末期高齢者になってしまった老人の日記

我が家の花の写真を中心に、日々の暮らしの中で起きたこと等を書かせていただきます。

日生劇場二月大歌舞伎見物

2013-02-21 20:51:50 | 東京散歩
二月大歌舞伎パンフレットより

昨日は久々振りの日生劇場に出掛け歌舞伎を観てきました。

席もオペラグラス無しで良く見える場所で、花道も近くでした。

昨年6月新橋演舞場で、四代目市川猿之助、九代目市川中車が襲名披露口上や

スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を観ましたが

その時はセリフも現代調で良く分かりました。

この頃は耳が遠くなってTVでも人により何を言っているか分からない様な小生

今回は本来の古典的歌舞伎ですから、ただえさえ聞きとり難い台詞は

音だけは聞こえても、何をいっているのかは全く分からない状態でしたが

一応筋書きは事前に調べておいた事もあり

セリフは分からなくても大変興味深く観れたのは

幸四郎、福助、染五郎等の素晴らしい演技のためと感心しました。

左より染五郎、幸四郎、福助

ご参考まで演目、見所、配役を下記します。

口上 松本幸四郎

8月の怪我以来、休演、療養していた染五郎の、

この公演で歌舞伎の舞台への復帰を果たした事について

父としての挨拶、お詫び、お礼が行われました。

義経千本桜 吉野山

見所 

桜が咲き誇る吉野の山中に源義経の後を追ってきたのは

静御前と義経の家臣佐藤忠信。義経一行の行方を探す二人は

初音の鼓を義経に見立てると屋島の合戦の様子や

忠信の兄が犠牲になった戦話を語る。やがて二人は歩み始めるが

忠信の様子がどこかおかしい。実は、初音の鼓の皮に張られた狐の子が

忠信に姿を変え、静御前と鼓を守っていたのだった。

 
義経のことを思う静御前と、鼓に張られた狐の親を慕う忠信。

二人それぞれの思いが重なり合います。

数ある道行物の中でも、主従関係の道行を描いた特色ある一幕。

竹本と清元の掛合いによる華やかな舞踊です。

 
配 役

   
佐藤忠信実は源九郎狐  市川染五郎
   逸見藤太      中村亀 鶴
   静御前       中村福 助

通し狂言 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)

見 所

旗本磯部主計之助に見染められたお蔦は、磯部家に奉公していたが

彼女に横恋慕した岩上典蔵の悪事を知ったため無実の罪を着せられ

主計之助によって手討ちにされてしまう。

お蔦の兄で魚屋を営む宗五郎は、お蔦が同じ家中の侍と不義を働き

手討ちにされたと知らされる。

しかし、朋輩のおなぎからお蔦の死の真相を聞いた宗五郎は

酒を飲んで泥酔し、磯部家に乗り込んだ宗五郎が無念の思いを語る場など

みどころに富んだ歌舞伎の世話物です。

配 役

  弁天堂、お蔦部屋、お蔦殺し、魚屋宗五郎
 〈弁天堂・お蔦部屋・お蔦殺し〉
    愛妾お蔦     中村福 助
    磯部主計之助   市川染五郎
    召使おなぎ   市川高麗蔵
    小姓梅次   中村児太郎
    岩上典蔵   大谷桂 三
    浦戸紋三郎   大谷友右衛門
    浦戸十左衛門    市川左團次

 〈魚屋宗五郎〉
    魚屋宗五郎      松本幸四郎
    宗五郎女房おはま  中村福 助
    召使おなぎ   市川高麗蔵
    小奴三吉   中村亀 鶴
    鳶芳松   大谷廣太郎
    酒屋丁稚与吉   松本金太郎(夜の部)
    父親太兵衛   松本錦 吾
    岩上典蔵   大谷桂 三
    磯部主計之助   市川染五郎
    浦戸十左衛門   市川左團次

感想

吉野山では、染五郎の源九郎狐、福助の静御前、亀鶴の逸見藤太で

目の覚めるような鮮やかな舞台でした。

新皿屋舗月雨暈では、妹を殺された事情を聞いて

酒を断っていた宗五郎が「呑まずにいられねぇ」と湯呑みにつがせた

最初の一杯を息もつかずに呑み、二杯、三杯、しだいに酔いがまわって

そのうち酒樽を引ったくって呑み、家人の止めも聞かず

とうとう二升樽もの酒を呑み干して、磯部家に乗り込ん暴れるのですが

妾奉公に妹を出した支度金で一家の借金を払ったいきさつがあるだけに

妹が手討ちにあって死んだのは

妹を売った自分が悪いという宗五郎のやり場のない悲しみや悔しさを

泥酔状態の中での表現を幸四郎が見事に演じていました。

また福助は、薄幸のお蔦と宗五郎の女房おはまを演じましたが

巧みに、両方の舞台の使い分けを上手にしていましたし

染五郎の磯部主計之介役も堂々とした演技でした。


久し振りの日生劇場

歌舞伎用に舞台が作られていました。
この写真を撮ったら係の人から撮影禁止を言い渡されました。