対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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新刊棋書情報「バランス感覚で碁は勝てる」

2012-05-07 23:55:15 | 棋書
MYCOMから関西棋院の瀬戸大樹プロの処女作
バランス感覚で碁は勝てる」という本が出版された。
構成は内藤由紀子。

タイトルもそうだが、どういう内容でどういう人向け作られた本なのかが、
実際に手にとってもイメージしづらい。
IGOJIN」のインタビューによると、
瀬戸プロは上級者から高段までと幅広く対象をイメージしているようだが、
そういう曖昧な対象の本はどうしても中途半端になりがち。

「石の方向」「攻め」「モタレ」「模様」「ヒラキ」といったテーマに対して、
2、3の考え方のポイントを序章でまず取り上げ、
そのポイントを元にテーマ図を解いていくという形式だが、
ポイントの解説が非常に簡素な上に、常識的な内容。

勿論、その常識を実戦で実践していないアマ棋客が多いため、
こういう本が出版されるのだろうが、
といって本書でなければ学べないという考え方はなく、
また個々のテーマの関連性も薄いため内容が散漫に映る。

「模様」の項で、数値化された形勢判断(目算)を加味することで、
「模様は地にしようしない」という考え方を
より捕らえやすくする工夫もあったりはするが…。

強いて言えばテーマ図が瀬戸プロの院生時代の棋譜から取材している点が特徴。
テーマ図までの手順も併記。
アマチュアにとって考え方が高度すぎず、
かといってアマチュアの碁のような見るに耐えない内容でもない題材なのが、
長所といえば長所だろうが、やはりもうちょっと伝えたい内容を絞り込んだ上で、
解説に厚みを持たせたほうが良かったと思う。