対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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新刊棋書情報「捨て石集中講義」

2010-08-25 22:32:10 | 棋書
ミムー先生の新刊捨て石集中講義」。

この手の本は捨て石の「手筋」問題集になりがちだが、
本書は全局図を用いたテーマを主に扱い、手筋より
「どの石」を「どういう理由」で「どう捨てるか」に
主眼が置かれている。

構成は伊瀬英介。

序章
第1章 いらない石1 強い石にくっついている石(9テーマ)
第2章 いらない石2 利かした石(3テーマ)
第3章 石数に惑わされない(5テーマ)
第4章 捨ててはいけない石1 相手を切っている石(5テーマ)
第5章 捨ててはいけない石2 根拠を脅かす石(7テーマ)
第6章 捨ててはいけない石3 ねらいを残す石(4テーマ)
第7章 捨ててはいけない石4 取られると大きな石(3テーマ)
第8章 シメツケと、その他の手筋(9テーマ)
第9章 捨てるか、助けるか (練習問題12題)

テーマ図はアマの実戦、プロの実戦から取材している。
解説は他の伊瀬さんの本(「モタレ攻め指南」など)と同様、
丁寧すぎるほど丁寧。

私の感触ではネット碁初段でも、
「上手く捨てられたな」と感じることは極々まれ。
なので本書の前書きに
「アマの実戦を題材にしてものは級位者向け、
 プロの実戦を題材にしたものは有段者向け」
とあるのを読んで、「対象を広げすぎではないか」と懸念したが、
大体初段前後ぐらい向けのレベルに解説が統一されており
第一印象ほど難易度のばらつきはなかった。
プロの実戦は鑑賞目的で取り組むのがいいだろう。

一方その分、サラッと読むことが出来るため、
本の分厚さの割には分量はそれほどと感じない難点も。
立ち読みで全部読み終えそうになってしまった。
高段者にはプロの実戦は面白いと思うが、
若干物足りないか?

また本書のターゲット層も
ちょっと書かれていることを実戦にそのまま応用して、
効果をあげるのは難しいかもしれない。
テーマ図までの手順も掲載されているので
細かい手順よりも、「碁に対する見方や考え方を広げる」目的で
碁盤に並べながらジックリ読むのがオススメだ。
本書の中にもあるが、最終的には
「自分で考えて」応用して打つしかない。

まえがきにある「私なりに分かって貰えるよう一生懸命書いた」
というのは伝わってくる。
私も一回ジックリ読んでみたい。