山を伝って七高山に達し、火口に下りると、岩を積み重ねたような最高峰の新山が立っている。
そのお宮に参拝して下山の途についた。」
(新潮社刊、深田久弥著『日本百名山』より引用)
その行程を地図でおってみると下の赤線のようになります。