名人戦たけなわという時期を狙ってか、
日本棋院が「井山裕太20歳の自戦記」という本を出してきた。
タイトルの通り、井山プロの打碁集だ。
収録は初タイトルの阿含桐山杯の1回戦から、
昨年の名人戦奪取までの全17局。
リーグ入りの一番などの節目の棋譜の他、
国際戦で李昌鎬プロや李セドルプロに敗れた棋譜も掲載している。
1局辺り7譜から12譜程度に譜分けして解説。
棋譜の他に巻頭に、編集の秋山真司(春秋子)による、
井山名人誕生までの道のりを記したコラムを掲載。
また棋譜の合間に坂田、大竹、石田(芳)、小林(光)、趙(治)ら
「歴代7名人からみた井山名人」というコラムが入っている。
秋山氏は藤沢先生や加藤先生の打碁集にも関わったベテラン。
ベテランらしくそつのない作りになっており、まず不満はない。
ただ文章が秋山節になっているので
文章だけだと加藤先生の打碁集を読んでいる気分になる(汗)。
また巻頭のコラムで井山プロがまだ国際戦での成績が乏しいことを、
「まだ票田がひらいていないだけだ」
と評したのはまんま、
「現代花形棋士名局選」の中で
タイトルを逃し続けた時期の加藤先生に使ったセリフ。
ちょっとこれはどうなんだろう(笑)。
昨年集英社から「わが天才棋士 井山裕太」という本が出版されていることを考えると、
企画は読者本位とはいえない。
「天才棋士」を買った人はちょっとガッカリだろう。
棋譜の重複はさほどないが。
またその企画から出版にいたる経緯も本書には記されているのだが、
当初思い描いていたであろう、「20歳名人誕生」という出来事は、
碁界はともかく世間的には大きいフィーバーにはならなかった。
ちょっと時期を逸している観もあるし、
井山プロの多くの荷を負わせすぎにも思う。
ともあれここまでの「井山裕太の碁」を知るには十分な一冊。
棋譜並べの出来る囲碁ファンならば、「天才棋士」より買うのはコチラ。
日本棋院が「井山裕太20歳の自戦記」という本を出してきた。
タイトルの通り、井山プロの打碁集だ。
収録は初タイトルの阿含桐山杯の1回戦から、
昨年の名人戦奪取までの全17局。
リーグ入りの一番などの節目の棋譜の他、
国際戦で李昌鎬プロや李セドルプロに敗れた棋譜も掲載している。
1局辺り7譜から12譜程度に譜分けして解説。
棋譜の他に巻頭に、編集の秋山真司(春秋子)による、
井山名人誕生までの道のりを記したコラムを掲載。
また棋譜の合間に坂田、大竹、石田(芳)、小林(光)、趙(治)ら
「歴代7名人からみた井山名人」というコラムが入っている。
秋山氏は藤沢先生や加藤先生の打碁集にも関わったベテラン。
ベテランらしくそつのない作りになっており、まず不満はない。
ただ文章が秋山節になっているので
文章だけだと加藤先生の打碁集を読んでいる気分になる(汗)。
また巻頭のコラムで井山プロがまだ国際戦での成績が乏しいことを、
「まだ票田がひらいていないだけだ」
と評したのはまんま、
「現代花形棋士名局選」の中で
タイトルを逃し続けた時期の加藤先生に使ったセリフ。
ちょっとこれはどうなんだろう(笑)。
昨年集英社から「わが天才棋士 井山裕太」という本が出版されていることを考えると、
企画は読者本位とはいえない。
「天才棋士」を買った人はちょっとガッカリだろう。
またその企画から出版にいたる経緯も本書には記されているのだが、
当初思い描いていたであろう、「20歳名人誕生」という出来事は、
碁界はともかく世間的には大きいフィーバーにはならなかった。
ちょっと時期を逸している観もあるし、
井山プロの多くの荷を負わせすぎにも思う。
ともあれここまでの「井山裕太の碁」を知るには十分な一冊。
棋譜並べの出来る囲碁ファンならば、「天才棋士」より買うのはコチラ。