爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

獨協大学オープンカレッジ特別講座 「少数民族の世界」

2019-03-11 10:43:00 | 日記

獨協大学でオープンカレッジ特別講座「少数民族の世界 ー文化について知る、考えるー」のテーマで獨協大学国際教養学部准教授の松岡格氏の講演があった。松岡氏は、文化人類学の研究者で中国各地へ数多く訪問し、中国の少数民族の状況や文化についても熟知し、今回の講座を少数民族文化の意味や、併せて我々の文化を見つめ直す機会としている。

国の人口  2017年
中国    13億人           ポルトガル       1030万人
インド       13億人           スウェーデン    1012万人
アメリカ       3億人           ハンガリー          980万人
インドネシア   2億人           スイス                842万人
                                        ツバル         1万人(最小人口国)

中国の民族(講師数値)
漢民族   12億人
チワン族            1692万人
回族                  1058万人
満州族               1038万人
ウイグル族          1006万人
苗(ミャオ)族       942万人
イ族                      871万人

中国には56の民族があるそうだ。上記の統計でもわかるとおりチワン・回・満州族などは、ポルトガルよりも人口が多いのである。松岡氏は、少数民族の中でもイ族に焦点を当て文化人類学の視点で研究されている。
イ族
人口ー871万人(2010年)
語派ーチベット・ビルマ語派
主な居住地ー四川、雲南、貴州
文化
・多様、多彩な民族衣装 ※少数民族の中では民族衣装の種類が多い
・六大方言区を持つ言語(一定程度の)標準化
・独自の文字、イ文字(と儀礼の司祭であるビモの存在)
・たいまつ祭り、挿花祭
・食文化etc
自分達の文字を持つのは珍しいそうである。
このように少数民族は、文化面等で大きい違いがあり。中国では、省クラスと県クラスの行政レベルの中間である自治州を設けてあり、その州が30程度存在する。

◆私たちは、文化を共有していない◆
<日本の文化>
  ○温泉 ○桜 ○紅葉
中国ではお風呂の習慣がない。
日本人のような風景鑑賞が薄い。
「紅葉」は、他の国にはない。 →  これらは背後に文化がある。
<食生活の違い>
食べる・食べない
ウサギ・カエル・コウモリ・ワニ・ハト・カモ・鯉・クマ・イヌetec  ジビエ料理
日本人が食べる「生の魚」など食文化が多様
広東料理ー猿肉・ヘビ・ねこ 広東は何でも食べる!
イ族地域のフィールドワークでは肉が山盛りに出る、なぜ、ワンパターンの料理が多いのか?  (豚・羊・鳥・ジャガイモetc)
これは食べてはいけないのが多い、馬・猿・ヘビ・タカ・カエル・熊・虫は、食べない。イ族では、馬を食べたら「魂が堕落、人格が低下」する。食べたら儀礼をおこなう、儀礼はビモ(司祭)の呪い返しである。
食べる食べないは、人間の手・脚に似ていることのようで、人類と同族(同起源)であるからか。
「虹」「太陽」などもどう見るかによって違ってくる、太陽の色、虹の数は文化によって違ってくる。これは個人差の問題ではない。

文化とは人間が社会の成員として個々に身についたもので、社会組織ごとに固有の文化が存在する。
この世界に共存するためには、お互いの文化を知ることが大切であることを、あらためて講座で感じた。

コメント
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