「李昌鎬名局撰集」の中巻が発売された。
尚、上巻の紹介の時に「撰」の字を「選」と誤記。
お詫びと同時に訂正します。
今回は1992年半ばから1994年にかけて、
李昌鎬プロが勝ち取った国(韓国)内外16タイトルと
農心杯の前身である団体戦、
第1回、第2回真露杯での対局(1局ずつ)を収録している。
スタイルは当然、上巻と同じ。
ただ基本、全ての対局が収録されているはずなのだが、
第1回真露杯で林海峰プロに敗れた棋譜は、何故か未掲載。
それにしても2年間でこれだけのタイトル戦を勝ちぬくとは、
改めて驚異的だ。
本書でのハイライトは趙治勲プロを決勝で
ストレートで破った第4回東洋証券杯。
いよいよここから李昌鎬は世界のトップとして歩み始めることになる。
同時に日本の凋落が本格化するのだが…。
ところで今、上巻をちょっと並べているのだが、
同じ棋苑図書の「李昌鎬の中盤戦略」シリーズと同じく、
韓国語をそのまま直訳した感じの部分がある。
例えばP.20、李昌鎬がタイトル戦で師匠のチョ・フニョンに敗れたことに対して
「今や下山しても良いかという弟子の問いに、
師匠は、今だ下山するのは早いと冷静にきつく諭した」
という一文があるが何のこっちゃ?
「容易く弟子に師匠越えを許さなかった」という意味は伝わるが…。
中巻にも同様の記述が見受けられ
この辺を「面白い」と思うか「違和感」を感じるかで、
本書の評価もかわってきそうだ。