こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2016年2月29日 月曜日 写真日和 「ぼくの中の東京」

2016-02-29 22:48:07 | 写真日和

大阪から帰ってくると、我が島は雨降りの夜。しんしんと冷える。
こんな夜こそ、青空の下の幸福を。

第二のふるさと大阪から戻ると、体内のモードが変わる。

街の露地を縫ってずんずん歩いては切るシャッター。
だけど撮る一方で、その膨大な枚数のため振り返ることが少ない。

今夜は、東京と大阪。クツ底をすり減らし歩いた2つの街。
この2つを想いながら、昨年2月の写真をめくっていた。



■Blue Nile 「Downtown Lights」1989■
「ダウンタウン・ライツ」は元ユーリズミックスのアニー・レノックスのカバーも良いけど、やっぱり原曲。
決して上手とは言えない、朴訥としたポール・ブキャナンの歌い方が身に染みる。






















































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2016年2月26日 金曜日 音楽備忘録

2016-02-26 23:57:17 | 音楽帳
80代後半に差し掛かろうとしてるのに、ガンガンに高音量でハードロックを掛けながら家事一切などエネルギッシュに何でもこなしてしまうお袋。さらに心底明るい声で笑う。この人がいるだけで、その場一帯の空気が瞬時に変わってしまう。
オシャレなのに、下町血が騒いで遠慮なくべらんめいで接し、誰にも明るく何でも熱くなるから、ケンカもあるが、行くとこ行くとこにファンが瞬時に出来てしまう。この人がもし営業マンだったら・・・などと思ってしまう。

その圧倒的バイタリティは留まることを知らず、ひたすら突き進む。それはじぶんが幼児の頃から変わらない。
ここ十年通う近所の美容院に行けば、音楽好きの20代の男の子と「アース(ウィンド&ファイア)はいいよね」などと会話しながら、その子にCDを上げたり、「こないだライヴ行ったんだけどさ。。。」という具合。
かつてマリリン・マンソンのCDを兄がプレゼントしたら、えらく気に入り繰り返し聴いた挙げ句、側近たるボクに「ライヴ行きたいからキップ取ってよ」と言われた。さすがにそれはやめときな、となだめ制止した。

前に行ったハードロックのライヴでは、地方から聴きに出てきた20代の女の子と会話しているうちに好かれてしまい「こんな歳なのに、かっこいい!」と一緒に記念写真を撮って帰ってきた。

そんな太陽のような人を愛するとともに、リスペクトしている。
この人がいなければ兄もボクも、ここまで音楽やアートにこだわらなかったのだろうし、今のような姿で生きてこれなかった。「親と子」という意識だけではない。

***

そんなお袋が動けなくなった途端、実家は一気に孤立した島になる。
それは2年前もあったこと。太陽が現れないだけで、家は一気にライフライン絶たれたような翳った場所になる。

昨年秋、親の様子を見に、実家に行った。
その時点では、その後入院にいたるまでのシナリオを考えていなかった。今回も反省点はある。
何もしない/できない親父と、全身湿疹でカラダを動かしちゃいけないまでのお袋。止まった時間が流れる家。

生きていくにはほとんどの家事はどうでもいい。
家が荒れても、そんなことは大したことじゃない。大事なのは暑さ寒さをしのぐことと、ハラが減ったら喰うことだけだ。それだけは譲れない。ボクは食材を買い出し、温めれさえすれば数日食べられるおでんとシチューを作りに行った。2015年10月のこと。

***

料理にはまだ早い時間、「洞窟おじさん」との出会いを偶然もらった。
親父はテレビの前でじっと座って観るじぶんに従った。親父と2人でドラマを黙って見た。そんなことはあまり無い。

家族と離れ一人でさまよい、洞窟を棲み処にして数十年生きてきた「洞窟おじさん」。
その実話に基づくドラマ。リリーフランキーさんが演じた「洞窟おじさん」と、施設で色々面倒を見てくれる役に尾野真千子さん。

静かに進むドラマにボクは感動していたが、観終わってから親父と会話をする。
一緒に観ていたので、何か啓示的な会話が成り立つだろうと思ったが、彼はまったく理解できておらず相変わらずの鈍感で不毛な話しに終始しただけだった。

***

このドラマには、絶妙の間合いで音楽が流れる。
ドアーズ、そしてレッド・ツェッペリン。
ドラマ自体も素晴らしいが、音楽がじゃまをせず効果的に流れる。それはBGMでもサントラでもない、ドラマと音楽、2つが両方立ったまま、鳴る瞬間を刻んでいく。
両方は共に生きた形で進む。

その後しばらくして、6つ上の兄と2人で酒を呑みながら話した。
ジミー・ペイジの権利主張があって今までツェッペリンの曲をそうやすやすと番組に流せなかったはずだが。。。最近、その規制が外れたのではないか?。

そうなのか。
ロッキン・オンがうすっぺらい頃から買い、長い髪でツェッペリンを聴いていた兄。

2年前の病室のラジオからも「天国への階段」が流れていた。シャレにならない時に。
そして今日インターFMから昼一番に流れた。なぜか最近、この曲が流れることが多い。

***method of dance***
きょうのシンクロニシティ。
インターFMで掛かったハッピー・マンデーズの曲「ステップ・オン」は、今時点のmp3プレイヤーに入っている。190数曲のうちに占めるものを俯瞰すると、どうも最近ダンスミュージックづいているな、と思う。

「世間」が差し示すダンスミュージックのくくりは知らないし、くくられる覚えもない。
クラブ(語尾上げる↑)は大学時代、掃除アルバイトしていたが、そんな目的以外で出入りしていない。

踊りたくなる音楽も、場所も、それぞれの人にとって違うもの。
ダンスミュージックも私的であってあたりまえ。先日マドンナの時間調整に出てきたDJはまさにジュリアナの頃の曲を掛けていたが、正直感心しなかった。

昔から今に至る曲がまぜこぜで入れ替えられていくmp3プレイヤー、およびパソコン内で聴いている私的ダンスミュージック。適当に入れ替えしているうち2016年2月はこんな具合だった今日。

・デペッシュ・モード ワールド・イン・マイ・アイズ
・MARRS パンプアップ・ザ・ヴォリューム
・ハッピー・マンデーズ ステップ・オン
・ケミカルブラザーズ&バーナード・サムナー(ニューオーダー) アウト・オブ・コントロール
・ケンドリック・ラマー オールライト
・サム・スミス リスタート
・ロバート・パーマー シルバーガン
・坂本龍一 ブロードウェイ・ブギウギ
・キング・クリムゾン 太陽と戦慄パートⅡ
(これはダンスというより精神をドライヴさせる音楽というべきか?)

いずれもカラダが動いてしまうから、電車で聴くにはつらい。

■King Crimson 「Larks Tongues In Aspic Ⅱ」(1982Live)■

明日もあさっても野良仕事。生き繋いでいくには、音楽等々いろんな助けが必要だ。
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2016年2月25日 木曜日・深夜 写真日和 「青空」

2016-02-26 00:57:48 | 写真日和

こもった天気の日が続くと、写欲をなくし全くシャッターを押さない。
月、火、水、木。はっきりしない天気が続く。(明日[まもなく]は晴れるらしい。)

雪の気配と底冷えがするから、金属のカメラをつかむ手を、ポケットから外に出したくない。
冷えの中にあと数ミリで春が間近にあるのが、気配をつかむ神経の指先には感じられるけど、まだ数ミリ足りない。

でも、どっちかというと天気と光にとぼしいから、押す気が体内から湧かないんだろう。

こういう曇りが続くと、青空が恋しくなる。
そんな休みの日がまた来たら、幸宏の「青空」を聴きながら外を歩きたい気分に戻るはず。あるいは、こんな曲だったり。

■大村憲司 「Seiko Is Always On Time」1980■
























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2016年2月23日 火曜日 「ニューウェイヴ・カセットシリーズ ⑤ 1981年12月~1982年1月」

2016-02-23 23:18:25 | 音楽帳

1981年ヒットシーンの総括カセット③④とは違う⑤。
1980、1981年~82年と日々続いていく、ニューウェイヴシーンど真ん中のカセットテープ。
豊かでイマジネイティヴ、希望が詰まった選曲。これは今も有効。

ほとんどはクロスオーバーイレブンのエアチェック。
A面はすべてクロスオーバーイレブンからの録音。
B面1~2曲は夕方「軽音楽をあなたに」より。そして3曲目以降クロスオーバーイレブンに戻る。

***

ペンギン・カフェの「エール・ア・ダーセ」には、ある音楽評論家が言っていたことを想い出す。
「彼らのクチさわり良い音がココチ良いが、逆にうっすら感じさせるブキミさ。」

それを言ったのは(中村)とうようさんと思っていたのだが、雑誌をめくるとそうではなかった。
とうようさんは不気味で怖い音楽としてイーノの「ミュージック・フォー・エアポーツ」を挙げながら、ペンギン・カフェは”あの怖さにくらべ好意的にとらえている”。

とうようさんが指す「ミュージック・フォー・エアポーツ」の怖さ感覚は、じぶんも分かる。
初めて聴いた1981年秋から1982年に向けて、そんな怖さをよく感じた。
それはボウイ、ハロルド・バッド、ララージ、ジョン・ハッセル等々関わったどの作品にも通じるが、もっぱら音楽を聴けるのは夜から深夜という中、音が鳴る時間の波間の裂け目に(彼がよく言う)オルタナティヴ・ワールド、つまり此の世に居ながら別世界を見てしまうのだ。

それは過感な少年時代だったから聞こえた/視えたのもあるが、実際そんな意図を音として実現させてしまうイーノの才能と狂気が勝っていた。

ペンギン・カフェのアルバムは、確かにイーノがプロデューサーだったが、ほとんど自由にサイモン・ジェフスがやりたいように作ったもの。
それは故サイモン自身が言っていたこと。
信頼して自由にやらせてくれて、スポットを当ててくれたことも含めて、イーノに感謝していた。(天にも昇るような想い、と言っていた。)
サイモン曰く、困ったときだけイーノは「こうしたらいいんじゃない?」と支援した。

***

B面2曲目「カリオペディスクオルゴールのメロディ」は、「軽音楽をあなたに」の新譜紹介のなかで掛かった。
当時出たレコード『オルゴールと自動オルガンの饗宴』の1曲。
オルゴールの響き(それは公共BGMや冠婚葬祭用ではない)が美しくて録音を残した。

ゼンマイを巻いて曲が流れ、終わるとカチッと音がする。
この自動演奏は、思えばイーノの自動演奏とリンクする。
ペンギン・カフェ(&イーノ)~オルゴール~ティム・ブレイクと繋がる流れ。それは意図せず1つづつ好きな曲を録音していった結果の偶然が生んだ産物。

オルゴール曲のカチッの後にピヨヨヨ~ンと宇宙の音が小さく始まり、うねりとなっていく「宇宙の灯台」へ。

そう見ていくと、カーズの明快ポップな「シェイク・イット・アップ」からの曲が解毒剤として混じっているものの、カセット全体を陰鬱な空気が支配している。

この当時、ジャパンのアルバム「孤独な影」やこのような音楽を毎日聴き、”あやしい夜をまって”ひたすら救いの夜が来ることばかりラジオに託していたじぶんは、陽が射す日中・周囲に不気味がられていた。洋楽を色々聴いている仲間は極めて少なかったので、わけのわからん音楽を聴いている者扱い。
たぶんこの頃、何か事件を起こしていたら、という後の「世間」の三段論法は想像がつくこと。
(ただ当時の「世間」のほうが、確実に異人に対する理解力と包容力があったと思う。)

本人だけが抱える”ほとんどビョーキ”状態の悩みは、周囲にオーラを放っていて、みうらじゅん先生の逸話も今でこそ笑いに変えているが、そんな分かりやすい話ではない。

ここには、元タンジェリンドリームのピーター・バウマン先生が「ボクもテクノポップやってみました」という曲も収まっている。
残念ながらエドガー・フローゼが昨年亡くなってしまったが、ピーター・バウマンは”今でこそ”と思って音楽を再び始めたニュースを見た。
「ホーム・スイート・ホーム」は、バウマン先生の声が違和と不気味さと優しさをたたえていて好きだった。

また、このカセットにはサントリーのウイスキーCMで、ミッジ・ユーロがかき鳴らすギターに始まる「ニュー・ヨーロピアンズ」が入っている。衝撃的カッコよさをお茶の間に流した歴史的一曲。
ウルトラヴォックス人気はこれを機に盛り上がり、来日が決定する。
1981年ニューウェイヴシーンは、ニューロマンティクスの影の立役者ウルトラヴォックス対YMOの構図が1つの事件だった。

■ULTRAVOX 「New Europeans」1980■
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2016年2月17日 水曜日 音楽おもちゃ箱 ~音楽散歩の夜~

2016-02-17 23:46:34 | 音楽帳

「賞なんかショーにすぎない」と突っ張ってきたのに、16日(火)インターFMから流れていたグラミー賞に耳をそばだてていた。2014・2015とやたら聴いたテイラー・スウィフトや渋谷さん経由で昨年知ったケンドリック・ラマー、そしてボウイへの追悼カバーなど。
こないだ渋谷さんのラジオ番組「ワールドロックナウ」でグラミー賞動向を話していたが、こういった世界も新旧交代・人材不足とでもいうのか?大多数の賞をケンドリック・ラマーに集中する動きがあると言っていた。結果は知らないし、活気さえあれば誰が取っても構わない。


家に着いてラジオをひねった途端ヴァーナ・リンドの「アテンション・ストックホルム」が流れて、スイッチをまちがったのか?という錯覚にとらわれた。しかし、それは鈴木慶一さんのTBSラジオ番組「サウンドアヴェニュー905」だった。

なぜ錯覚?と思ったかは、散歩小旅の七つ道具・200曲も入らないmp3プレイヤーに「アテンション・ストックホルム」が入っているからであった。「ヤング&ヒップ」も入っている。最近は、こんなシンクロニシティが多く発生する。
インターFMからmp3プレイヤーに入っている曲がよく掛かる。

かつて、この「サウンドアヴェニュー」を”サウンドストリートそのもの”と表現したけど、それは合っている。なんやかんや言いながら、最近では『あの雰囲気を継承してくれていることはありがたいことなのだ』と思うようになった。水曜の慶一さんは聴きたかったが、今日はまったく忘れていた。当時と今と違うのはエアチェックしない/できないこと。

★★
先週小西康陽さんは、放送で「こんな好きな曲ばかり掛けられる日がくるなんて」と言っていたが、そんな少年みたいな様にニコリとした。(ピッチカート・・・や○○系には苦虫つぶした顔をしてしまうのは変わらないが。)

慶一さんにしても小西さんにしても、選曲が素晴らしく、好きな音楽をひたすらゴッタ煮で提示していくのはきわめて健全で無理がなく、心地いい。

先週は、あまり聴かない佐野元春さんの曜日で、アルバム「スイート16」を振り返る特集をついつい惹き込まれて聴いた。「自転車でおいで」「また、明日」は別として、深く知らなかった彼のアルバムがこころに届いた。
彼の音楽ファンと論争・乱闘になった男子高校時代を思い出す。
なによりも佐野さんが(苦しい時代だったのに)振り返りながら、前向きに明るい声で「今」を語る、重くない語り口に胸を打たれた。

★★★
最近、夜帰って家事をしている最中AFNを掛けていることがある。
むかしFENといっていた米軍国内駐留人向け放送は、いまAFNと呼ぶ。

そんな放送からある日時・不意に「愛の残り火」(ヒューマンリーグ)が掛かったり、相変わらず面白い。音楽好きだった小林克也が少年の頃憧れて聴いていたのも、FENだった記憶がある。

その後小林少年は音楽を通じて英語がペラペラになっていき、「まるでネイティヴスピーカー」なDJとして国内唯一の存在になっていく。(ミュージシャンで言えば幸宏さん)

今夜もAFNが今背後で掛かっている。さっきコールドプレイの曲が流れた。彼らの曲はラジオに適している。

★★★★
きょうも”おしごと”は地方都市への小旅行、朝も早よから向かう。朝日と青空がまぶしく明るい。
ゴトゴト車窓からの風景を眺める行き来は、小旅を続ける身には楽しかった一日。

午後都内に戻るが、牢屋みたいな事務所内に居るより、やっぱり旅しているほうがいい。

夕方、インターFMからシンニード・オコナーの「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」が流れた。
ひさしぶりに聴いた気がする。ヒットした当時ラジオからずっと流れていた。
この曲がヒットした年(1990年)の年末の渋谷さんのラジオ番組で、この年を代表する曲として語っていたように思う。

その頃より今のほうが、こころに響く。

★★★★★
きょう脳裏で、マドンナの’98年アルバム「レイ・オブ・ライト」が一日じゅう鳴っていた。会議や打ち合わせ中も。
じっさいmp3プレイヤーから朝や夜の道で流れていたのは、ロバート・フリップ先生の「レット・ザ・パワー・フォール」だったりするが、音を聞いていないときには、つい「レイ・オブ・ライト」が鳴ってしまう。

「レイ・オブ・ライト」は「トゥルー・ブルー」とならんで、みずみずしく新鮮な一枚。
美しく繊細な音色(おんしょく)はウィリアム・オービットのプロデュースによるもの。

ウィリアム・オービットは、ハウス以降分派した新しいアンビエントへの潮流のなかから現れた。
そんな彼の音楽を知ったのは、90年代後半2枚組CD「ア・ジャーニー・スルー・ザ・エレクトリック・アンダーグラウンド」の曲だった。

専門家じゃないので彼のすべてを知っているわけじゃないが、このCDに収まっている「Water From A Vine Leaf」は出会ってから、折々の季に聴きたくなる。
この2枚組CDの選曲と流れは素晴らしく、いっとき聴き狂った。


■Madonna 「Ray Of Light」1998■

この曲は、1998年春から夏に向けての季節、インターFMでヘヴィーローテーションで掛かる一曲だった。
土曜のライヴでは掛からなかったが、今でもじぶんにとっては素晴らしい作品。オススメの一枚。

ライヴを一緒に観た高校からの友人セミくんと話していた。
初めてマドンナを知ったのは克也さんの「ベストヒットUSA」で、「ラッキースター」か「ホリデー」か、それとも「ボーダーライン」か、、、、お互いそうだったね。こんな話を丸一日しゃべっていた土曜日だった。
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2016年2月15日 月曜日 音楽備忘録 マドンナ“レベル・ハート”ツアー

2016-02-15 23:14:45 | 音楽帳

13日土曜日、さいたまスーパーアリーナへ、マドンナのライヴを見に行く。
昨年12月のキング・クリムゾンに続いて、ただただ言葉もなく圧倒された。

クリムゾンは他に類をみない演奏力のすばらしさだったが、マドンナはライヴ全体が1本の迫力ある舞台だった。彼女がテーマの1つとするセックス/エロティシズムをダンス・映像・音に絡めながら進む2時間。ダンス・映像・音どれを切り取ってもすばらしいもの。CDでは味わえない目の前で繰り広げられる力。

舞台正面からからまっすぐせり出した細長いステージを、ダンサーたちと行きかうマドンナ。そのステージ形状は、ペニスと2個のボールのデザイン。その真ん中あたりは十字架を模し、先端の亀頭がハート型心臓部になっている。

「マテリアル・ガール」等初期作品から最新作「レベル・ハート」収録曲まで全作品からピックアップされた楽曲は、すべて新たなアレンジでリメイクされ、まったく違った新鮮な印象を覚えた。

ライヴでもアルバムでも“中だるみ“といったことがあるが、そんな言葉はマドンナには無い。一曲一曲、目の前でカラフルに変化していくビジュアルと音には、退屈感はみじんもない。

(クリムゾンにも感じたが)そうそう見ることのできない稀有なコンサートに15,000円は安すぎるくらいだった。ラジオで「5万円の席を買収して25万円で売っている者どもが居た」と言っていたが、連中の金儲け意図とは別に、それくらい価値のあるステージ。
「スター」と呼ばれる人にどれだけ本当の価値があるだろうか?
そんな疑問がよく湧く。
だが、今のマドンナには正真正銘その価値がある。(彼女がスターとよばれたいかどうかは分からないけれど)それが明快にわかる素晴らしいライヴだった。

マドンナは、もう他の追随を許さない存在として、まったく別の次元に突入している。
偶然か?意図されたものかは不明だが、ライヴ直前・直後の会場にマイケル・ジャクソンの曲が流れた。彼が亡くなった当時、痛々しさばかりで同調できなかったじぶんだが、今になって彼の存在の欠落は大きい事実を、この日思った。

***

マリリン・モンローのように、見せてなんぼの世界でナンバー1(=セックスシンボル)になる。それを目指し、疑似アイドルを演じるところからスタートしたマドンナ。

そんな彼女の本筋たるセクシャルな楽曲も良いが、個人的には作品「トゥルー・ブルー」が忘れられない。
このアルバムで初めて彼女を三流アイドル以上のアーチストとして意識した。たぶんそれは彼女にとってもそうなんだろう。今でも、ここに入った楽曲とそこに漂うマドンナの可愛さが好きだ。

このツアーライヴでは、赤いギター抱えて歌ったタイトル曲「トゥルー・ブルー」。
スパニッシュなメロディーが美しい「ラ・イスラ・ボニータ」フラメンコを踊るマドンナ。。。それらが唐突に始まるシーンには、得も言われないなつかしさがあった。



■Madonna 「Living For Love」2015■

ボウイの不在後、マドンナのライヴから新たなチカラをもらった夜だった。


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2016年2月12日 金曜日・深夜 音楽備忘録 Eno’s Life & Non Style

2016-02-13 00:41:03 | 音楽帳
イギリスBBCで制作されたブライアン・イーノのドキュメントを見ることができた。
2011年のものらしい。

教授が、細野さんが、大竹さんが恋こがれたように・・・
ぼくもイーノのやることなすことに関心を寄せ、あこがれてきた。見ているうち、まるで家族みたいにしみじみしてしまう。
イーノのふだんのシーンは今までいろんな映像で見てきたが、このドキュメントにもたくさんの宝物が埋まっている。

うれしかったのは、大竹さんの文章でしか知りえなかったイーノのアイデアノート(日記帳?)の実物を見れたこと。
どんな風に書いたり扱ったりしているのか?

なるほど、そうなんだ。
動画を止めては少し戻り・・・何回も繰り返し見た。






一緒に暮らす黒ねこさんが、創作活動するイーノの横をときおり横切っていく。優雅に。
お互い関係ないかのように自由にしているが、一緒にいる。その距離感。



このドキュメント番組に、発見はいくらでもある。

考えてみれば、イーノはいつもユーモアを忘れず、冒険者の好奇心に満ちた顔つきをしている。
生き生きと楽しそうで明るい。

1982年に立川直樹さんがインタビューしたときのラジオテープでも、話すさまは子供のように豊かで無理がなかった。

先日亡くなってしまったボウイも、そしてこのイーノも根は明るいのである。
よくよく振り返れば、音楽に救いようのない暗さなど無い。
例えば、(絶大なシンパシーを覚える)Dシルヴィアンが背負わざるを得なかった暗さは、イーノにはない。

「ヒーローズ」や「ロウ」には確かにヨーロッパ的な暗さはあるけど、2人の天才が音楽に熱中した結果と思うと、もっと違う観点がうまれる。

***

この数日、イーノのソロアルバムを聴いていた。
むかしはソロ1・2枚目がどうも好きになれなかった。好きな曲はあっても、アルバムを通すと。。。というぐあい。
(一連のアンビエントもだが)神がかりとしか言いようのない「アナザー・グリーン・ワールド」ばかり中学~高校へと聴いていた。

ひさしぶりに聴いた1・2枚目は、違う響きをした。

***

自然なかたちで暮らし、考え、音楽を創作する。暮らすことと音を創っていくこと、この2つが同じ水位で繋がっている。
今回、イーノの姿を見て、改めて思ったことである。

その姿に想いがかさなる。
ボウイもそうだが、やっぱりただただ素敵で、ただのミーハーになっていく。

外と内の歩調を合わせること。
無理をせず風通しをよくしながら、それを前に置きながら、すーっと進んでいく感じ。じぶんのなかに取り入れたい。

■ブライアン・イーノ 「アイル・カム・ラニング」1975(ギター:ロバート・フリップ)■

あなたのおもかげをどこか街角でみつけるために
わたしは残された日々を費やしていよう

窓辺からゆっくり眺めながら
季節が変わるなら 変わるにまかせよう

だけど いつかわたしの夢は
あの庭の門から あなたを引き寄せるだろう

わたしはさまよいを重ねる船乗りになりたい

そうしてわたしたちは月明かりの下に
シルエットとなって浮かびあがって

わたしは窓辺にすわり 一人トランプに興じる
時が移るならば それもいいだろう

いつかわたしの妄想は あなたをわたしのドアにみちびき寄せるはず
そうしてわたしは あなたのくつのひもを結ぼうと
駆け寄っていることだろう





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2016年2月12日 金曜日・深夜 「ニューウェイヴ・カセットシリーズ ④ 1981年12月」

2016-02-13 00:14:12 | 音楽帳
せっかく乗り出したカセットテープをめぐる旅なので、間を置いたが継続掲載。





前に書いたとおり、③も④もニューウェイヴでもなんでもない。そう呼べるのはクリムゾンとポリスだけ。
また、③にも④にも「プライベート・アイズ」が入っている。2つは別の日、別番組で録音したもの。

むかし、どこかで誰かが言っていたことを思い出す。
その人は、ある曲が好きで好きで、カセットテープにレコードから何回も繰り返し録音して、延々と同じ曲が流れるカセットを作ったらしい。
好きでこそ、の良い話だ。

人や世間がどうのこうの言おうが、そんなことは本人が好きなことと関係が一切無い。

***

このカセットテープは、1982年2月末に受験の決着が付くまで聴いていたもの。

スティクスは1981年の冬、ベスト盤LPレコード「烈風」を神保町JANISで借りた。
「ベイブ」「ザ・ベスト・オブ・タイムス」と好きなヒット曲が続いたころ。「ドモアリガト、ミスターロボット・・・」となる前のこと。

神保町富士見坂の風情と見やるときの気持ちは、35年経ってもじぶんの中で変わらない。
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2016年2月11日 木曜日 写真日和 ひなたぼっこ

2016-02-11 23:55:25 | 写真日和

今日も晴天。雲ひとつない青空。
足を傷めていても、外に出たいもの。
びっこをひいて公園に出向くと、おなじみのメンツ。
太陽さんの移動にならって、一番良い位置で安らいている。







4人は、お昼ご飯をもらったあとで、カリカリをせがむことはなかった。
食休み中、といったところだろうか。
しばし一緒にひなたぼっこする。

そのいっぽう、歩いていくと、いつもの通りでミケちゃんと出会う。

最近よく遊ぶ。
ミケ猫はたいていアタマが良い。ある種のヒトよりはるかに賢い。
一緒に暮らしていた正(しょう)ちゃんもそうだった。

そして人懐っこい。
カラダをすりすり、手を添えるとくるくる回っては頭突きをくらわしてくる。
その後は、足や指を甘噛みしてくる。

におってから、噛む。

におってから、噛む。
甘噛みとはいえ、たまに痛い。

自由である。

しばらく遊んだ後はバイバイして、こちらもむこうも別の場所へ遊びにいく。

あちこちで梅が咲き、春がそこまで来ている。




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2016年2月5日 金曜日 音楽備忘録 ルパート・ハイン

2016-02-05 23:18:39 | 音楽帳

ルパート・ハインと言えば“音の魔術師”という言葉が浮かぶ。
自分はその録音風景に立ち会ったわけじゃないから分からないのだが、80年代通して彼が関わった音楽は、スタジオエンジニアという職人芸と耳・センスの良さが合いまった独自の音として聴こえた。

彼のソロを初めて聞いたのは、教授のサウンドストリートだろうか?
1982年6月29日幸宏ゲスト回(新譜「What Me Worry?」紹介)の一曲目が「イレブン・フェイセズ」(「Waving Not Drowning」収録)だった。
(この曲を聴くたびに、翌年1983年[シックのリーダー]ナイル・ロジャーズのファーストソロアルバムに入った「ヤムヤム」を思い出す。
直接的な影響があったか否かは不明だが、彼がルパート・ハインを知らなかったはずもない。)

同じような時期、夏のじっとりした暑さの中、フィックスのデビューアルバム「密室」に収録された「ザ・フール」という曲を、クロスオーバーイレブンでエアチェックしながら聴いていた。この「密室」のプロデューサーもルパート・ハインだった。
「密室」が日本に紹介された1982年この時期は、ロキシーミュージックの「アヴァロン」やブロンディのシングル「Island of Lost Souls」をおさめた「ザ・ハンター」が横にあり、ファンカポリタン,ヘアカット100,ピッグバッグ,グレイス・ジョーンズ,デヴィッド・バーンのソロ,XTC・・・等々南洋楽園桃源郷へ向かう音楽たちがそばにひしめいて、私は電波のうねりに合わせて、カメに乗って一緒に回遊し、四六時中水のなかをゆらゆら踊っていた。めまうようなそのカラフルな風景が浮かぶ。

「ザ・フール」はひきつったリズムが空間の柱を構成し、その空間内にさまざまな音が立ち現れる。ルナティックなギター、ドアが開くギギギという音や子供の声、全体にもやを掛け覆いかぶさってくるシンセサイザーのアンビエンス。
ジャケットそのままを音にしたかのような「ザ・フール」はお気に入りの一曲で、夜にしか顔を出さない妖しい魔界を体現していた。
その不可思議な音像。

FIXX アルバム「密室」(1982)ジャケット写真
翌年1983年にはクロスオーバーイレブンで「サムサラ」という曲に出会う。これもルパート・ハインのソロ佳曲。

アジアのとある一角、人が往来し、露天商が立ち並ぶ雑踏。
それが脳裏に映像として浮かぶ。そんなざわめきの音が土着感を持ってテープループで繰り返される。実際はテープじゃないのだろうが、ループは切れ目がはっきりしたもので、YMOが「テクノデリック」(1981)で演じたような切れ目の分からない巧妙さ・緻密さはない。
長い曲「サムサラ」は、延々と続くループ音に木琴、シンセサイザー、ピアノ、乾いたヴォーカルが乗っかる。サビのときはエコーが掛かるが、それ以外のときは極力残響音がカットされ、そのくぐもった音が無国籍な異国の荒涼風景と雰囲気を醸し出す。

「サムサラ」は他で聞いたことのない曲。このどこにも属さない感覚はルパート・ハイン独自のもの。
とてももの悲しいが、とても好きな曲である。サムサラとは永遠にめぐり来たる生、つまり輪廻転生を意味し、曲の「ループ」することとダブル・ミーニングとなっている。

「サムサラ」をおさめたLP「イミュニティ」(1981年)は、タイトル曲含めて「一聴してポップ」な気がよぎったりもするのだが、A面1曲目「I Hang On to My Vertigo」を聴けばすぐ分かる通り、なにかがおかしいのである。
いわゆるロックの方々、旧態依然型バンドが踏む”ロック形式”の音の置き方がない。リズム1つ取っても、この人はどちらかというとロックでもポップスでもない拍子の置き方をする。曲創りのプロセスが分かったらもっと面白いのに、と思う。
「イレブン・フェイセズ」「サムサラ」のような成功例もあれば、駄曲もあるが、決まった枠に収まらない不可思議さが、彼の音楽にはある。

それは1983年プロデュースしたロバート・パーマーの名盤「プライド」でも、1984年ハワード・ジョーンズ「かくれんぼ(Human’s Lib)」にも現れてくる。
前者作品で例えれば「シルバー・ガン」におけるエスニックなポリリズムとうねり、それはPILの「フラワーズ・オブ・ロマンス」(1981)が持つゾーンへ突入していく音のパワーと同等なエネルギーに満ちている。後者は「コンディショニング」から始まりあちこちにルパート・ハインの隠しワザを見る。



■FIXX 「The Fool」1982■




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