事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

R・A・ラファティ

2014-05-03 23:05:05 | SF
昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF) 昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)
価格:¥ 1,015(税込)
発売日:2012-11-22

今まで読んでなかったと思う、河出の奇想コレクションに入ってないから文庫になってないし、SF界のホラ吹きおじさんとのことだが、確かにね、よくわかって納得な作品、わかるけどいまいち納得じゃない作品、よくわからん作品あり、だが意外にツッコミどころはないような、日付変わらんうちにとりあえずアップ

5/4続き-まずはよくわかって納得なお話から
月の裏側-いつものバス停を一つ乗り過ごしていつもと違う酒場へ寄ってから帰ったら・・・知りたくない真実はどこに転がってるかわからない
楽園にて-エデンの園そのままな惑星をみつけちゃった一行は早速移住を考えるが同行してた神父さんは・・・このヒトのモデルはティヤール・ド・シャルダンに違いない、とこれ言いたかっただけ
パイン・キャッスル-暗い酒場で自分を恨む男女に囲まれる男、語られる恐怖が徐々に迫って来て・・・うまい!!
ぴかぴかコインの湧き出る泉-お財布にいつも1枚だけコインがある状態ってありがたいと思う?そらそのコインがいくらかによるよね、500円なら悪くない、でもこれが1円玉だったら、そして1円が流通しなくなる日が来たら・・・アイディアの勝利とだけは言えない、構成と文体とそしてキャラが伴わなくちゃ
ゴールデン・トラバント-本物のゴールドでできた小惑星がもしあったら、そしてそこが行きやすい場所だったら(それ今んとこちょっと考えにくいけど)、世にも恐ろしい結末・・・(無言)
廃品置き場の裏面史-冴えない質屋と上品な詐欺師の関係は?ある意味よくある解答、だけどこの解決編はちょっと驚きなファンタジー・・・ハッピーエンドなんだろなあ

よくわかるけどいまいちなお話
崖を登る-主人公は絵に描いたような学者バカ、なので何とはなし釈然としない、学問は創作じゃないと思ってるので
昔には帰れない-小さな月が大気圏内に浮かんでてヒトや山羊が住んでいる、子供の頃遊びに行って楽しかったから大人になってもう一度行って見たら・・・ガッカリするのはかまわない、でもできれば元の場所は変わってなかったということにしてもらいたかったかな
そして我が名は-ヒトが特別な動物じゃないのはたぶんその通り、だけど特別なサルではあるんじゃないかな?それ以上でも以下でもないけど
大河の千の岸辺-ものすごくリアルな昔の絵画を発見、当時の技術で作れたハズはない、いわゆるオーパーツだがさてその正体は?これはちょっと丁寧に書き込み過ぎというマチガイをおかしてると思う、サラッと描いた方が怖いこともあるといういい例だ(上から目線)
1873年のテレビドラマ-19世紀にそんなテクノロジーがあったわけはないというツッコミは別にしても説明し過ぎのわかりやす過ぎ、伊藤典夫が「理解にあまる」という理由、何となくわかると思う

わからないお話
素顔のユーリマ-愚鈍な発明王はいてもいいけど「自分の代わりに計算してくれる機械」を作るためには最低限「計算とは何か?」がわかってなくちゃいけないんじゃない?とつっこみたくなる私はへそ曲がりなんだろか?それともう一つ、主人公はカモたちをどうやってエサにしたの?
小石はどこから-子供にいいかげんなこと教えちゃいけないよ!!
行間からはみ出すものを読め-あの、歴史は6000年に押しこまれてなんかいないんですけど・・・お宅、オーストララントロプスがヨーロッパだか中東だかにいたと思ってない?

とまあそんな感じで・・・けっこう楽しめたってことだよね、また読もう