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キャンベル国務副長官がトンガ、バヌアツを訪問 中国犯罪集団、フェンタニル拠点を南太平洋島嶼国家へ移転したか?(宮崎正弘国際情勢)

2024-09-04 | アメリカ情勢

麻薬密売が太平洋島嶼国を悩ませはじめた。

メキシコを拠点としていた中国ギャング団のフェンタニル密造工場が手入れを承け、またテキサス州などが国境警備を強化し、密売人を摘発しフェンタニルを大量に押収したためルートの変更を迫られたからだ。

テキサスの州兵は不法移民4・4万を逮捕し、フェンタニル致死量4億回分を押収した。

そこで中国のギャング団、密輸組織がつぎに密輸拠点として狙ったのが南太平洋の島嶼国家、とりわけバヌアツ、パプアニューギニア、フィジー、トンガなどである

カート・キャンベル国務副長官は八月下旬にこれらの国々を訪問し、バヌアツで記者会見した。その席で、「米国は太平洋島嶼国の麻薬撲滅活動を支援する決意であり、具体的な関連法執行措置を発表する」と語った。

「中国や東南アジアの一部の(犯罪)ネットワークが太平洋島嶼国を中南米や米国への麻薬密輸の中継地点として利用しているからだ」

キャンベル副長官は、トンガの首都ヌクアロファで開催された第53回太平洋諸島フォーラム(PIF)に出席していた。オーストラリアが警察訓練の改善と機動警察の創設を支援するために4億豪ドルを投資することが発表された。キャンベルは、その足で中国の進出めざましいバヌアツを訪問した。

バヌアツは目抜き通り商店街の大半が中国人経営、大統領官邸は中国が建造し寄付した。バヌアツ市内には中国語しか通じないホテルやレストランが多い。

これだけ力を入れるのも近年、バヌアツへの不動産投資をなす中国人にバヌアツパスポートが支給されるからである。

バヌアツパスポートは中国パスポートでは制限を受けヴィザが必要な国々へすらりと入国できる抜け穴がある。

米国ではフェンタニルの過剰摂取による死亡が毎年七万人と報告され、フィジーとトンガでもフェンタニルの密輸摘発事件が発覚した。

中国は近年、太平洋島嶼国との関係を強化しており、「一帯一路」プロジェクトを推進、現地のインフラ建設に協力してきた。労働者を派遣し、銀行融資をつけて南太平洋島嶼国家に異様なアプローチを重ねてきた。フィジーのチャイナタウンでは華字紙も発行されており、サウスパシフィック大学には孔子学院もある。

パプアニューギニアやソロモン諸島には警察・治安協力も強化している。とくにソロモンは反中国暴動がおこったため中国政府と秘密安全保障協定を締結した。また中国は港湾近代化と嘯いているが、実際にはソロモンに軍港を建設していると米豪が警戒を強めてきた。


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