クリスマスと言えば、しばらく聴いていなかった好きな曲に、イーグルスの「ふたりだけのクリスマス（Please Come Home For Christmas）」がある。
この曲を初めて聴いたのは、1984年のクロスオーバーイレブン。
ヤズーを解散してソロデビューしたアリソン・モイエのファーストアルバムからの曲とともに、当時のエアチェックテープに収まっている。
つまりは、発表されたリアルタイムでは聴いていなかった1曲。
作品「ホテル・カリフォルニア」が1976年、そこから長いブランクがあった上で、最終作品となった「ザ・ロング・ラン」が1979年。
このクリスマスソングは、この谷間である1978年12月にリリースされている。
じぶんが持っているものはレコードではなくて、シングルCD。中古盤屋さんで十数年前に発見したもの。
イーグルスにクリスマスソングなどがあるんだ。。。と意外に思い、1984年初めて聴いた時には違和感があった。
だが、そんなことよりも、ノドを枯らしてひりひりと歌うドン・ヘンリーの声の良さに引きづり込まれて、次第に好きになった。
ジャケット写真では、メンバーたちが海パン1枚でプールサイドに座り、暑さにだらーっとした姿。
髪の長い女性が、、、と思えば、それはティモシー・シュミット。実に意外な1枚だが、忘れてはならない1枚。
この曲は彼らのオリジナルではなく、50年代のブルーズバンド、チャールズ・ブラウン＆ジーン・レッドというバンドのカバーなのだそうである。
すっかり彼らの曲とばかり思っていた。
ちょうど3分きっかりの名曲。
■Eagles 「Please Come Home for Christmas」'76■
ベルが鳴り響く季節がやってくる
なのにいいニュースひとつない
せっかくのクリスマス
ブルーな気分で過ごすなんて
彼女は行ってしまったし
友達もいない
祝杯を交わす相手のいない
今年のクリスマス
コーラスが歌う
"サイレント・ナイト”
クリスマス・キャロルに
灯るキャンドル・ライト
クリスマスには帰ってきておくれよ
どうかクリスマスには
クリスマスが無理なら
せめてニュー・イヤーの夜には
友達や親戚からは
挨拶が届く
そんなの星の数ほどあるけれど
でも今はクリスマス
そう、他でもないクリスマス
一年中で誰よりも
恋人と過ごしたい季節
だからどうか言ってくれ
もうどこにも行かないと
クリスマスとニュー・イヤーは
きっと帰ると
辛い思いから解放され
寂しさも苦痛もなくなる
俺はハッピーになれる
またハッピーになれる
そうさ、辛い思いからは解放され
寂しさも苦痛もなくなる
俺はハッピーになれる
いつものクリスマスを迎えられる
イーグルスは、2016年リーダーであるグレン・フライが亡くなってしまい、オリジナルメンバーでの彼らを見ることはもはや不可能になった。
だが、つい先ごろ新メンバーでの2枚組ライブが発売された。ライブ自体は2018年ロスでのもの。買って聴いた方のコメントを読むうち、ついついこみ上げるものがあった。
何より「今／現在」を追いかける熱心なファンは、リーダーを亡くそうとも、どのような形であろうと彼らの姿を追い続ける。
ポップミュージッとのお付き合いも、多くのアーチストと出会えてきたが、その分これから多くの苦しみがあるだろう。
この約半世紀を共にしたアーチストたちとの、これからの過ごし方。
それに、身の周りに大量にあるレコードや雑誌や音楽媒体の後始末やおさめ方。
いろいろ考えてきた、ここ数年だった。
特に、教授がガンになった2014年、グレン・フライ、デヴィッド・ボウイ、プリンスまで一気に失ってしまった2016年、などはきつかった。
しかし、最終的には考えても意味はなく、結論めいたことも出せない。さまざまな想いの間で揺られながら、それでも、聴ける限り、必死に生きるだけだ。
■Eagles 「Live From The Forum 2018」■
