こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2012年8月31日 金曜日 「メトロ・ポリス」(映画「Diva」サウンドトラックより)

2012-08-31 21:41:50 | 想い出かたちんば
今夜は、カラータイマーが点滅するのを越えて、午後には、そのウルトラマンの電球そのものが切れかけた状態。
何とか家にたどり着くと、即真っ裸に。

クールウォーターで顔・頭・首・手を洗う。
うちわとエアコンをフル活用する。
しかし、ようようとして汗は止まらない。



500ML缶のビールを、あっという間に飲み干す。
しかし、汗は止まらず。

夏に生まれたものの、暑がりの自分は、四季の中で「夏」は好きではない。
というか、かつての夏は、こんな事態では無かった。

2012年の夏は、既に日本の従来の夏とは異なる。
名前を変えたほうが良いのかもしれない。
季節という既成概念までもが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちている2012年。

***



映画「ディーヴァ」を見たのは、1987年以降の大学時代だった。
1981年制作とのことだったが、そんな時代隔世意識を自分はまったく感じなかった。
昭和、そして、80年代がほぼ終焉しつつある・何も無いポカンとした時代。
そのころ、自分はずいぶん映画を見た。

映画「ディーヴァ」はフランス映画。
映像がおしゃれ、サスペンスとしても面白く、そして恋が絡んだロマンティックな名作。
ウラジミール・コスマがサウンドトラックを作っているが、それも素晴らしい出来。

***

背が高くハンサムな郵便配達員のジュール。
彼は、とある女性オペラ歌手の大ファンで、そのコンサートを聴きながら、演奏を盗み撮りする。
その録音テープ。

これが発端。
そのテープが、闇世界から世間にバレてはまずいテープと勘違いされ、追われ、彼を取り巻く世界が動き出す。

***



この映画の中で演奏される曲「メトロ・ポリス」。
これだけは唯一1984年には、出会っていてよく聴いていた。

土曜夜23:00~:30・東京12チャンネルで毎週映像と音楽を結びつけたポエティックで異質な番組「日立サウンドブレイク」。
まだビデオデッキが10万円以上する時代。
その頃、毎週同級生に電話してビデオ録画を頼みながら、
本人はといえば・TVの前に事前準備の上・鎮座ましまして、23:00スタートから。。。

とある回。

「都市・地下鉄のゲーム」というテーマ。
冬の灰色の空・新宿高層ビルを下から見上げたシーン。
そこにデヴィッド・バーン&ブライアン・イーノの「メア・クルパ」が絡むに始まる。

■David Byrne & Brian Eno 「Mea Culpa」■

〔トーキングヘッズ&イーノ「リメイン・イン・ライト」のベーシックトラック〕



この映像音楽世界には、地下鉄・地下世界という、時空が捻じ曲がった東京独特のにおいを示したい指向性が有った。
実際、東京という都市は地図という平面では理解出来ない。
三次元で無いと実像に迫ることは出来ない異界。

曲は前述の「マイライフ・イン・ザ・ブッシュ・オブ・ゴースツ」、クラフトワーク「放射能」、そして映画「ディーヴァ」などからのチョイスで構成。

最後、地下鉄は銀座線・浅草駅へと到着。
映像は、日本で初めての地下鉄の昭和の始まりへと回帰していく。
ぐるぐると階段を回り・外に出ると、隅田川の水面(みなも)。
バックには、女性ヴォーカリストのカバー。
ビートルズの永遠の名曲「ロング&ワインディング・ロード」。

***

下記は、映画「ディーヴァ」で曲「メトロ・ポリス」が流れる、地下へのシーン。
この曲を初めて聴いた瞬間には、絶対イーノが関わっている、と思い込んでいた。
「第四世界の鼓動」におけるアフリカン・プリミティヴとテクノの絡め方に近い音に聴こえていた。

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2012年8月28日 火曜日 チャイナ・クライシス「未完成」についてのメモ

2012-08-28 21:21:47 | 音楽帳
好きな音楽家が現れ、その音楽に惹かれたとき、わたしの過去は、大雑把に分けて、その後に二つの姿/行動があったように思う。

一つは、その曲に酔うと同時に、その曲が描き出す世界に溺れ、その世界により多い時間・滑り込もうとする。
これは、音楽と風景・映像・色が直結される傾向が強い自分には、特有なものかもしれない。
または、居心地の悪い地球の上での合法ドラッグとして白昼夢を見ていたのかもしれない。

もう一つは、その音楽家への憧れから、「その人そのものになりたい」という想い。
こちらは、みんなよく経験するものであろうし、それが次の世代の新しい創造への道を作る。

***

1982年5月頃「スタジオテクノポリス27」で初めて聴いたチャイナ・クライシス。
シングルカットされた「スクリーム・ダウン・アット・ミー」。
いまだ、テクノ道の名曲と勝手に思う自分。

チャイナ・クライシスの2人は、ブライアン・イーノ、スティーリー・ダンのファンだった。
彼らは1枚1枚シングルを出すごとに、鮮やかないろどりの多様な曲を出していく。

テクノでありながら、ポップであり、そしてやさしい風合いを感じた。
当時、彼らのLPやEPには「ポジティヴ・ポップ・ソング」「ポッシブル・ポップ・ソング」という記載があった。

LPアルバム単位であれば、1枚目「ディフィカルト・シェイプス&パッシヴ・リズムス」、2枚目「ワーキング・ウィズ・ファイア&スティール」までが、彼ら独自のテクノの解釈表現の明確な現れだった。

1985年、(自分が素浪人になり、完全な鬱世界をさまよっていたのもあるが)新たなるシングル「ブラック・マン・レイ」には、彼らの「テクノ時代の終わり=変容」が透けて見えた。
そして、3枚目アルバム「未完成」の発表・・・。

「チャイナ・クライシス」のロゴも新しいものに変わってしまったし、2枚目の「AVALON」的世界も風に消えた。
というのも、前段で語った「音楽に導かれる様」を、チャイナ・クライシス自身が望むことに拠って、ボクらが彼らの姿を見失う、というロジック。

3枚目「未完成」は、彼らの憧れスティーリー・ダンのウォルター・ベッカーをプロデューサーに迎えて制作したアルバム。

チャイナ・クライシスにはスティーリー・ダンが憧れであり・「その音」に近づこうとしても、
ボクらはチャイナ・クライシス独自の音に魅力を感じていたのだから。。。
彼らが向かおうとする場所とボクらが望む場所が異なることに、哀しみを覚えた。

***



そこから、長い長い時代のうねりを経て、自分自身の蒼白い過敏性も摩耗した。
根っ子は変わらずとも。

当時とは全く異国の地で何度とはなく聴いてきたアルバム「未完成」は、次第に現在に向かって。。。
なだらかに、そしてマイルドになっていった。

中高生が「耳が良い」ゆえに、直感的に良い音を聴き分ける能力がある反面、
その瞬時刹那に反応が無いものを、バッサリ切り捨て去るいさぎよさと排他性。

「キミは、単に歳を取っただけじゃないのか」そう言われて、否定する言葉を自分は持たない。
それは、キミの言う通りかもしれない。。。

いや、または、チャイナ・クライシスが「未完成」で、若さから背伸びをして・円熟さを手に入れようとしたさまと、
今の自分の体温がそろっただけなのかもしれない。
シングルカットされた12インチシングルまで、中古レコード屋さんを巡り・手に入れながら。

アルバム「未完成」で、自分にとって突出した曲は最後の「ブルー・シー」、そして「ビッガー・ザ・パンチ・アイム・フィーリング」。

よく聴けば、ここにはまだまだ、とんでもないチャイナ・クライシスの若き蒼さと、彼ら特有の優しさが充満している。
「蒼さ」とは、年齢とは無縁だと46歳の自分は思う。

■China Crisis 「Bigger the Punch I'm Feeling」'85■
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2012年8月26日 日曜日 バナナラマ 「シャイ・ボーイ」'82

2012-08-26 11:44:38 | 音楽帳


デビューの頃のバナナラマが好きだった。
まずは出会いは、スペシャルズを経てテリー・ホールが作った3人のユニット、ファン・ボーイ・スリーの曲。
「坂本龍一のサウンドストリート」で聴いた『エイント・ホワット・ユー・ドゥー』。
ここにコーラスで参加していたバナナラマ。

容姿はカレンだけは可愛いと思ったが、他の2人は別段なんとも。。。
しかし、ニューウェイヴ一辺倒だった当事の自分には、歌謡曲やアイドルを肯定も出来ず。。。という中でロンドン・ニューウェイヴの軌道上にあったバナナラマの3人のコーラスには、正直癒されていた。

1983年のファースト・アルバム「Deep Sea Skiving」。
その後、少し大人びた感じを演出した、1984年のセカンド・アルバム「愛しのロバート・デ・ニーロ」までは、自分のひそかな愛聴盤だった。

まさか、その後Disco調のアッパラパーな「ヴィーナス」で「その手の世界」でブレイクするとは、想像だにしていなかった。
(多くの人の印象はココにあるのかもしれないが。
そーいえば、当時アイドル/今は演歌歌手の長山洋子がカバーしていた。)
この曲と3枚目以降で「ああ、ダメだ」と、自分はバナナラマにオサラバをする。

1983年「高橋幸宏のオールナイトニッポン」で幸宏と故・景山民夫氏が語るコーナーで、YMOをバナナラマが馬鹿にしたコメントを読みながら、幸宏「ふんっ。でも可愛いんですよ。」と言っていたのが思い出される。

***

外は相変わらずの熱風。
かわいそうに、植物という植物が、すべて日を浴びてヘタっていた。

せめて、音楽くらいは涼しげなものを。

1982年に発売されたバナナラマの「シャイ・ボーイ」を。
この曲は、個人的には、このユニットの曲の中でも想い出深い・好きな曲なのです。


■Bananarama 「Shy Boy」1982■
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2012年8月25日 土曜日 一風堂 「プランツ・ミュージック」1983

2012-08-25 13:41:28 | 音楽帳
































自分の命は、生き物の命をいただくことによって成立している、逃れようのない事実を正視セヨ。
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2012年8月24日 金曜日 二〇一二年八月・北千住

2012-08-24 06:58:32 | 写真日和
毎年、秋になると聴く、XTCの1983年秋のアルバム「ママー」。
一方「今」は、2012年8月の殺人的猛暑。

虫や鳥や植物たちのざわめく、優しいたおやかな季節・秋へ想いをはせて。。。。

神経症の症状で、ある日唐突に心身が動かなくなり、人前で演奏出来なくなったアンディ・パートリッジ。
これ以降、ライヴをやれなくなったXTC。
その後、次第に静かな世界に入っていくXTC。
ビートルズからの影響の強い、ブリティッシュの香り高きバンド・XTCの描いた軌道。

1982年名作「イングリッシュ・セツルメント」制作より、1983年名作「ママー」への流れ。
「ママー」に収録された、魅惑的幻想に満ちる日没時の楽園「ワンダーランド」。

■XTC 「Wonder Land」 1983■


愛する秋よ 早くこっちへおいで



つべたいタイルで過ごすコチャコ

カネゴン


























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2012年8月23日 木曜日 八月・博多よりの帰還にて

2012-08-23 00:44:47 | 写真日和






















■砂原良徳さん 「Welcome To Japan(ようこそ日本へ)」'98■

〔愛聴盤「テイクオフ&ランディング」より〕

「郷土愛」なるコトバと無縁でありたいと願った元少年は、今では、飛行機で東京の街が見えてくるたびに、恥ずかしながら・旅情と共に泣きたいような気持ちが涌いてくる。
東京という都市がいくら汚い物に囲まれた異界の地であろうと、自分にとってはふるさとである糸は切れない。
窓から次第に迫る光の風景を見ながら、よくそんな万感の想いがよぎる。

プリンスにも「一日で世界一周」という素晴らしいアルバムがあるが。。
砂原さんのこのアルバムは、新宿に空港があるという仮想の設定から、世界を一周する。
地平(此岸)と天空(彼岸)を行き交いながら各地を巡り、最後、再度改めて、自分の国・日本へと飛行機は降り立っていく。
「ウェルカム・トゥ・ジャパン」は、このアルバムのフィナーレを飾る曲。
そこにはまるで輪廻転生を感じさせる何かがある。
元々欠損を負って産まれる人間という生き物では無い生き物。
その代替・穴埋めの産物として獲得した「創造」行為の広がり。



飛行機好きでYMOマニアの砂原さん。
「ラヴ・ビート」におけるスケッチショー(細野さん&幸宏)とのFM番組で、2人に「良いっすね」と褒められ、「死のうかなあ」と言い・温かく笑われた砂原さん。
「テイクオフ&ランディング」も細野さんの番組に出演し、細野さんに褒められ、同じように萎縮していた砂原さん。

最後の曲「ウェルカム・トゥ・ジャパン」。
ここでは、かつてYMOが演じた「ナゾの黄色人種(Yellow Magic)」というトリック手法があからさまに振り掛けられている。
海外から見たら「なんとなくアジアの人」というアジアン・オリエンタリズム。
外人の目には中国・朝鮮・日本の違いも分からない中、日本の象徴・古都京都のイメージをカムフラージュとして配置した諧謔。
しかし、ここには、それでも自ら・ふるさと=日本・に帰還していく飛行機。
天空から日本へ。
「ウェルカム・トゥ・ジャパン」には、そんな愛がちらちら見え隠れする。
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2012年8月22日 水曜日 八月・於博多

2012-08-22 06:35:47 | 写真日和


















■ペンギン・カフェ・オーケストラ
 「汚れなきいたずら~タクシーの後席にて(In The Back Of a Taxi)」■

〔1984年秋の愛聴盤「ブロードキャスティング・フロム・ホーム」より〕
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2012年8月21日 火曜日 映画「水の中の八月」

2012-08-21 06:53:13 | スケッチブック
映画つづきのお話しとなる。

この休みに、眠り続けるウニュウニュのVHS-VIDEOの入った段ボール箱を漁っていた。
懐かしい過去の自分の抜け殻。
何年振りかに、眠りから目覚めるVIDEO。



1995年の日本映画「水の中の八月」は、夏なる季節が持つ特有の刹那さが投影されていて、好きだった。
映画VIDEOをレンタルで借りて来て、ダビングして保存して見た「あの日」。
この休みにほこりを取り除き、デッキで見る。
今では、遠くなってしまったかのような、いにしえの夏。




■映画「水の中の八月」サウンドトラックより■

夏の淡い恋、日本的な街の風景、祭り、自然、そして水、生と死。
久遠なるなにがしか。。。
この映画は、どのシーンを切り取っても、絵として成立している。
みずみずしい映像に満ちている。
宮崎勤のようなロリコンとは無縁だが、当時15歳だった小嶺麗奈が美しい。

ストーリーは語らないが、このカットシーンに興味を持った方が居たら、ぜひDVD等を観ることをお勧めします。































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2012年8月20日 月曜日  「トウキョウソナタ」

2012-08-20 21:23:25 | スケッチブック
好きな写真をダウンロードして保存する。
それも「わたし」の趣味の1つ。

・・・とある日にとあるサイトに訪問。
そこには、詩的なCDジャケットが並んでいた。

だが、画像が小さくて、その時にはただ「キレイ」と思い、「見る」だけで終わっていた。
それで満足していた。

この休みに写真を整理しているうちに、何年かぶりに、このCDジャケットの4cm角程度の写真を見た。

一体誰のなんというアルバムなのだろうか?

そうして、拡大してみるが、大きくすると共に画像は荒々しくなり、かすかに記された文字はあやふやに消えてしまう。
眼を細くしてすがめてみたりして、なんとなく浮かび上がった英語の文字。
それで検索をかけてみる。

自分が思うものではない結果が出る。
それを何度か繰り返していく間に、やっとたどり着いたのが「TOKYO SONATA」。
便利な世の中。



どうやら自分が好きだと保存していたジャケット写真は、映画のサウンドトラックだった。

そこから色々と調べると、2008年に公開された映画であり、(アイドル時代は別とした「今」)女優として愛している小泉今日子さんが出演している。

サウンドトラックの創り手は、橋本和昌(かずまさ)さんという方。
その次は試聴が出来ないものか?
とYOUTUBEで検索をかける。
すると、素敵なテーマ曲と動画に出会った。

■橋本和昌 「トウキョウソナタ」テーマ曲 '08■


「東京」と言って想起するは、小津安二郎さんの「東京物語」であり、永井荷風の「日和下駄」がよぎり、
その二人に影響を受けた荒木経惟さんの一連の写真が浮かぶ。

また、渋谷まで観に行った、1984年段階の教授の孤独な日々のドキュメント映画「TOKYO MELODY」、
1985年=80年代中盤「あおむけに狂っていく(如月小春「アイランド」)」東京の中で描かれた
土屋昌巳の「東京バレエ」へと。。。

「わたし」の脳のシナプスは信号を伝達していく。

まだ映画「TOKYO SONATA」は観ていない。
それでも、テーマ音楽とジャケットの雰囲気だけですら、すでに心がそそられてしまっている自分が居る。
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2012年8月19日 日曜日 Weekend  「Sleepy Theory」

2012-08-19 07:30:57 | 写真日和

□ウィークエンド 「スリーピー・セオリー」(LP「ラ・ヴァリエテ」より)□



















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