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対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「必須定石小事典 PART3」

2012-03-29 21:15:15 | 棋書
必須定石小事典」のPART3は予想通り小目の解説。

第1章 低いカカリ(15型)
第2章 高いカカリ(20型)


1ページ、全局図、部分図「関係なしに」2図。
上記の他にハメ手や何故か秀策についてのミニコラムなどが
いくつか掲載されている。

基本はPART1やPART2と同じだけれど、
絶句したのはプロの実戦譜のページ。

四六版に全局図2図掲載というだけでも
かなり小さく見づらいのに、
それが更に碁盤の形状をかたどって更に小さく
見づらくなっている上に、収録手数が50手!

まだまだ老眼には遠い私でも数字がよく見えない。
よっぽど熱心な読者でないとこのページを
深く吟味しようとは思わないだろう。

「本当にこの本をレイアウトした人はプロか?」と疑いたくなった。
内容の良し悪し以前の問題と思う。

i碁BOOKSに「天下の奇譜と奇手」

2012-03-28 22:15:55 | 棋書
i碁BOOKSの書籍に高木プロの「天下の奇譜と奇手」、
春山先生の「自由置碁の冒険」が加わった。

最近の読者には聞きなれない本かもしれないが、
両書は「ハイセンス囲碁ブック」の上・下巻とい名目で、
90年代に刊行され絶版となっていた本。

特に上巻の「天下の奇譜と奇手」はその名の通り、
普通の対局とは違った棋譜や奇手を集めたもので、
第1章の「天下の奇譜」では
盤上が焦土と化し、アゲハマがあふれた
趙治勲vs加藤正夫の名人戦など、
変則布石・定石に留まらず、
1局を通して並べて楽しい棋譜が目白押し。



また第2章の「天下の奇手」では
例えば上のような小目に対して武宮正樹プロが、
いきなりツケていった手などが紹介されている。

高木プロの解説も要領を得ていてわかりやすく、
日本棋院アーカイブ」として再版される有力候補とみていた。
それだけに今回の刊行は内心喝采をあげたいところ。

棋譜再生機能が働いているならば、
懐次第では買ってしまうかも…。

新刊棋書情報「世界一わかりやすい碁の法則」

2012-03-27 22:55:55 | 棋書
大矢浩一プロの「世界一わかりやすい囲碁理論」の続編、
世界一わかりやすい碁の法則」が発売された。

あまり前著に印象がなかったので、
刊行された時の感想を読み返してみたが、
いつもながらというか辛口の評価。

しかしその評価と世間の評価は一致せず、
割と売れたということで続編の刊行となったらしい(汗)。

さて続編の方の印象だが…一言で言うと
「『法則』というより大矢流の『囲碁格言集』じゃね」?!

前著で取り上げた囲碁「理論」に加え、
本書では囲碁「法則」が8つほど提示され、
それぞれの法則に関して例題的な問題が示されている。、

わたし的に問題なのは「法則」についての解説が、
序章で一言二言軽く触れられているだけな点。
「後は問題を解いて体感してね」
ということだろうが…これはちょっと…。

そして「法則」の方も「2子の頭、見てハネよ」といった
既成の格言をひっくり返したものだったり
「囲うと相手も増える」…これ…「苑田格言」?!

試しに1問目を解いてみたが、
「法則」の云々というより、
正しい大局観、一貫性のある方針をもって対局に臨んでいるか、
そして先の手がヨメるかヨメないかということに
結局は収束されるように感じた。
囲碁ってそういうものだよね。

こういった本が成立するのは結局、
世の中にいかに格言や定石を金科玉条のように考え、
それにとらわれるアマ棋客が多いためだと思う。

前著の時にも書いたように本書は
そういったとらわれている棋客がそこから解放されるための、
「気づき」のキッカケのための本。

よって何か「気づけ」れば、それこそ帯にある通り、
「読んだ瞬間強くなる」こともあろう。
しかし「気づけ」なければ…。
そう心得て読まれたし。

まぁ「気づいていない」人や
「気づいていると思い込んでいる」人(私?)、
「気づいていても実践できない」人が多いから売れるのでしょうな。

新刊棋書情報「大橋流パワーアップ詰碁400」

2012-03-26 22:15:15 | 棋書
MYCOMの今月の新刊は大橋プロの詰碁集。
その名も「大橋流パワーアップ詰碁400」。

大橋プロは棋界屈指の詰碁作家として知られ、
林漢傑プロによると「詰碁四天王」の一人だとか。
他の三人が誰かは知らない。

本書の魅力は何と言ってもその問題数。
文庫本1冊で400問というのはちょっと過去に記憶がない。

また「コウの問題が一切ない」というのも魅力。
「簡潔詰碁」の時にも書いたがコウの存在は碁、詰碁の魅力と同時に、
低段・級位者には詰碁を敬遠させる一因でもあるので、
まずはコウが出てこない問題で
「解く楽しさ」に触れる方がいいと思う。

黒先統一で1ページ2問。
ヒントつき。
1問辺り2図で解説。
個人的に名著と思っている「ノータイム詰碁360」と似ている。
構成は朴道純。

レベル的にも「ノータイム詰碁」とほぼ同クラスという感じ。
第1・2章の「ウォーミングアップ」編(200問)と
第3章の「パワーアップ」編(150問)で極端な差はなく、
ネット碁初段レベルならば考えれば解けると思う。

ただ完全にオリジナルかどうかはわからないが、
比較的簡単な問題でも見慣れない形のものが多いため、
最初はあまり「サクサク」とはいかないかも。

第4章の「チャレンジ問題」(50問)は比較的歯ごたえがあり、
小ぶりながら、ちょっと実戦的でない「大橋ワールド」の一端が垣間見え、
私クラスだと考えさせられる。
しかしこちらも「歯が立たない」という感じはしない。
詰碁マスター」収録の「ミクロの詰碁」と同じくらい?!

ちょっと惜しいのは400問全部が完全に独立しているというわけではなく、
手数を数手進めた問題をまず出題し、
次の問題でその元となる方を解くという形が、いくつか見られる点。
これは(実質的な問題数が減るので)あまり好きではない。

まぁ、これは些細なことでネット碁初段向けの詰碁集として、
「ノータイム詰碁360」と並んで新定番になるのではないかと思う。

新刊棋書情報「必須定石小事典 PART2」

2012-03-15 22:55:15 | 棋書
前に紹介した「必須定石小事典」PART2が出ている。

今回は星への小ゲイマガカリにハサんだ型を中心に解説。

第1章 一間バサミ(7型)
第2章 一間高バサミ(4型)
第3章 二間高バサミ(8型)
第4章 三間バサミ(14型)
第5章 その他の変則型(7型)


最近流行の二間バサミがないのが、
ちょっと前のデータであることを伺わせる。
それでいて「林新手」なども紹介していて、
どの辺りの人向けなのかがハッキリしないし、
必須定石というタイトルにも疑問が残る。

まだ第5章は一間ガカリや二間ガカリ、大ゲイマガカリを解説している。

PART3は小目や高目、目はずし…かな?

新刊棋書情報「必須定石小事典 PART1」

2012-03-05 21:55:55 | 棋書
薫鉉流実戦囲碁講座の新ラインアップ「必須定石小事典 PART1」が出ている。

タイトルの通りの定石小事典。
上巻では星の定石を解説。

第1章 小ゲイマ受け(5型)
第2章 大ゲイマ受け(8型)
第3章 一間受け(7型)
第4章 ツケノビ(11型)
第5章 ツケオサエ(3型)


1ページ部分図2図で解説。
各型の最後にはプロの実戦1例も。

本書の特徴としては置碁における上手の惑手、
ある意味ハメ手、変則手に対する対策を多く取り上げられていること。



第1章第3型で上の形がテーマとして取り上げられていたのには、ちょっと驚いた。
天下四目」でもこういう上手の惑手について詳細に解説していたが、
韓国はこういう手に対する対策が必須なのだろうか?

PART1に限っていえば置碁を主に打つ人に参考になりそう。

一方で互先の碁がメインの人には、実戦に中々出てこない形も含まれ、
定石事典としても上手対策としてもどっちつかずな印象を受けた。

新刊棋書情報「李セドル名局撰集(上)」

2012-03-03 21:15:15 | 棋書
asutoronさんが「李世ドル(イ・セドル)名局撰集(上)」が出たと
ブログで報告していたので、書店にいって確認してきた。

第1局 2000年倍達王戦決勝 vs劉昌赫(実戦譜26譜)
第2局 2001年LG杯決勝 vs李昌鎬(実戦譜34譜)
第3局 2001年世界選手権決勝 vs劉昌赫(実戦譜30譜)


棋譜を絵画(ポスター)、一般の打碁集を画集になぞられると
本書はその中でも2、3の名画に絞り、
その手法や画材、製作背景や、作家の生い立ちなどを、
本1冊で徹底的に解説したようなもの…といえるかと思う。

収録されている対局は上記の3局のみ。
その分、1局辺りを事細かに解説するいわゆる名局細解方式だ。

しかし実戦譜の譜割り数は兎も角、参考図の量が半端ない。



例えば上の第1局では白Aや白Bだったらどうなるかなど、
他の棋書では端折りそうな所を一々解説し、
ちょっとした定石講座になっている。

近年のヌルい名局細解はもとより、昔の名局細解をも凌駕し、
1局当たりの解説量としては古今最高かもしれない。

また盤面だけでなく文章量も多く、
加えて李セドルプロの囲碁を始めた頃の話などの
一口エッセイ(『好きな本』がカワイイ!)も加えられ、
棋書の枠を超えて本として面白い。
知的好奇心を刺激してくれる一冊。

基本有段者以上向けだが第3局の世界選手権の譜は、
漫画「ヒカルの碁」の最終戦、進藤ヒカルvs高永夏戦の元ネタなので、
「ヒカルの碁」のファンならば級位者でも、
漫画と照らし合わせて並べてみれば楽しめるかもしれない。

第1局は韓国内初タイトル、第2局は世界初タイトルと、
李セドルプロの節目の対局としての価値も十分。

構成、翻訳者の名前はみえず、恐らく書き下ろし。
ちょっと不思議なのはエッセイが一部、
李プロのことを「弟」と称して書かれていること。
誰の視点から書かれているのかよくわからない。

また本譜が1ページまるまる使っていてやや勿体無い一方、
参考図は全て全局図で小さいなど、レイアウトにはやや難がある。
また数分の立ち読みにも関わらず誤植を複数発見…。

上記のような欠点もあり、さらに流石に3局という局数と値段に躊躇して
「即買い」とはいかないが全巻出揃った後に一応手元に揃えるつもり。

まえがきに敢えて「上巻は3局に絞った」と書かれているので、
あるいは(中)下巻では李プロの碁を総合的に眺めるために
局数を重視した構成になっているかも…?
もしそうであれば、バランスの取れた最高の打碁集になると思う。

新刊棋書情報「ツケ、ハネ、ノビ 自在に操る4つの法則」

2012-03-02 23:55:55 | 棋書
MYCOMの2月の新刊「ツケ、ハネ、ノビ 自在に操る4つの法則」。
著者は中田でも小野でも中野でも野田でも小田でもない中小野田プロ。
構成は酒巻忠雄。

コンセプト的には先日、創元社から出た
「手筋が分かれば碁が変わる」と似てはいるが、
本書はツケ、ハネ、ノビの手筋に絞っている。
またこちらは手筋というより全局的にツケるのか、
ハネるのかノビるのかといった、手の選択を問うもので、
テーマ図も全局図を用いたケーススタディー。

序章で4つの法則を述べてはいるが、
実際は問題をドンドン解いていくことで、
感覚的に慣れていく…というMYCOMではよくあるパターン。
法則と呼べるほど確固たる理論があるのはないのもいつものこと。

私は理屈で碁をみていくのを好むのであまり魅力を感じないが、
確かにハネるのかノビるのかといった選択は
一局に何度も生じる重要な悩ましいポイントではあるし、
またハネた後、ノビた後どうまとめていくのかについても、
様々な定型を示して解説しているので、
手の選択について自信のない人にはいいかもしれない。

新刊棋書情報「『手抜き』の基本戦略」

2012-03-01 20:55:55 | 棋書
MYCOMの2月の新刊は「『手抜き』の基本戦略」。

偶々、今年に入ってから手抜き定石を意識して打っていて、
それを見越したかのような出版に楽しみにしていた。

しかし実物を手にとってみたところ、
ちょっと私の思い描いていたのと違っていてガックシ。

著者は黄翊祖。
構成は朴道純。

私としてはは定石書では中々取り上げられない、
手抜き定石の考え方や定石の枝道を詳細に解説してくれる
いわば「手抜き定石事典」みたいなものを期待していた。



例えば上の定石はプロの碁で最近良く見かけ、
この後、白の「手抜き」に対してAかBの2通りが打たれているが、
アマチュアにこれを使うと不思議とCが多い。

また黒Bは兎も角、黒Aは定石とされている手順を踏んでも、
ちょっと自信のないことが多く、
その辺りをスッキリさせてくれる本を探していた。

しかし本書では上の定石について一応紹介しているものの、
1ページ半ほどで既知の知識ばかり。



一方で上の流行定石がかなり詳細に紹介されている。
この定石は他でも散々解説しているし、
広義でみれば黒5がちょっと離れていて
「手抜き」といえない事もないだろうけれど、
私のイメージする手抜きとはちょっと違う。

本書は定石ばかりではなくもっと全局的な
「手抜き」の考え方を説くというのが狙いのようで、
例えば3連星のカカリに手抜きとか
そういったシチュエーションまで含まれている。
かなり「手抜きの周辺」ではなく、
「手抜き後」を延々と解説している印象。

盤面図も全局図を1ページ2図配した構成。
いつもの朴流の通り、章末に「まとめ」を収録。
序章で手抜きの概念的な解説がある。
目次が索引となっているが、ちょっと事典的に使うのは難しそうだ。

月刊「囲碁」休刊へ

2012-02-22 22:22:22 | 棋書
「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世にブロガーのネタは尽きまじ」

さて今日のネタはどうしようかと考えていたら、
棋譜ぅ」さんとこのRSSリーダーにショッキングなニュースが。

このブログでも度々登場していた雑誌、
月刊「囲碁」が5月号をもって休刊となるそうだ。
何てこったい!

尤もビックリはしたが意外ではない。
ついにきたか…という感じ。

古書店でも誠文堂新光社の本が、
B本として最近出回っていたので、
「そろそろ囲碁から撤退か…」という雰囲気はあった。

囲碁」も年に3回やっている特別号の付録が、
過去の焼き増しばかりでまるで力を入れていないのが伺われたし、
目玉の「名局細解」も初代編集者が退いた後の劣化が激しかった。
連載企画もマンネリで、読者の投稿も60歳以上の高齢者ばかり。
清算がとれなく、持ち直しの見込みがないというのもむべなるかな。

しかし…ねぇ
「棋道」が廃刊となった後、
高段者向けの唯一の雑誌だっただけに、
古くからの囲碁ファンにとっては厳しい話だろう。
それでなくても高段者眼鏡にかなう棋書は少ないし。

私にとっても劣化したとはいえ、
「名局細解」と連載「今月の特選棋譜」は
やはり貴重なテキストだったので残念。
「部数を持ち直すための努力はしたのか?」といいたくはなる。
協力できればi碁BOOKSと「囲碁」は相性良さそうに思えたけれど…。

それにしても碁月号とはまた中途半端なところでの休刊。
始まったばかりの「ケンカップ」はどうするのだろうか?