「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

マタニティー指圧が治療の総仕上げに?

2010年04月28日 | 素晴らしい指圧効果
 いつごろからか記憶していませんが、気がつくと常に妊産婦さん、がマタニティー指圧のために来院されるようになっていました。  

 2008年10月、清水焼の絵師という素敵な仕事をしている女性の、頑固なアトピー性皮膚炎の治療を基本指圧で行ったことがあります。週1回の治療経過は異例なほどに順調で、経口薬・塗布薬からも、思いのほかスムーズに離れることができました。
 塗布薬に含まれるステロイド剤は、とても気になる嫌な存在。できれば使いたくないのは誰しも同じだと思います。

 治療開始から1年が経過し、ほとんどそれらしい症状が見られなくなっていた昨年の暮、私は、
「このアトピー性皮膚炎の治療の仕上げはどうなるのかしら?」
 などと考え初めていました。

 色々なことが頭の中を巡りました。
 すでに30歳を過ぎている彼女ですが、新婚でしたので、オメデタでこのままマタニティー指圧に移行し、無事元気な赤ちゃんに恵まれて「ズィ・エンド」かな? などと思いを巡らせていました。
 その矢先、彼女が風邪を引きました。風邪は基本指圧の得意分野ですが、治療をしても何か今一つスッキリせずに3週間ほど経過しました。

「もしかして?」
 思った通りオメデタでした。自分の直感が、みごとに当たったのでとても驚きました。
 風邪のような症状は、それからほどなく治まりましたが、今度は、皮膚に赤い発疹が出始めました。かなり派手に出てきました。ご本人は以外にけろっとして慌てていません。皮膚のトラブルには慣れているのでしょうか?
 見た目の派手さほどの苦痛はないようで、明らかにアトピー性皮膚炎の再発ではありませんでした。「こんなツワリもあるのかも?」と考えながら施術は続いていました。

 胎児の成長は順調でした。19週目には胎動を自覚できるようになり、生まれてくる可愛い赤ちゃんを、若いパパとママは心待にしているようです。21週目から急に皮膚の状態が驚くほど好転しました。 
 ちょうどツワリも治まり体調が安定期に入るころですから、やはりあの発疹は彼女なりの“ツワリ”だったようです。人体の反応は実にさまざまです。

 そもそも彼女が、アトピー性皮膚炎に罹患した経緯を考えて直してみました。慣れない京都で、がんじがらめの古い慣習の中、修行に伴うさまざまな神経疲労が内臓に影響を与え、皮膚に出たものと理解しています。
 ステロイド剤もかなり多量に長年使いました。身体内部のステロイド残量も気になっていましたが、もしこんな形で体外に排泄されるのであれば安心なのだけど、などと考えていました。

 胎児の強い生命力、母体を守ろうとする力を感じる治療効果です。予定日の8月13日までは、まだ間があります。可愛い胎児とのコミュニケーションを、基本指圧をとおして楽しみたいと思っています。

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