対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「三村流 布石の虎の巻」

2012-05-28 22:15:55 | 棋書
名峰と名水の里北杜囲碁まつり」の報告は後回しにして、
今月の新刊棋書、MYCOMから発売された
我らが三村先生の「三村流 布石の虎の巻」を紹介。

「我々」…って、馴れ馴れしいな、うん。
構成は伊瀬英介。

取り上げられている布石はドンドン大場に選考して模様を張り、
その模様に入ってきた相手を攻め立てて主導権を握るというもの。

序章・第1章でその布石の基本や、
本書でとりあげる「攻める布石」基本概念を説明し、
第2章以降で布石を運用するに当たっての要点を
さまざまなテーマ図を提示して解説している。

IGOJIN」によると級位者を対象にして書かれたということで、
定石といった細かい定型についてはサラッと触れる程度に留め、
構想や模様を張るポイントと攻めのテクニックに
フォーカスを当てているのが特色。
いわゆる細かい手よりも、布石の「思想」を大事にした本。

個人的には説明されている布石には共感したし、
級位者が最初にマスターする布石としてオススメ出来ると思った。

しかし級位者向けに内容を「やさしくしきれなかった」ところが、
散見されるのが少々残念。



例えば文中に上のような局面を提示(Aに黒石があったかどうかはうろ覚え)して、
「このような形ではBからの動き出しが残る~」
というような解説があったけれど、
Bから上手く石を担ぎ出せた級位者はおろか、
低段者もあまりお目にかかったことはない。

他にも両ガカリや一間バサミからの定石も、
基本ながらほとんど解説なしに文中に登場していて、
「妙に難しいことをサラッと書いているなぁ」
と感じるところがところどころあった。

恐らく三村先生や伊瀬さんが級位者向けといっても、
「置碁定石」「俗筋」的なものを取り上げることをよしとしなかったからだと思うが、
「B級定石」や「悪形」まではいかないにしても、もう少し平易な(?)、
例えば一間トビの連続みたいな形などを多用した方が良かった気がする。