北欧はノルウェー滞在2日目。
北海油田への玄関口の港町。スタヴァンゲル(Stavanger)から、リーセフィヨルド(Lysefjord)のプレイケストーレン(Preikestolen)を目指すことにした(訪問先はすべて妻の見立て)。まだ、時差ボケも取れていないのに…(ただ、今回は西に向かったので、比較的楽だ)。そもそも旅費節約のため変則的な経路で入国し、投宿したのは昨夜の11時だというのに・・・体はもつのか不安になる。
フェリーとバスを乗り継いで、近くまで行き、片道2時間の山道を歩いた。
日本でいえば、霧ケ峰あたりの湿原と同程度で、一応トレッキング用の靴を持って行っていたので出だしは、よかった。
ときどきあらわれる難所も、鎌倉のハイキングコースの難所(雨上がりの獅子舞、化粧坂)と同じようなもので、簡単、なはずだったのだが。
山歩きの要領がなくても、ちょっと歩ければ、あとは技術的に大変ということはない、ハイキングコースだ。実際、老若男女、実にさまざまの人が登っていた。
ところが、1時間くらいで疲れてしまった。
「さっき、フェリーで会った日本人のカップル、新婚旅行かな?まだ、30代前半の感じだよね。それにしても、しんどい。10年前は八島ヶ原湿原、娘(当時3歳ぐらい)を背負子におぶって歩けたのに、いまや自分ひとりでも、もうだめ」
と、先を歩く妻に嘆くと、
「よかったじゃない、こうやって自然の中で、自分が年を取っていくことを自覚できるなんて」
と、返された。
「世代交代って、わかるでしょう?ああやっておぶってあげていた子供たちが、次の時代の主役になっていくのよ」
ああ、年をとるって、こういうことなんだ。
そう自覚する。
人間も自然の一部、その存在がだんだんと年を取るものだということを自覚するのは、都市生活者であっては、なかなか難しい。
せいぜい、鎌倉駅かどこかで階段を駆け上がれなくなったときに、一瞬自覚するのが精いっぱいだろう。
そうしてみると、こうやって、自然の中で、老いを自覚することができるというのは大変にありがたいことだ。
10年前に子供をおんぶして歩いたことがなければ、そうはできず、10年前にそうしたこともよかったのかな、と思う(これまた妻に提案されて、がんばっただけだったのだが…)。
それにしても、あんな、断崖絶壁の上でよく見知らぬ人(件の日本人カップル)の写真が撮れる…そもそも、高所恐怖症のコロ健、ここに存在すること自体、自覚したがい。
もちろん年を取ってよかったことはたくさんある。
こうやって、残り少なくなった人生を、新しい気付きを味わいながら生きるのもその一つだ。
だけどやはり、ひざと足首はいつも通り痛く、断崖絶壁への2時間と同じくらい苦労して山を下り、路線パスに飛び乗って、フェリーでスタヴァンゲルにもどり、港町の飲み屋でビールを飲んだ。
そしたら、すっかり元気になった。酒の味も、若い時よりは多少わかるようになったと思う。
いずれかをぽちっとよろしくお願いします。
北海油田への玄関口の港町。スタヴァンゲル(Stavanger)から、リーセフィヨルド(Lysefjord)のプレイケストーレン(Preikestolen)を目指すことにした(訪問先はすべて妻の見立て)。まだ、時差ボケも取れていないのに…(ただ、今回は西に向かったので、比較的楽だ)。そもそも旅費節約のため変則的な経路で入国し、投宿したのは昨夜の11時だというのに・・・体はもつのか不安になる。
フェリーとバスを乗り継いで、近くまで行き、片道2時間の山道を歩いた。
日本でいえば、霧ケ峰あたりの湿原と同程度で、一応トレッキング用の靴を持って行っていたので出だしは、よかった。
ときどきあらわれる難所も、鎌倉のハイキングコースの難所(雨上がりの獅子舞、化粧坂)と同じようなもので、簡単、なはずだったのだが。
山歩きの要領がなくても、ちょっと歩ければ、あとは技術的に大変ということはない、ハイキングコースだ。実際、老若男女、実にさまざまの人が登っていた。
ところが、1時間くらいで疲れてしまった。
「さっき、フェリーで会った日本人のカップル、新婚旅行かな?まだ、30代前半の感じだよね。それにしても、しんどい。10年前は八島ヶ原湿原、娘(当時3歳ぐらい)を背負子におぶって歩けたのに、いまや自分ひとりでも、もうだめ」
と、先を歩く妻に嘆くと、
「よかったじゃない、こうやって自然の中で、自分が年を取っていくことを自覚できるなんて」
と、返された。
「世代交代って、わかるでしょう?ああやっておぶってあげていた子供たちが、次の時代の主役になっていくのよ」
ああ、年をとるって、こういうことなんだ。
そう自覚する。
人間も自然の一部、その存在がだんだんと年を取るものだということを自覚するのは、都市生活者であっては、なかなか難しい。
せいぜい、鎌倉駅かどこかで階段を駆け上がれなくなったときに、一瞬自覚するのが精いっぱいだろう。
そうしてみると、こうやって、自然の中で、老いを自覚することができるというのは大変にありがたいことだ。
10年前に子供をおんぶして歩いたことがなければ、そうはできず、10年前にそうしたこともよかったのかな、と思う(これまた妻に提案されて、がんばっただけだったのだが…)。
それにしても、あんな、断崖絶壁の上でよく見知らぬ人(件の日本人カップル)の写真が撮れる…そもそも、高所恐怖症のコロ健、ここに存在すること自体、自覚したがい。
もちろん年を取ってよかったことはたくさんある。
こうやって、残り少なくなった人生を、新しい気付きを味わいながら生きるのもその一つだ。
だけどやはり、ひざと足首はいつも通り痛く、断崖絶壁への2時間と同じくらい苦労して山を下り、路線パスに飛び乗って、フェリーでスタヴァンゲルにもどり、港町の飲み屋でビールを飲んだ。
そしたら、すっかり元気になった。酒の味も、若い時よりは多少わかるようになったと思う。
いずれかをぽちっとよろしくお願いします。