くらしデザインスタジオ@楽(^^)

住まいや街など、様々な暮らしの提案やサポートをする中で、なんとなく気になったこと…!?イロイロです。

バカボンのパパより

2016-05-23 | 本,TV,歌,人物など

「バカボンのパパよりバカなパパ」著:赤塚りえ子さん 幻冬舎文庫 690円+税です。http://www.gentosha.co.jp/book/b9199.htmlにあります。赤塚不二夫さんがどんな人柄だったのか、娘さんの赤塚りえ子さんの視点から書かれているとのことで、どのくらいすごかった?のか知りたくなり買ってみました。単行本の時は気がつかず、文庫化された時に初めて本のことを知りました。

赤塚不二夫さんのことは、想像してたよりずっと外側をいき、読みながらその時その時の状況についていくのがやっとです…。そのような盛りだくさんの内容を淡々と書かれているので、その状況がすんなり伝わってきてとてもいいです。ですが、よく淡々と文章にできるものだと感じながら読んでいましたが、後半を読んで淡々と書けるに至ったのかなと思いました。

私は心配性なので、赤塚不二夫さんの日々が、楽しそうより圧倒的に大変そうと思ってしまうのですが、そんな中でも自分の思いで動ける超越した?感じが、うらやましくも感じます。その純粋な?ところが、赤塚不二夫さんを愛する?方々との関係ができていくのかなとも思います。

「…パパには、オレの物だとかオレの空間だとか、そういう認識があまりなかったのかもしれない。少なくとも、そんなところに自分のこだわりなんて何もないのは確かだ。楽しいか、楽しくないか。面白いか、面白くないか。そこだけが大事なのであって、他の生活上のことについては自己主張するところがおよそなかった。」と。「『オレはね、笑われながら死にたいの』」と。

赤塚不二夫さんこと以上に、赤塚りえ子さんの葛藤が、とても心に響きます。ロンドンへ行くこと、赤塚不二夫さんの体調の悪化、最愛の方が相次いで亡くなり、会社を引き継ぐこと…と、こちらも想像を超えます。

ですが葬儀の後に、「…パパのマンガ、『鉄腕アトムなのだ!!』に目が留まる。 何気なく読み進んだ。 『ギャハハハハ!』 気が付いたら、声を上げて笑っていた。 あまりにもおかしくて、バカバカしくて、お腹の底から笑いが込み上げてきた。 こんなに悲しい状況の中でも人は笑うんだ! そのときわたしは、悲しみの底を思い切り蹴って浮上した。 そうだ! 笑いは悲しいことからバーン! と引き離す爆発的なエネルギーなんだ! 笑いは生きるエネルギーだ! …」と。