3日の文化の日、国立西洋美術館(東京・上野)に行ってきました。目的は「プラド美術館所蔵 ゴヤ ―― 光と影」と題した展覧会です。
ネットで見た美術館の紹介記事では、「鋭い洞察力と批判精神に基づく作品で、近代絵画の先駆者とも呼ばれる巨匠フランシスコ・デ・ゴヤ」と絶賛していましたから、私はたいへん期待して出かけました。
実をいうと私は、ゴヤの作品はこれまでほとんど見たことがありません。ただ彼が高名な画家であることは承知していますから、ものすごく楽しみにしていたのは事実です。
「着衣のマハ」はなるほどと思わせる作品でした。しかしその余はうなずけるものに出会うことができませんでした。背景と人物を描き込んでいる油彩画、どれを見ても同じです。ひとつを見るとほかも分かってしまう。
もちろん、世界に名だたる巨匠ですから、私の審美眼がないのだということは百も承知です。しかし、「それにしても」というのが正直な気持ちでした。レンブラント、フェルメールを考えると、あんまり違い過ぎるのです。
そのあと常設展を見ました。「睡蓮」をはじめ、クロード・モネだけで20点以上あろうかという作品。セザンヌ、ピカソ、ゴッホ、どれをとっても素晴らしかった。「ゴヤ展」だけではなく、これらの巨匠の作品も見ることができたと思うと、何か少し得した気分になりました。
「ゴヤ展」の私の印象です。