7月29日に開催された、日本指圧専門学校同窓会主催の実技研修会に参加して、大勢の参加者の方々と、鈴木林三先生の指導を受けて2週間が経ちました。この間、受けた教えを毎日練習しています。
先生の実技は、いつも通り「うつ伏せの背中から腰まで」の圧し方が基本であるというものです。専門的な表現では、「伏臥位肩甲下部」の圧し方が、全身の圧し方の基本であり、それができるようになれば、まったく同じ感覚で身体すべてを圧せるというものです。
今回は、講習中、先生に2回見て頂くことができました。伏臥位肩甲下部の左側と横臥位肩甲下部の右側でした。これは、いずれも右ヒザをついて、左ヒザを立てた姿勢です。
先生の講習会のスタイルは、いつも同じです。2人1組になり、うつ伏せを圧しているところを、先生が見て回るのです。参加者が多いと1~2回見ていただくのがやっとです。たったそれだけの中でも、何かを掴みたいと思い参加するのです。
今回の収穫はすごいものがあり、おもわず感謝してしまいました。
講習中、先生が毎回決まってやることが、いくつかあります。その1つで、ただ歩いて見せるというのがあります。先生の教えを受けたことのある人なら必ず見たことがあるはずです。
要するに普通に歩く感覚で足を構えればよい、というものです。皆自分は、変な格好の歩く姿勢で構えているつもりはないので、笑って見ています。中には、もう毎回見慣れて飽きているのでそちらを見もせず練習に励んでいる姿もかなり見受けます。
実は、私もかなり見飽きています。この日も笑いながら見ていました。内心「またやってるー」と思っていました。今回2度見ていただいたのは、立てている膝のほうの足の置き位置でした。わずかな置き位置の違いで「圧」の質がまったくかわってしまいます。
以前は、先生に見てもらっているその時だけはできもて、先生が他へ行ってしまうともうできなくなってしまっていたのですが、今回はこの2週間ずっとその感覚を追いかけることができています。すごいことが、分かりました。「足の『構え』は、まったく歩くときの感覚」でした。
この感覚を身体で掴めたことが嬉しくて、さっそく先生に言いました。
「足の構えは、本当に歩くときと同じ感覚なんですね。構えた足の型のまま普通に歩けてしまいそうな感じなんですね」
「そうだよ! だからいつもそれを言って歩いて見せているのに誰も理解しないんだよ」
本当にただ歩く感覚だったのです。その感覚で構えられると、こうしてああしてという意識が働くことなく動くことができるのです。日常の無意識な動きこそ自然な動きなのだとあらためて知った気がしました。
研修会に参加できまた新たな感覚に出合うことができました。とても嬉しい感動です。もうすでに次回が楽しみになっています。