写真は、「子どものことを子どもにきく」という本。
以前、このブログのコメントで教えてもらった本。読んでみた。
著者は杉山亮さん、新潮OH!文庫で、550円なり。
お父さんとして、子どもにインタビューしたものをまとめたもの。
元は雑誌の連載。まとめて過去に出版されたものの文庫化されたもの。
インタビュー自体は、10〜15年ほど前に、3歳から10歳まで1年に1回行われたもの。
とても面白い、というか楽しめる。同じ父として。
子どもの言葉そのままなので、子どもの考えている?ことが、感じとれる。
大人がきれいに?仕立ててしまっていないトコが良い感じがする。
5歳のインタビューに迷子の話が出てくるのだが、その話が好き。
迷子?というか1人はぐれている時の子どもの考えは、なかなかどうして。
その迷子の時のインタビューの終わりで、大人の見方に気づくのだが...。
ああそうかと気づくお父さんと、なんのことか良く分からず返す子どもの対話が、いやいやなかなかどうして。
きっかけは、
雑誌の文章の依頼をひきうけたものの「締切り近くなってもこれといった書きたいテーマが見つからない。そこで思いつきで、当時三歳の息子の隆にインタビューをし、文章にまとめてみた。」と。
まとめの章には、
「これは大人と子どもの関係論を考える際のあまりに大きな落とし穴ではないかと思うが、ぼくたちは子どもや教育のことを考えるのにまず子どもに聞くということをどうしてこんなにもしてこなかったのだろう。
子どもについて研究している人の本を読んだり、子どもと一緒にいる機会の多い教育者や保育者の話をきくことで子どもがわかるような気がしていたものだ。
もちろんそれを否定するものではない。」と。
「いつの頃からか、大人と子どもの関係は「教育−被教育」「保護−被保護」の枠組みで見るのが当たりまえになってしまった。(中略)
子どもに教えることはあるが教わることはなにもないとなれば、一々インタビューする必要はなくなってしまう。
なんとも罪深い勘違いだ。
だが子どもを教育や保護の対象として語らねばならぬ部分があるのは当然だが、そうでない部分もたくさんある。
そう気づけば、両者は同時代を生きる人間同士だ。
対等の対話というものがもっと試みられていい。」と。