末期高齢者になってしまった老人の日記

我が家の花の写真を中心に、日々の暮らしの中で起きたこと等を書かせていただきます。

斉藤茂太著「自分らしく生きて死ぬ知恵」

2013-02-19 15:54:51 | 東京散歩


昨日本屋で、斉藤茂太著「自分らしく生きて死ぬ知恵」と文芸春秋3月号を買って

昨夜先ず前者を読みました。


自分らしく生きて死ぬ知恵


斉藤茂太さんは、歌人斉藤茂吉さんの長男で、精神科医で多くの著書を出しておられ

平成18年11月に90歳で他界されました。

この本は「死と生」についての考えを「いい人生で終わる」ために大切なこと」として

単行本に纏めたものの文庫本化ですが、その校正中に体調を崩されて亡くなり

奥様が作業を引き継いで出版に至った存命中の最後の一冊です。

本書では長寿時代になった今、人生の後半を余生として生きるのではなく

「もう一つの人生」として生き生きと楽しむことが大切と説いています。

大分前に発刊された本ですからお読みになった方もおられると思いますが

実に読み易く内容も良かったので、皆様にもお勧めしたくて取り上げました。




abさんご

文芸春秋は芥川賞受賞作黒田夏子さんの「abさんご」が掲載されています。

実は先程読み出したのですが、横書きが用いられており

通常は漢字やカタカナで表記されるべき言葉がひらがなで表記されるなど

特異な書法で書かれています。

読みだすと文字を追うだけで一杯で、中々書かれている内容がつかみにくくて

投げ出してしまいました。

多分漢字を使っていたら、読み易いと思いますが、

これも作者の意図的なものだとすると現代の文芸作品とは分かりづらいものです。

賞選者の中にも「じつに読みにくく、読了したときは目と頭が疲れてしまった。

二度も読む気になれないにもかかわらず、なにかしら心に残るものがあって

結局私は三回読み返した。

読み手を立ち止まらせ、たったの二、三行を咀嚼するのに

何度も行きつ戻りつさせる企みの意図が次第に明らかになってくると

この小説における登場人物は、すべて影であって、影を作りだす本体は

彼等の住む家と、三十年余に及ぶ時間なのだと気づいた。」とありました。

今は小生やることが無い時に、少しずつ読んでみるかといった心境です。