去年の5月21-24日に20章までを紹介した(こちら)、その後9月の出張中に21章を読み終わったがそれっきり電子ブックを開くことはなく(あっても大菩薩峠は読まず)今回の出張にいたって久々に開けた、一気呵成に29章(年魚市=あいち=愛知の巻、主要な舞台が名古屋とその周辺、ちょっとうれしい)まで読了、この21-29章というのは連載期間中もっとも長い約3年間の中断後、今度は最も長く約5年間連載が続いたという部分、だが別に区切りがついたから終わったというわけではない、全体の1/4をちょっと越すぐらい、1-20章とほぼ同じぐらいの分量で、つまり今私は全体の60%にちょっと足らないというところにいるのである
竜之助-世話してくれた女から刀をフレゼントされる、視力は戻らぬまま、女の紹介で甲州長野原にある寺へ移り、寺の娘お雪ちゃんと共に信州の白骨温泉へ向かう、眼は見えなくても相変わらず腕は確かで、道中兵馬の知り合いと出会って大立ち回り、白骨では金持ちの後家さんとその若い愛人を殺す、ただしこれはほんとに竜之助が犯人なのかどうか作者は何も言っていない、そも切られたのではなく死因は不明
兵馬-長野原の寺で竜之助と一夜泊り合わせたが気づかない、その晩強盗を撃退しそいつらを外に出ていた竜之助が切り捨てるという見事な連携プレーの後、山中で迷っていたお銀様を助け、知り合いから竜之助の行方を聞いて後を追う、竜之助の尺八に惹かれて白骨までたどり着きながら部屋に灯りがないのであえて覗かない、はて竜之助に視力がないことを知らないんだろか、阿房峠を越えて飛騨へ、なぜか竜之助とお雪ちゃんも続く(らしい)
お銀様-兵馬と別れた後、弁信小坊主が追いはぎに襲われて死にかけてたのを救って実家へ伴う、だが何にハラを立てたのか館に放火して継母と異母弟を焼き殺してしまった、しばらく荒れていたがたまたま知り合いだった女軽業の親方に誘われて名古屋へ旅立つ
道庵と米友-中仙道を旅して軽井沢、善光寺、松本と行く先々で騒動を起こすがそこは人徳なのか命にかかわることはない、木曽福島で尾張藩の役人が木曽川に落ちたのを助けて名古屋で大いに歓迎される、中仙道なのに何で名古屋かって、清洲に加藤清正の子孫という姉弟が住んでて彼らが何かストーリーに関わって来るのかもしれないけどわからない
お松と与八-与八は机の屋敷で留守番しながら竜之助の息子を世話している、そこへお松がお君の遺した男の子とムク犬を連れてやって来た、与八は地蔵菩薩を彫り、お松は近所の子供に読み書きを教えてそれなりに平和な日々、ある日裏宿七兵衛が訪ねて来てムク犬に吠えられ、与八に「何か悪いことをしなすったね」とつっこまれる(がそれでどうなるかと言えばどうもしない)
神尾主膳-お金がなくて大ピンチと思ったらなぜか七兵衛が盗んだ金を自由に使ってくれという、下手に使うとヤバいかもしれないのでハデには使わない、近所の悪童を集めてギャンブルその他の悪い遊びを楽しむ
駒井善三郎-房州洲崎の館には絵師、歌のうまい男の子、その子と仲のいいお姉さん、耳の聞こえない料理人、はてはジャガイモといっしょに流れ着いた外国人船員までが集まって暮らす、難破船を引き上げて蒸気機関を研究、バックには幕府の小栗上野介がついている、それを快く思わぬヤツらがワナをしかけて来たところへ、お松に頼まれた七兵衛が書状を持って現れた・・・
おいおいそんなとこで終わるなよー、終わったつもりはないって、当時連載の当てはなかったんだろが、しっかし殺人も泥棒も放火も何とも思ってないんだね、盗みと刑場破りでストーリーが大きく展開する「富士に立つ影」とはえらい違い、ただ文章の水増しやムダ話(名古屋観光案内とか信州飛騨温泉巡りとか)はあれどお話が全く進んでないかと言えばそういうわけでもない、この先どうするかなあ