事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

コードウェイナー・スミス

2014-03-31 16:18:14 | SF
鼠と竜のゲーム (ハヤカワ文庫 SF 471) 鼠と竜のゲーム (ハヤカワ文庫 SF 471)
価格:¥ 672(税込)
発売日:1982-04

私はこのヒトを知らなかった、津原さん推奨だが彼にも珍しくどこがオシなのか書いてない、ただ「彼なかりせば現代のSFはありえなかった」、え、ホント?アシモフ、クラーク、ハインラインはどうなっちゃうの?
そう言えばこの本棚けっこうSF入ってるのに(ブラッドベリ、オールディス、ベスター、プリースト、レム、コーニイ、ヴォネガット)とびっきりクラシックな3人は採られてないね・・・

なんてことは関係なくたまたまジュンク堂(だったと思う)で「ノーストリリア」をみつけて買ったら解説に他の短編集も並べて読むともっと面白いよてなことが書いてあった、だけどこの本(確かに書店で見かけた記憶がある気がするのに)既に絶版、しかたないから古書で買ってちょっと時間ができたのでようやく読み終わった

伊藤典夫氏の解説にいわく
主人公たちに加えられるおそろしく非人間的な扱い-ラインバーガー(作者の本名)が生来病弱で年がら年中大手術をしているような体であったことを知るのは死後十年近くたってからである

ま、これにつきるわな、何で(ヒトに限らず生物を)こんなに手ひどく扱うのか、そら自分がそう扱われたから、痛いのが日常だったから、そっか、そういうことか・・・
残りの短編集も幸いわりと安く古書を売ってたので注文、それを読んでからまた考えることにしよう

追記-と書いてから気がついた、本書の初出は82年、これは1冊の短編集を2分割した前半なのに後半が出たのは94年、よくぞ読者を待たせたり

もう1つ追記-長編「ノーストリリア」は09年初出だがその袖には「鼠と竜」だけしか載ってなくてそれもすでに絶版、そんなんありかよ?

さらに追記-と思ってよくみたら私が買った「ノース」は再版で初版は87年らしい、カバーの絵は変えたけど袖はそのままだったのね、まあ一応のところ納得


ディズニーにはかなわないのかも

2014-03-30 19:04:23 | 映画

Disney ディズニーアニメ数あれど我が最愛の作品は「ファンタジア」、次は「眠れる森の美女」かも、「わんわん物語」と「101匹わんちゃん」も好き、「白雪姫」は7人の小人たちが面白いからOK、「シンデレラ」はビビディバビディブーのシーンが圧巻だから後はだうでもよいか(って確かこれはTVでしか見てないな)、「王様の剣」というのもわりと印象よかった(内容忘れたけど)

ピノキオ」は途中で終ってるから不可、「アリス」はドードーとチェシャ猫の扱いがヒドいから(他にもいろいろあるけど)とにかく不可(とか言ってけっこう何回か見てるんだがね、LDで)、「ピーターパン」見てないかも、「バンビ」見たハズだけど記憶なし、「プークマ」は・・・何か知らんがこれも不可(何のこっちゃ?)、「オズの魔法使い」を夢オチにするなんざ許さーーーーーーーん!!!!!(あれ、アニメじゃなかったね)

というディズニーの事実上ラストとなった作品「メリー・ポピンズ」はいかにして制作されたか?というのがこの映画、ヤフレビで何となく気になったのと今日いい時間にやってたのとで見て来た(こちら)、よかったというかわかったというか、痩せても枯れてもハリウッドはたいしたもんだ、こんなん作っちゃうんだもんな・・・・

映画「メリー・ポピンズ」とにかくも見てると思う、もちろんTVで、ひょっとしたら白黒だったかも、でもってまさしく眼を白黒だった、何だよこれがあの「メアリー・ポピンズ」?(一応全巻読んでるハズ、あんまし記憶ないけど)、まるっきし別の話じゃないかよ、登場人物の名前は一応元ネタ通りで内容は全く違う、原作読者としてはまさしく「お岩様の変貌」を見る思い(これ前も使った)・・・

おそらく真相は作者がお金に困って「原作汚し料」を受け取るということで妥協したんだと思う、そうとしか考えようがない、だけどにもかかわらず彼女はハリウッドへ乗り込んで一歩も引かずに「ここはこうしろ」と文句をつけまくった(記録のテープが残ってる)、作曲者(の一人)にとっちゃこの時の記憶ははっきりと「忌わしい」ものだったのだ・・・だけど今は「そうと聞けば納得」とのこと(プログラムよりいいかげんに要約)、そっかねー、記憶は美化されるもの、いやまあいーけどさ

それはさておいてディズニー役の役者さんスゴい、ちゃんと本人に似せちゃってる、声は似てないけど-って実は私知らないんだよな、吹き替えは小山田宗徳だったハズだもん
台本作者と作曲者、スタッフ役のヒトたちもスゴい、映画の雰囲気バッチシに歌って踊っちゃう-ってほとんど忘れてたけどさ

ということとは別に細かいツッコミを一つ-ロスのホテルにプークマのぬいぐるみがおいてあってトラバースさん(作者)は「ミルンさん、かわいそう」と言う、ありえないんだよな、そん時まだプークマのアニメは存在してない、でも私はわかる、絶対このヒトにこれ言わせたかったんだって・・・・・言いたいことホントはこれだけなのかもね(意味ないけど五七五)


桜庭一樹につっこめ

2014-03-29 18:56:46 | ファンタジー
ばらばら死体の夜 (集英社文庫) ばらばら死体の夜 (集英社文庫)
価格:¥ 662(税込)
発売日:2014-03-20

「登場人物がアホ過ぎると読者は白ける」というのが津原さんの言だがあまりにもアホだとハラを立てて読むのをやめちゃうということもあるのじゃなかろうか、というほどにこのヒロインはアホ、顔や胸を整形するために金を借りてたちまち返せなくなる、法律事務所に相談するでもなく名前を変えてただ逃げるだけ、そんなんで逃げ切れるもんか・・・と思ったけど読むのはやめなかった(少なくとも私は)
男の主人公もかなりアホ、奥さんが資産家なおかげで食うには困らず好きなこと(翻訳)を仕事にしてるが自由になる金はほとんどない上、学生時代の借金に追われている、これだってプロに頼めば返す金を減らせるかもしれないのに誰にも(もちろん奥さんにも)秘密、昔自分が住んでた部屋にヒロインが隠れてるのをみつけて暴力的に犯し、そのシーンをビデオに撮られて金をゆすられる、そこで・・・おいおい、そう簡単にヒトを殺すもんじゃないよ(あ、ネタバレだけどかまうもんか)
こんな杜撰な犯罪がバレないわけはないと思うけどバレない、だけど主人公はある意味で罰せられた、「殺人に舌はないが」というハムレットのセリフがラストで効果的に使われてる・・・のかもわからんが何となく釈然とせんな、この作者ってわりと犯人に法の裁きを受けさせる方じゃない?でもそう言えば「私の男」も違ったね、どっちかと言えば「アホな犯罪がバレないまま」が多いタイプだ、ま、いっか、ファンタジーだからと思わせちゃうところがやっぱ筆力なんだろな


豊崎さんの本

2014-03-29 10:17:50 | 本と雑誌
まるでダメ男じゃん!:「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選 (単行本) まるでダメ男じゃん!:「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選 (単行本)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2014-03-26

ようやく買えた、何せラジー賞がTwitter文学賞という日本で最も公正な(と思われる)賞を侮辱するハメになってしまったのはスタッフとして痛恨だった、だから「お詫びの印に本買います」と以前から思ってたのだ、もっともこの(ラジー賞の)一件、豊崎さんには伝わってなかったらしい、喜んでいいのやら悪いのやら、それにそもこのモノはロハで読んでた時に気に入って単行本化されたら即買おうと決めてたんでお詫びとは別に関係ないんだわな

「ダメ男」は「ダメオ」と読むんだそうである、由来はもちろんマンガの「丸出だめ夫」、はて彼女リアルでマガジンの連載ご存知だったのかな、私が中学生だったんだから10年下の彼女はまだホントに幼児であられたハズ、でもギリギリで実写ドラマをご記憶かもね、マンガとはかなり雰囲気違ったんだがな・・・

近松秋江に改めて大笑い、トーマス・マンにもごもっとも、西村賢太は未読だけど何か面白そうかも、電子化されてるかな?

3/30追記-とか書いてから思い出した、私ってば西村の「青痣」読んでシッチャカにケナしてるじゃん(こちら)、プロの評価はこうなのか・・・・・


今年はカー祭りかも

2014-03-27 10:29:42 | ミステリ
夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫) 夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2013-11-28

何となく既読のような気がしてたけどそれは横溝の作品(よけいなことながら私のニオシ、一は誰が何と言おうと「八つ墓」)、そも創元社から出たのは去年の11月で全くの新訳なのだ、1930年初出、時に作者24歳、恐るべし早熟の天才!!

何となくネタはわかるような気がする、というか読者が即気づくことをずっと後でバンコランが説明するまで誰も指摘しない、そっちの方がよっぽど不思議、密室のナゾもシカケはその辺だろなと見当つけるのにさほどスレッカラシである必要はない(タネ明かしを聞くと拍子抜け)、だけど犯人は(ヒントはちゃんと出されてるにもかかわらず)教えられるまでわからない・・・と思う、たぶんだけど

ほんとカーというヒトは最初っからカーだったんだなあ(意味不明)、何にせよ古典の見直しが進みつつあるのはめでたいことである