対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「名人・名局選 秀甫」

2009-12-11 20:55:55 | 棋書
今日本屋に立ち寄ると、
「をっ!『秀甫』が出ているやん」。

名人名局選シリーズの最新刊。

秀甫は幕末から明治頭にかけて活躍した棋士で、
既にシリーズで刊行されている秀和の弟子。

スケールの大きな攻めが持ち味。
大正以前の棋士としては、私は今のところ一番好きかも知れない。
尚、スケールの大きな攻めとは、
攻めが全局的に絡み合っていく形のことで、
いわゆる大模様の碁とは少し違う(と、私は認識している)。

棋士として脂の乗った時期が、
幕末から明治初頭にかけての激動期と重なったため、
ライバルと呼べる相手がおらず、
力を出し切ったいわゆる「真剣勝負」がほとんどないのが惜しまれる。
そのため対局の「背景的に」は面白い棋譜は少ない

その中でも秀甫の代表作というと
師匠の秀和、秀策、そして秀栄との十番碁が挙げられるが、
本書は敢えてそれらを少なめに収録し、
明治期の碁を中心に解説しているのが特色かと思う。

シリーズの他の巻と同じく、
1局を10譜前後に割譜して解説した対局が10局。
1局を2譜に分けた参考譜が30局収録されている。

第4局に収録されている対黒田俊節戦、
「初手天元」を迎え撃った一局は
私も好きで総譜を3・4回並べたことがある。
初手天元撃退のお手本として参考になる。

力に差がある相手が多いとはいえ、
それを圧倒していく様は、爽快といえるかもしれない。