政府は、2016年度当初予算の政策経費の伸びを、高齢化によって増える医療費など、やむを得ない増加分にとどめる考えだ。
それでも、20年度に財政の健全性を示す「基礎的財政収支」を黒字化する目標の達成は容易ではなく、財政再建に向けた道筋はいまだ険しい。
医療費など社会保障費は政策経費の中で最も大きく、その膨張を抑えるめどがたったことは一定の成果だといえる。
ただ2020年度の黒字化には、高成長を実現しても、国と地方合わせて6兆2千億円の収支改善が必要となる。
さらなる歳出削減は避けられない。
歳出増への圧力は社会保障費だけではない。
防衛費も、2018年度までの5年間の中期防衛力整備計画(中期防)で、年平均0.8%の増加が見込まれている。
2016年度は診療報酬の引き下げで医療費を抑制する方向だが、2017年度以降も歯止めをかけ続けられるかは見通せない。
小泉政権時代に診療報酬のマイナス改定を続けた後、2000年代後半に救急車のたらい回しなどが続出し「医療崩壊」が叫ばれた。
与党内には、これが民主党に政権を奪われた一因になったとの見方がある。
環太平洋連携協定(TPP)が大筋合意したこともあり、自民党内からは農業対策や公共事業などで歳出拡大を求める声が相次いでいる。
政府は今後も難しい財政運営を迫られそうだ。
公明党や野党は無責任な発言をして、支持を得ようとするだろうが、あまりにも無責任だ。
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