こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

5月29日 月曜日 深夜 YMO「BGM」のナゾを想う夜 

2006-05-30 00:10:14 | 音楽帳
なんだか、急にYMOの「BGM」を聴きたくなって、ビールを呑みながら、聴いている。
今、3周目のCDリピートである。

25年たっても、自分には不可思議なアルバムだ。
言いたいことは山ほどある。
つらつらと、今夜の気分で適当に、思いつくままに書いてみよう。

***

僕は、この「BGM」は、完成形、という形でアルバムを作って行くというアルバム製作過程で出来ていない、ということが、この「BGM」を不可思議なものにさせていると思っている。

「テクノデリック」とは、その点において、作り方が大きく異なる。

「テクノデリック」がある意味完成された姿であるものの反対の姿を「BGM」に感じる。

モノを作る際に、絵でいうと、いつ・どこで、筆を置くか?
ということがあるが、そういった視点は捨て去られている。

極めて乱暴な筆使いの断片の集積が、このアルバムという感じを、今夜は抱く。

1981年3月21日の発売に向けた時間と様々な制約の中、最終リミット時間が切られた瞬間に、唐突に切り落とされた残骸がそのまま納まったもの=その入れ物自体を、「BGM」というパッケージにパックしたというものを感じる。それをアルバムの完成形と呼んでしまおうという、それも、数百万人の前に提示してしまおうという、何という過激な!と思える手法が取られている。

***

いろいろと時間の系列を並べていくと、実に、驚くような時空の中で、このアルバムは作られている。

1980年 YMOは、少年の胸をわくわくさせたワールドツアーに明け暮れた。
その最終地点が、
1980年12月24日~27日の武道館公演「FromTokioToTokyo」コンサートだった。

1980年12月31日 日本レコード大賞で「アルバム部門」で賞をもらったYMOは、年が明けると、この「BGM」の制作に突入する。

1981年1月15日 レコーディング開始

1981年2月14日 開始からたった1ヶ月後には、既に、このアルバムのCM、伊武さんが「YMOはニューアルバムBGMを発売します」というナレーターの不気味なCMを撮影している。 

1981年2月20日 には、レコーディングを終了している。
実質35日しか、このアルバムの録音にはかかっていないという強行軍である。

1981年3月10日 写真集 「OMIYAGE」(おみやげ)が発売。

1981年3月21日 アルバム「BGM」発売。

という流れである。
なんというスケジューリングか、と驚く。
***

◎「BGM」には歌詞カードが無い。というのも、間に合わなかったというのが真相らしい。そのため、「OMIYAGE」に収録されている。

ピーター・バラカンは、録音をする彼らと現場で打ち合わせ、仮のミックスを聞きながら、スタジオの外で、YMOの日本語歌詞を英訳していたという。

全てがぎりぎりの時間の状態で、全てが分離されながら進んでいた。このアルバムの頃から、分離して作って組み立てていくという録音手法が取られている、そのスタートであった。

◎プロデューサーである細野さんから、坂本さんは、こういう曲を作るように言われていたが、坂本さんの精神的な不調から、新曲が出来ず、タイムリミットを迎えたため、「ありもの」である「千のナイフ」「ハッピーエンド」(元々は教授のシングルで既に、この時点で出来ていた曲。ここでは、そこにダブ処理がくわえられている。)をぶちこんだ、というのも真相らしい。

◎音を壊すために、いったん音はアナログのラジカセで録音し、それをデジタルに置き換えるという作業を経ている。そのため、音がざらざらしている箇所がある。僕は、そこが、音にリアリティがあって、好きだ。

◎最初に時間=分数を決めてスタートしている。
時間が無かったというのが最大の理由ではあるが、極めて実験的な録音方法を取っている。
AB最後の曲を5:20.他を4:30と設定。
このため、幸宏得意の唐突に終わるエンディングに似た手法が効果的に出ている。
それが、この「BGM」を、いっそう不気味でリアリティある音にしているのも事実だ。

***

などなど、いろいろ湧き出る夜である。
ビールは2本目、CDは4周目に入った・・・。
好きなことには変わりないが、ナゾはいっそう深まるばかりである。

***

【写真】は、「OMIYAGE」に掲載されている、細野さんの写真。
1981年1月26日 「BGM」の録音しているスタジオで、プロフィット5を前に眠る細野さんである。
コメント (2)
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思い切り間違え! ~NHK 「Youのテーマ」~

2006-05-29 23:05:34 | 坂本龍一のサウンドストリート
いやいや思い切り間違えてました。
NHK 「Youのテーマ」は、坂本龍一さんのTV/CM集に収録されてました。
失礼。

でも、多分、これも1日で、スタジオで作ったんだろうね。
ホントにこの頃の教授は、泉のように、次から次へと、毎日、曲が出来ちゃっていたんだろうね。
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クロスオーバーイレブン 1982年2月16日 火曜日 独りDJの皿回し

2006-05-28 17:52:35 | 坂本龍一のサウンドストリート
久々に、サウンドストリートの更新でやんす。
カセットテープの傷みがしかしひどいですなあ~。
この放送の頃、ちょうど、当時、僕は、高校受験のさなかだった。まあ、24年もたっておるのだから、そりゃテープも傷みますわなあ。

「今日は皿回しですけど・・。余り好評では無いですが。」といいながら、この日も、教授一人のDJ。

本来この日は既に、矢野顕子さんの「愛がなくちゃね」のレコーディングで、ロンドンに行っているはずだったが、この日は録音で、実際には、2月2日の夕方に録音をしているそうである。

1・松武秀樹 「I Love You」
アルバム「ヴィーナス」に入っている曲。かたちんばが、この原曲のオフコースの曲を聴いたのはかなり後であるが、原曲を知らぬこの時に聴いた、この曲が大好きだった。
昔、22:45~23:00、つまり、サウンドストリートとクロスオーバーイレブンの間にやっていた「2人の部屋」という15分のドラマ番組で、「二分割幽霊綺譚」という新井素子さんのドラマ化でも、この曲が効果的に使われていた。

2・A Certain Ratio 「Water Line」
「て・て・て・てん とは、岡山では、鯛炊いておいてね、ということ」というハガキをくれた岡山の女の子のリクエストより。

かたちんばが、サーテン・レイシオを初めて聴いたのはこの曲だった。曲の最後で、レコードのスクラッチが出るのが、僕は驚いた。初めて聴いた教授も驚いていた!
中学100人に聴いてみたという子のアンケートが面白かったので、下記に記すべし。

★教授についてどう思いますか?

1位 すてき
2位 脚が足りない
3位 むっつりスケベ
4位 あれで芸大?
5位 結婚したい

★教授のサンストを聞きますか?

1位 時々
2位 何それ?
3位 NHKは聴かない
4位 勉強なの?
5位 聴いてる

★~時々聞いている人に~ サンストをどう思いますか?

1位 面白い
2位 独りでしゃべっている
3位 いつの間にか眠っている
4位 楽しい
5位 まあまあ

★その時の坂本さんをどう思いますか?

1位 面白い
2位 すてき
3位 しゃべり方が下手
4位 楽しい
5位 憧れる

★教授の好きなところは?

1位 顔が好き
2位 面白いところ
3位 哲学っぽい音楽
4位 キーb-ドを弾いている姿が大好き
5位 落ち着いているところ

3・小林泉美 「パーム・ストリート」
本人からのリクエストという。僕はこの人は知ってはいたが、聴いたことはなかった。高中正義さんのバンドの紅一点だという。

4・藤真利子 「バラ」
これも本人からのリクエスト。幸宏や大村さんが参加しているレコードより。藤さんは、81年のサウンドストリートにもゲストで来ました。

5・ファンカデリック 「I Gat A Sing」
「それでは、お口直しに」と藤さんには失礼な言い方で、この曲に繋がる。

本日は7時の六本木で録音していて寝ていないという教授。
「若いひろば」が「You」に変わり、4月~糸井重里さんが司会、ということで、そのテーマ曲を朝まで作っていたという。

6・坂本龍一 「You 初めのテーマ」

7・坂本龍一 「You エンディングのテーマ」

この2曲とも多分CD化はされてないんじゃないかな?
ちなみにテレビでは、この挿画を大友克洋がやっていた。

まさに、往年のわが愛しの80年代、である。

8・オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク 「New Stone Age」
【写真】は、この曲が収録された名盤「Architecture & Morality」であります。
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5月27日 土曜日 ~ 28日 日曜日 雨の夜に聴く夜想曲

2006-05-28 00:31:34 | 音楽帳
憂鬱な5月の雨は、いまだに続いている。

今日は、家のニンゲンどもは、旅行に行き、私は、1人。
まみちゃんとコチャコ、2匹の猫と室内で過ごして、夜を迎えた。

夕方から、ビーフストロガノフを作り、独り食べた。

夜、久々にじっくり見たナイターは、応援する巨人は負けた。
しかし、回せど回せど、つまらない番組ばかり。
しかし、いつから、こんなにも、黄金色であったはずの土曜日の番組はつまらなくなったのだろうか?
どこをひねっても、面白く無い。

そうして、やはり、密室にこもって、結局、パソコンに向かってしまうのである。
12時を過ぎた。

外をシャーっと、相変わらず、雨の上をクルマが寂しく走ってゆく。
私は、手探りで音楽を選んで、聴いている。

***

<今夜の夜想曲>
●スミス 「Asleep」
アルバム「The World Won't Listen」【写真】という編集盤より。
夜の子守唄のような、魂のための鎮魂歌。
スミスの「TheQueenIsDead」を名作と呼ぶ人々が多いが、自分にはそう思えない。このアルバムにある「Oscillate Wildly」「That Joke Isn't Funny Anymore」やこの曲といった、自省的な曲、それに初期のシングルが好きだ。

英語の理解出来ない自分には、そしてイギリスの政治的社会的背景を肉体化出来ない自分には、スミスは永遠に正確に理解出来ない、とあきらめている。
そんな中やはり好きなのは、暗い曲、センチメントを感じさせる曲である。

こういう、陰鬱な夜にはスミスを聴きたくなる。

●スティング 「Be Still My Beating Heart」 '88
アルバム「Nothing Like the Sun」より。
スティングも決して大ファンと言い切れる訳じゃない。
中学生の頃に出会ったポリスの「孤独のメッセージ」以来、アルバムごとに聴いてきた人だが、決して才能豊かな人では無いと思っている。私にとってのスティングはNEWWAVEを走っていたポリスを決して越えていかない。だから、アルバムとして優れていると思えるものは無いが、名曲は多く生み出している。この曲も「Englishman in New York」「Fragile」と並ぶ、静かな名曲である。

●Peter Gabriel 「Mercy Street」 '86
アルバム「So」より。
曲は、ブライアン・イーノの「アポロ」のようなアンビエンスな音の中進んでいく。これまた、決してピーター・ゲイブリエルも、大ファンでは無いが、革命的な音楽を作ってきた敬意に値する人である。
この「So」の後に、'90年ごろだろうか、彼のステージを見たことがあったが、感動してナミダが止まらなかった記憶がある。何か原始的なチカラを音楽に感じる。それがいい形で出ている曲である。
アルバムには「In Your Eyes」という、ある種、ロキシーの「Avalon」のように、ある境地にたどり着いたかのような、達観したかのようなおおらかな美しい曲が入っている。

●David Sylvian 「Let The Happiness In」 '87
アルバム「ザ・シークレッツ・オブ・ビーハイブ」より。
港で、船が出てゆくのを見ながら・・・。

シルヴィアンの名盤は「ブリリアント・トゥリーズ」であって、このアルバム「ザ・シークレッツ・オブ・ビーハイブ」には緩慢な気がしてしまうのだが、この曲はそのタイトル「しあわせを向かえいれよう」という人生的なセリフにぐっときてしまうのである。

●坂本龍一 「A Carved Stone」'85
アルバム「エスペラント」より。
アジアの海に浮かぶ島が見える。空は、どんよりと荒れ狂い、その雲海から、一条の光が、水面に差し込んでいる。その風景が見える。

「音楽図鑑」~「ステッピン・イントゥ・エイジア」~「エスペラント」に至るアジア的に傾斜していったこの時期の坂本龍一の作品群の中、「A Carved Stone」は、かたちんばには、静止したシーンの美しさを感じさせる風景的名曲なのだった。
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5月27日 土曜日 また、曇り・雨のウィークエンド。 ~大貫妙子 「クリシェ」 '82~

2006-05-27 15:36:59 | 音楽帳
仕事を初めて16年目。
その同期と久々に数人でお酒を飲んだ。

その帰り道、1人がもう1軒行こうというので、付き合うと、深夜になり、タクシーで帰るハメに。

北千住から、ド田舎=草加に帰れば、夜中の2時。

すぐ寝たものの、二日酔いで、起きれば、もう午後の2時・・・。
何やってんだか・・。

どんよりして起きて、外を見ると、今日も天気は良くない。
往来は、傘を差した人。雨が降ったり止んだり・・。

***

お茶を飲んで、レコードのたばをがさがさがさ。

気まぐれに選んだ1枚目は、トンプソン・ツインズの「ドクター!ドクター!」の12インチ。この曲の収録された「IntoTheGap」は磨り減るほど聴いた、彼らの中で一番好きなレコードだった。
ヒットしたこの「ドクター!ドクター!」は、怪しく色を変える朝焼け・夕焼けの景色を思わせる好きな曲。
この12インチはロング・バージョンだが、7分近くあるが、退屈しない。
シンセの音色(おんしょく)も、カチャカチャ言うパーカッションも大好きで、音そのものを味わう聴き方。

***

2枚目に選んだのは、大貫妙子さまの「クリシェ」【写真】

1.黒のクレール
2.色彩都市
3.ピーターラビットとわたし
4.LABYRINTH
5.風の道
6.光のカーニバル
7.つむじかぜ(tourbillion)
8.憶ひ出(me[']moire)
9.夏色の服
10.黒のクレール(リプライズ)

とにかく1と2が美しすぎます。

1「黒のクレール」は、当時、先行シングルで、TDKカセットの広告にも使われた大貫さんの曲のなかでも、とにかく切なく美しく、好きな曲です。

作詞:大貫さん・作曲&編曲:教授のゴールデンコンビ。
教授のロマンティシズム全開の、編曲が素晴らしい。

シングル盤も持っているが、そのB面には、また名曲の「アヴァンチュリエール」が入っています。この曲は、サウンドストリートでもかかったものです。

2「色彩都市」は、教授自体が、大貫さんの作品の中でも印象深いとよく語っているものです。
夏の青空の日には、よく聴く曲。トロピカルな風景が浮かびます。
それというのも、もっさもっさした重いドラムゆえ。
レゲエではありませんが、そういった風のドラムです。

このドラムは、やっぱり教授のもの。
エスニックに近づいた名盤「左うでの夢」もそうですが、教授のへたうまドラムは、いいです。

「歌いながらキレイになるのよ わたしだけの秘密」って言う歌詞がステキ。

5「風の道」は、まるで昔の大貫さんと教授の関係を思わせる。
いつも、大貫さんの曲に出てくる「彼」には、教授のイメージが浮かぶ。昔、いっとき2人が付き合っていた頃を思わせるのだ。

「今では他人と呼ばれる2人に 決して譲れぬ 生き方があった」という歌詞。


永遠に残るべき曲の数々。なんで、こんな素晴らしい音楽を作る大貫妙子さんが、なぜもっと売れないものなんだろうか?
やっぱり日本人大衆は、音楽を聴く耳をもっていないんだと思う。

***

倖田來未とか言うエロパンパン(古い表現)のアルバムが数100万枚売れるという馬鹿らしい現象が起きるのが、日本だからね。
そういう自分もエロいのは好きですが、それはVideoで充分で、音楽そのものには、全く興味を覚えない。
一体、いつまでこんな化粧でごまかしている不細工なエロ姫を騒ぎ続けるんだろうかね。

まあ、自分には被害の無いところで、勝手に盛り上がってくださいな、
と思いながら、自分は、大貫妙子さんを聴くのであった。
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写真日和: 5月20日 土曜日 「僕の大好きな東京」より ~立川 通称「鬼公園」~

2006-05-25 17:43:30 | 写真日和
写真は、立川にある、通称鬼公園。
今、茅場町に勤めるかたちんばも、3月までは、多摩の営業所の営業であった。
立川を通り過ぎる中央線の窓から、線路脇の公園に、この赤い鬼の大きなオブジェを発見して、興味を持っていた。
こないだ、「例の密会」の際に、実際歩いて行って見た。

この鬼の裏側は滑り台になっている。
しかし、コドモは人っ子一人いない。

近くに、代々木ゼミナールという予備校と、ラヴホテルがある。
また、脇の道は、立川を南北に抜ける貫通する唯一の道路がある。

何か寂しい公園で、怪しげな空気が流れ、子供のための公園とはいい難い。
浮浪者が幾人かいた。

この鬼公園の鬼の滑り台は、ドラマ「ごくせん」にも使われたらしいが、そういう陽の当たる、スポットになる場所ではどうやらないようです。

夏には、盆踊りの会場になるそうだが、その夜の闇の中、カップルが。。アレ。。をしているとの話しも聞くし、このあたりの道は、夜暗いので、かっぱらいなども出るらしい。

下町生まれの自分には、思い出せば、公園とは、元々怪しい場所だった。
三ノ輪の近所の公園には、浮浪者が寝泊りしていたし、砂場は、犬の糞があり、避妊具なども落ちていて、遊びに行けば、不良やいじめっ子のたまり場であり、カツアゲもあれば、変な不思議少年も居た。小さい頃には、悪いことをすると、母親に「公園に捨てにいくよ」と脅迫されたものだ。

決して、公園は、緑豊かな憩いの場所では無い、そうして、急に昔のことを思い出したのだった。
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5月24日 水曜日 カミナリと雨にまつわる記憶の音楽

2006-05-24 18:36:42 | 音楽帳
3時頃から雷が鳴り出して、雨が降り出した。
私は仕事をしている。
その室内に、雨の上をシャーッと滑る車の行き交う音、そして遠くからの雷の音がする。

***

仕事をしながら、自動的に色々な音楽が頭に浮かんでいた。

■Saxon  「HeavyMetalThunder」(アルバム「Strong Arm Of The Law」より)
形式的「ロック」の嫌いなかたちんばであるが、中学生の2年から3年の一時だけ、ヘヴィーメタルを聞いていた。「ヘヴィーメタル」という言葉をみな知らない頃で、音楽として形式にまだ染まる前のいっときだけの、自分にとってまだハードロックが有効性を持っていたときだった。
ミュージックテープで「Strong Arm Of The Law」を買い、1曲目の「Heavy Metal Thunder」から2曲目の「To Hell And Back Again」(地獄へ逆戻り)というあたりをよく聞いたような気がする。
どういうことか、雷の音を聴いたら、このサクソンを急に思い出した。

■松尾 一彦 「Summer time in Italy」
友人MZ師とこのかたちんばと永遠のトライアングルの関係の友人「ハブ噛み師匠」から、大学生の頃にもらったカセットテープにこの曲は収録されていた。
松尾 一彦とは、オフコースのメンバーの1人である。汚いあごひげをたくわえたギタリストだ。この「Summer time in Italy」はインストゥルメンタルの穏やかな曲。
夏をまじかにした、通り雨が過ぎ去った後の、晴れ間の奇妙な色合いをした景色を思い出す。

■ジャパン アルバム「Gentleman Take Polaroids」(孤独な影)
雷というと自動的に思い出すのが81年のジャパンの最高傑作「孤独な影」のジャケット【写真】だ。

このレコードは夜の世界の音楽であるが、これまた自動的に自分のカラダはカミナリのゴロゴロ音に反射的に反応してしまう。
<多くの人が、「ブリキの太鼓」を推すが、ジャパンの最高傑作はどれだけ聴いても、自分にとっては、「孤独の影」である。私が墓に持っていくべき1枚でもある。>
思えば、81年 神保町の「ヴィクトリア」のレコードショップ(現 書泉 と文房堂 の間のビルが、当時、NewWave輸入盤の最先端が入手出来る店だった)で、このアルバムを買った中学3年生のある日の夜も、雨であった。
買って帰り、雨の降る中、このレコードを聴いた記憶がある。

■大貫妙子 アルバム「カイエ」
実に穏やかなペースで全体が流れてゆく。イメージスケッチのようなアルバムである。
いくつか、ヴォーカルの曲もあるが、多くは、インストゥルメンタルに比重を置いた全体構成になっている。今の時期から夏に向けてのお勧めの一品。
寄せては引く波のように、ストリングスに様々な楽器、そして大貫妙子のヴォーカルが美しくたゆたう。
しかし、なぜこのアルバムを思い出したのだろうか?
雨のはじく音が、波の音に似ているからだろうか?
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写真日和: 5月20日 土曜日 「僕の大好きな東京」より ~国立~

2006-05-21 17:18:18 | 写真日和
国立駅です。

この街は、駅から放射線状に道が出来ている。

地元のいろいろ反対がある中、風景を壊すマンションが立ち始めている。
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5月21日 日曜日 梅雨がやってくる ~フェルト「毛氈(もうせん)」~

2006-05-21 10:45:23 | 音楽帳
昨日、土曜日は2週間ぶりに、彼女と「密会」をした。
国立~立川を歩いた。

昨日は、天気予報の通り、朝から昼は、蒸し暑い、夏のような日差しだった。
まるで、夏がやってきたかのような・・。

国立の「RARE」という中古レコード屋さんで、ブラック・ウフルと尾崎亜美のレアCDを安価で発見!購入した。

次第に、季節は移ろい、夏に向かって歩いているんだ。

***

温度や天気や、季節は、聴く音楽にも変化をもたらす。
自然と、聴く音楽にも変化が出てくる。

今朝、一番で、本来は夏に聴くのだが、今年は早めに、
durutti column(ドゥルティ・コラム)の「Buddhist Prayer」を聴いた。

ペイル・ファウンテンズといい、ドゥルティ・コラムといい、高校~浪人に過ごした、切ない(当時は)新タイプのアコースティックなギター音楽に行ってしまう。

そして、久々にターンテーブルを回っているのは、フェルトの「毛氈」。
針飛びがするが、何度もかける。

フェルトの日本デビュー盤だ。
向こうのアルバム「The Splendour of Fear」に2曲を加えた編集版である。
ライナーノーツを幸宏が書いている。
かのチェリー・レッド・レコードからである。


1・レッド・インディアンズ ○
2・ソフト・アズ・レース ◎
3・楽天家と詩人 ○
4・色彩分解 <日本盤のみ>


1・ピネロピ・トゥリー <日本盤のみ>
2・メキシコの盗賊 ○
3・水たまり
4・ニューイングランドの説教師 ◎◎!

昔、鈴木慶一さんが、ミュージック・マガジンで、「こういうシャカシャカギターをかきならすイギリスのバンドは、それだけで憎めなくなってしまう。弱い。」といったような発言をヘアカット100のデビュー盤にしていたような気がするが、自分の今の感じも似ている。

決して熱くならず、汗臭くならず。。
詩情と叙情を持った孤独で寡黙で蒼いギター。
余りしゃべらないが一緒に居る、ココロ安らかな仲間たちと集まって、静かに奏でている感じがいい。

***

A-4、B-1は日本盤でアルバム価格で売るためにくっつけたものだが、無いほうのイギリス盤の方がいいな。

ジャケットは、中身と一致せず、非常に卑猥なものだが、それもそれで今は思い出。逆にこの驚いたような女性の顔が印象に残る。

***

「ニューイングランドの説教師」は、陽光の日差しのまぶしい日に、何度聴いたことだろう。
いつも、そんな日には、この曲が、僕のターンテーブルでは、安らかな音を奏でて回っていた。
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初夏に向けて・・・・ ~Pale Fountains 「Pacific Street」~

2006-05-19 16:24:07 | 音楽帳
梅雨が近くなり、すっかり、毎日、雨がちの天気。

ここから梅雨が来て、そして、それが開ければ、夏がやってくる・・・。

急に、ペイル・ファウンテンズが聞きたくなった。
このレコードは、初夏が映えるレコードである。

正直、若すぎて、演奏も楽曲もその勢いで、ちぐはぐな感じが印象はぬぐえないので、当時も、B級な感じという評価がされたが、私は、今では、そのB級具合がなんだか良い。

よく、このアルバムは、いろいろな、私の大嫌いな「ネオアコ」カテゴリーで「名盤」とされるが、そのような正統的な評価をすべき対象では無い。

音楽にはいろいろな楽しみ方、愛し方があるが、最近の、何かというと、すぐ「名盤」だの「歴史的」だのという陳腐な表現をしたり、やたらと感動する節の人々とは、相容れたくは無い。

私はそのような人々とは、距離をおいて、このアルバムを好んでいる。

***

彼らの音を初めて聴いたのは、ラジオ日本の土曜夜中の「全英TOP20」だった。新人バンドの特集で、ChinaCrisis「クリスチャン」やTearsForFears「チェンジ」と並んで、彼らのシングル「Unless(悲しみの風景)」がかかった。

しかし、当時の僕には、その音は響かなかった。
そのカセットテープは、何度か聴いて消してしまった。

***

次に出会ったのは、数枚のシングルを経た頃だった。
NHK-FMの「サウンド・オブ・ポップス」の新譜特集で、彼らの12インチシングルから2曲聴けた。

元気で自分らのスタイルを模索しながらもちぐはぐな印象の「Palm Of My Hand」とそのB面に入っている静かな海の夕暮れ時に聞きたい「Love's A Beautiful Place」だった。

ここで初めてPale Fountainsというバンドに出会った気がした。

***

その後、このアルバムに至るが、曲によっては、かなりな無理や歪みが出ており、決して全曲良いとはいえないが、その「ぶさいくゆえの可愛さ」とも言える「味」がある曲が多い。

1曲目の「Reach」(邦題:青春はいちどだけ)の「蒼さ」は極めてみずみずしい。
僕はこういうブリティッシュなバンドの「蒼さ」に対して、過大なセンチメントを感じる。決して日本人の若い人には感じない感性のものである。

同じ「蒼さ」はChinaCrisisやTearsForFearsの1枚目にも感じるものであるが。

***

誰かのように、大手を振って薦めるべきものでは無いが、今から夏にかけての微妙な日本の季節感に合うような気がする。

1.Reach○
2.Something on My Mind○
3.Unless◎
4.Southbound Excursion
5.Natural
6.Faithful Pillow, Pt. 1
7.You'll Start a War
8.Beyond Friday's Field
9.Abergele Next Time
10.Crazier
11.Faithful Pillow, Pt. 2

○はおすすめ、◎は大好きな曲である。
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