八百屋さんの店頭に並ぶ 橙色の実。
6月の代表的果物 というイメージが強い ビワ です。
初夏を感 じさせる日差しが増えてくるこの時期には 似合うな~ と思える色です。
6月は梅雨の時期でもあるので、
弱いお肌のビワさんが強い雨に打たれて傷まないことを祈りたくなります。
植えたわけでもないのに 我が家の周りには この木がたくさん生えてきます。
それを不思議に思っていたところ、
屋根の上事件? でその理由がほぼ明らかになりました。
(詳細については こちら と こちら で ご覧ください。)
我が家の玄関近くにある 大きく成長 したビワの木。
3年ほど前から実がなるようになりました。
この木の下には 剥いたようにきれいな種がいくつも転がっていて
不思議に思っていたんですが、屋根の上に残った種の山を見て
〔 これもカラスのしわざだったんだね~! 〕 と気づきました。
もちろん 木の真下に落ちた種であれば
ほかの小鳥さんがついばんだ可能性もないわけではないでしょうが、
こんなにきれいに種だけ落とすなんて 他の鳥では考えられないこと。
きっと、この木も元々は そんな彼らが運んできた種が育ったものなのでしょうね。
だったら この木に生った実は全部 小鳥さんたちが食べればいい。
だけど、そうやって落とした種たちが発芽 して あちこちから伸びてくるのは困りもの。
実が生るまでには長い年月がかかっても 芽が出て育つのはあんがい早く、
生命力は非常に強く、成長すれば <木> になってしまうため 安易には見逃せない!
間引くのは可哀想だと思いつつも 生えて来たら抜くことになってしまいます。
まだ青いものもあったのが
すっかり育ち、美味 しそう に実っていました。
「桃栗3年、柿8年」
それなら ビワ は どれくらいで実を結ぶのかしら?
調べてみたら
「 ビワ は 9年で なりかねる 」 とか
「 ビワ は 早くて13年 」 などというらしく、
実が生るまでにはかなりの時間を要するようです。
〔 そんなにかかるの!? 〕 正直な感想です。
どんどん育っていくイメージが強いから ちょっと信じられないようですが
きっと、<木> としては育っても <実> が生るまでには時間がかかるんでしょうね~!
ビワの種や葉 は、
公共医療が発達 していなかった時代、病人には欠かせない自然の恵みだったようです。
種
< 効 能 >
・ 癌、脳腫瘍、喘息、肝硬変、糖尿病 など慢性の難病に薬効。
・ 花粉症、アレルギー性鼻炎 などに卓効。
( 1時間ほどで効果が表れ、6~8時間ほど効果が持続。)
・ 慢性の便秘症、生理痛、疲れ にも効果。
※ 生のままでは苦くて固く、消化にも悪く、大量に食べると中毒を起こす
ことがあるということなので、加熱 や 熟成 したほうが安心なようです。
< 用 法 >
◆ 保温ポットなどで 一昼夜 蒸らす か 煮豆のように煮て 柔らかくする。
・ 1日 2~10個くらいまでを目安に食べる。
◆ 乾燥 させ、焙煎 する。
※ 殻がパリパリになり、中の種が縮んでカラカラと音がするくらいまで
よく乾燥させた後、種を煎る。
・ 1日 2~10個くらいまでを目安に食べる。
◆ 粉末 にする。
※ 上のように 乾燥させ 煎ったものを砕いてもよい。
生の状態の種を、ハンマーやフードプロセッサ―等で細かく砕き、
フライパンでカラカラになるまで煎る。 密封できる容器で保存。
・ 味噌汁に入れたり ふりかけのように上からかけたりして食べる。
◆ そのまま 焼酎 に漬け込む。
※ 焼酎:1800ml に対して 種:700g~1㎏ が目安。
早くて3か月、半年過ぎればOKで、2年以上で濃厚エキスになるそうです。
・ 口内炎、歯痛、歯茎の腫れ、歯槽膿漏などに 炎症どめ として
2~3倍に薄めて、口にふくみ、クチュクチュする。
・ 喉の痛み、咳、内臓の痛みや炎症、滋養強壮 などに
ストレート、または お湯などで割って飲む。 ハチミツを入れてもいい。
・ 火傷、かゆみ、止血、切り傷、打ち身、腫れ、捻挫、虫さされ、水虫 などに
塗る または ガーゼに浸 して湿布する。
※ 医薬品のような劇的効果は望めないが、副作用も少なく、家庭の常備薬
と して取り入れている場合が多いようです。
葉
< 効 能 >
・ 体温で暖められることにより細胞にまで浸透し、炎症、ガン細胞退治 効果。
・ お風呂に入れることにより あせも、かぶれ、アトピー性皮膚炎 に効果。
・ 焼酎漬け・煎 じる・お茶にするなどにして 化粧品がわり、やけど、温灸、湿布、
風邪予防、痰予防、疲労回復、
痛みの緩和、精神的リラックス に効果。
・ 咳止め、去痰、腸炎、関節炎、神経痛、皮膚炎、腫れ物、淋病、熱病、利尿 に効果。
・ 生 のままだと 冷蔵庫で 夏は1ヵ月、冬場で2~3ヵ月保存可能。
※ 採取した葉の両面を洗い、揃えて束ね、ビニール袋に入れて輪ゴムで止める。
水で湿らせた新聞紙に包んで 冷蔵庫の野菜室に入れて保存する。
・ エキス にすれば 半永久的に保存できるそうです。
※ 葉の成分は、アミグダリン配糖体(ビタミンB17) ・ 果糖 ・ 蔗糖 ・ ブドウ糖 ・
クエン酸 ・ 酒石酸 ・ タンニン ・ リンゴ酸 ・ 澱粉 ・ デキストリン ・
マルトース ・ 葉緑素 ・ サポニン ・ ビタミンB1。
< 用 法 >
◆ そのまま 焼酎 に漬け込む。
※ 葉は両面よく洗い 日陰乾燥させて使用する。
焼酎:1800ml に対して 葉:120~150g(20~30枚) が目安。
1ヵ月ほどしたら葉の上下を入れ替え、これを2、3回繰り返す。
夏場で 1~2ヵ月以上、冬場は 4力月以上置く。
葉がすっかり茶色になったら取り出し、エキスのみ保存する。
・ 口内炎、歯痛、歯茎の腫れ、歯槽膿漏などに 炎症どめ として
2~3倍に薄めて、口にふくみ、うがい または クチュクチュする。
・ 喉の痛み、咳、内臓の痛みや炎症、滋養強壮 などに
ストレート、または お湯などで割って飲む。
・ 虫刺され、かぶれ、火傷、皮膚炎、にきびなどには患部に塗布します。
◆ 冷湿布 を作る。
※ びわの葉のおろし汁に 磨り下ろしたショウガ1割と つなぎの小麦粉を
少量加えてクリーム状にする。 これをガーゼに伸ばして患部に当て、
油紙やラップでおさえる。
・ ギックリ腰などの腰痛のほか、ネンザ、打撲、火傷、目の充血 などに効果。
・ 新陳代謝をよくするので、胃腸、肝臓、腎臓の疲れ、便秘などにも効果。
◆ 温湿布 を作る。
※ 洗面器に熱いお湯を入れ、タオルを浸し固くしぼる。
患部にビワの葉の表面を当て タオルを乗せ、油紙かラップをかぶせ、
その上に乾いたタオルとホッカイロを乗せて、タオルケットをかけて保温する。
※ 鍋にたっぷりの水とコンニャクを入れ、15分ほどしっかり茹でる。
芯まで熱くなったコンニャクをタオルに包んで温度調節し、
患部にビワの葉の表面を当てた上に乗せ、患部を約30~60分温める。
・ 神経痛、腰痛、ひざ痛、五十肩、腹水、打撲、内臓の鈍痛、癌などの痛みに効果。
・ セキ、気管支炎、疲れなどにも効果。
・ 肝臓病、腎臓病、癌、糖尿病、膠原病などの難病には、肝臓と下腹部に30分
温湿布し、冷たいタオルで拭いた後、今度は 腎臓を30分温湿布して 冷たい
タオルで拭くという方法がいいようです。
◆ そのまま 患部 に貼る。
※ 体温で葉が温められると、葉の成分が皮膚から浸透するため、よく洗って
水分をとった後、先端と固い柄の部分を切り落とし、身体の痛むところを
撫でたり、患部に貼っておいたりする。
・ 神経痛、腰痛、内臓などの痛みが緩和する。
・ 虫刺され、かぶれ、火傷、皮膚炎、にきびなどにも効果。
◆ ビワの葉茶 を作る。
※ 12枚(60~70g)ほどの葉の両面をよく洗い 2cmほどの幅に切る。
2Lのやかんに水8分目と一緒に入れ、中火で煎じる。
沸騰したら火を止め、15分ほどおいて完成。
これをポットに入れお茶代わりに飲む。
・ 夏負け、暑気あたり、食中毒の予防に効果。
・ 胃腸の弱い人、喘息、慢性気管支炎、むくみにも効果。
・ 毎日飲んで 風邪の予防、疲労回復、食欲増進、利尿効果。
・ よく煮出した煎じ汁は 外用として あせも、やけど、アトピー、虫刺されにも効果あり。
◆ ビワの葉風呂 にする。
※ 10枚ほど葉をよく洗い、2cm幅くらいに切り、やかん8分目くらいの水と一緒に
中火で15分ほど煎 じ、その煮出し汁をお風呂に入れる。
お風呂のお湯がとても柔らかくなり、よく温まり、疲れが取れます。
・ お風呂のお湯がとても柔らかくなり、よく温まり、疲れが取れて 肌もすべすべになる。
・ アトピー性皮膚炎、冷え性、神経痛、関節炎、肩こり、腰痛にも効果。
・ 腰湯や足湯は 慢性病や婦人病に効果。
◆ ローション を作る。
※ 葉は両面よく洗い 日陰で乾燥させた後、水と一緒に土鍋に入れて煮詰める。
水分が半量ほどになったら 葉を取り出し、密閉容器に移して 冷蔵保管する。
ちなみに、水:1000ml に対して 葉:20~30枚 が目安。
使用する際には その都度、煎じ液 に エキストラバージンオリーブオイルを
混ぜ合わせる。 割合は <煎じ液 5> に対して <オイル 1> だそうです。
・ 皮膚のカサツキ、シミ、シワ、日焼け後のほてり、化粧のりが悪い時などに効果。
・ ビワの葉風呂の後使用すると アトピー性皮膚炎にも より効果あり。
もちろん 肝心の 実 にも たくさんの効能があります。
< 効 能 >
・ 活性酸素を抑え、癌、生活習慣病 の 予防改善。
・ 血液 をきれいにし、血管 の流れを良くし、血液を正常な弱アルカリ性にする。
・ 心臓 の負担を軽減 し、高血圧、心臓病 に効果。
・ 炎症 の治療作用により、頭痛、胃痛などを防ぐ。
・ 髪、肌、視力、粘膜、皮膚、消化器官 などの 健康維持 効果。
・ 喉、肺 などの 呼吸器系統 を守る効果。
・ 唾液 分泌 や 自然治癒力 の促進、解毒、疲労回復 効果。
・ 感染症 や 老化 の予防効果。 ダイエット 効果。
・ 風邪熱、のどの渇き、咳、痰、インフルエンザ、下痢 などに効果。
※ 実の成分は、糖質(炭水化物・食物繊維) ・ β-カロテン ・ カリウム ・
マグネシウム ・ ビタミンA、B1、B2、C ・ クエン酸 ・ リンゴ酸 ・
クロロゲン酸 ・ カルシウム ・ 鉄分。
< 用 法 >
◆ そのまま、あるいは ジャム、コンポート など 手を加えて食べる。
◆ シロップ や 焼酎 に漬ける。
◆ 果汁シロップ を作る。
※ 果汁に 葉と氷砂糖を加えて弱火で煮詰めたものを飲む。
・ のど、肺 を潤 し、咳 を止める 効果。
花
< 効 能 >
・ 風邪予防、咳止め、鼻水止め、頭痛改善 効果。
※ 花10gを15分ほど水に浸し、毎日2回飲むと 風邪による鼻水や頭痛改善。
花をハチミツに浸けたものを蒸 して食べると、咳止め効果。
根
< 効 能 >
・ 長期の咳、関節の疼痛 治癒効果。
〔 ビワ って凄い植物だったのね~! 〕 改めて思います。
こんなに凄いとは思っていなかったので それほど気にしてもいなかったのだけれど、
それなら 昔から 「縁起が悪いから庭に植えるな!」 と云われていたのは何故なんだろう?
気になって調べてみました。
すると、
・ビワの薬効を知っている病人が ビワの葉などを求めて 絶え間なく集まって来るから、
感染する可能性なども考慮 して よくないと考えられた。
・ビワは 成長が早く、葉は常緑で大きいので 重なり合って茂ることになるため
日当たりが悪くなり、健康を害 して病人が出る と考えられた。
・ビワの実は栄養が豊富だから、食べ過ぎると害が出る。
ほかにも、
・ビワは 幹が堅く 木刀を作るのに使われることから、人を殺傷するイメージがある。
・ビワ の樹は裂けやすいので、実を採ろうとして登ると、落ちて怪我をする。
・ビワは 火事を招く。
いろいろな言い習わしがあることがわかりました。
※ 縁起が悪い とは、物事の先行きが不安になるような よくない事が起きること。
※ 縁起 とは、何ごとにも原因があり、それにより結果が生まれる という考え方。
※ 迷信 とは、合理的根拠に欠ける 人々に信じられているもののうち 社会生活を
営むのに実害があり 道徳に反するような知識や俗信。
※ ゲン担ぎ とは、よい前兆だとか 悪い前兆であるとかを 気にすること。
昔からあった これらの考え方は バカに出来ないものもあり、あなどれない。
今回のお話 しに関 して云えば、効能などは知られていて、〔 そのための被害の可能性
だったんだ! 〕 と気づかされたことがありました。 調べることはいいことね!
いずれにしても、
ビワの木は そのままにしておくと、10m以上もの高木になってしまうそうなので
6月や9月頃に 低く剪定をしたほうがいいようです。
重なり合う葉で日光が入りづらくなることもしかり。
どんなに素晴らしいものでも 過多 はよくないということですね。
そっと触らないと傷んでしまう ビワ。
小鳥さんたちの大事な食料と思っていたので採らないでいたところ
強い雨に打たれて 実が全部落ちてしまいました。
あれっ!? あんなにたくさん成っていたビワが無くなっている!
激 しい雨 に叩かれて 重い体を支えきれなかったんで しょうね!
よくよく見れば、地面に打ち付けられ 流されて、傷んだ茶色い皮だけになってしまっていました。
こんなことが起きる可能性を心配 していたのに、あまりにあっけなくてびっくり!
初めは 娘が収穫 しちゃったのかと思ったほどでした。
だけど、簡単に採れる場所じゃないし、きれいに実だけを採るなんて無理なこと。
〔 こんなことなら 半分くらい分けてもらっておけばよかったな~! 〕
相手のためと思っても どちらも得るものがないというのはやっぱり淋しく思えます。
「あらら!」
勿体なさが倍増してきちゃうわね~!
お読みいただきましてありがとうございます。
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