「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

辛いときは、まず温めて!

2006年10月20日 | 素晴らしい指圧効果

  出版した本(自然治癒力を高める基本指圧の絶大効果・文芸社)が縁となって、施術を受けに来院される方がボチボチありますが、私が多忙のため、思うように対応できず、申し訳なく思っています。

 Tさん(女性・60歳)もその1人。「いつでもいいから」と、遠い先の予約として受けていましたが、1カ月ほど前に初診になりました。「30年来、どこへ行っても何をしても、取れることがない肩甲骨の裏側の痛みがありますが、なんとかならないでしょうか」ということでした。聞けば、左腕骨折のリハビリ中でもあり、左五十肩も発症しています。圧してみると、これほど深く硬いのはめったにないな、という感じ。
 
  長年仰向けに寝て、背中に小さなビンを当て、それでゴリゴリやっていたというのです。筋肉はすでに結合組織化して、痛めてしまっている感触。「これはちょっと難しいな」と思いました。
  私の本を読んで、硬いモノによる刺激や、たとえ人の手指であっても、強い力で筋肉をゴリゴリやると、筋繊維を傷めてしまい、もとに戻らなくなる危険もある、との記述にハッとしたということでした。
  ご本人には「痛めてしまった筋肉は元通りにならないけど、その影響を受けている色々な部分を改善してゆけば、かなり楽になりますよ」と話して治療を始めました。初診から1カ月の間に、私の時間が取れなかったので、途中、当院スタッフが1回治療しました。今回は私の2度目の施術でした。

  リハビリの先生も、回復の様子にとても驚いていたとのことで、本人もたいへん喜んで、「30年来の痛みが1回で取れたんです」と力説していました。  
  圧す側から見ても、思ったよりはいい状態になっていましたが、痛んでいる筋肉が多少緩んできても、元通りになった訳ではありません。しかし、いちばんの悩みから30年ぶりに開放され、ご本人はかなりスッキリした気分らしい。今後、時間をかけて全身的な改善を目指して行こうと思っています。
   
  それにしても、硬いもので筋肉をゴリゴリやるのは、くれぐれもやめてほしいと思います。痛い所だけ攻撃しても、治ることはないからです。「痛み」はあくまでも信号であり、その元は他のところにあることが多く、原因からなおさなければ解決しません。 モノでの刺激だけでなく、たとえ手指でも、強い力でゴリゴリやれば同じことが起きます。筋肉の悲鳴が聞こえるようです。

 辛いときは、まず温めてみてください。その方が身体に優しく、かえって効果が出ることが多いのです。


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