直木賞もそうだけど今は選考委員が10人いるからなかなか意見が一致しなくて受賞作が出ないのかも、中で一番票数が多かった(でも○は一つもなかったとのこと)作品が文春に掲載されることになったらしい、円城さんは○も多かったけど絶対×というヒト(石原慎太郎とか)も多かったみたいね、残念だなあ、二人受賞だっていいだろに、ここは池澤夏樹より先に石原が降りるべきだ-というわけでその作品
戌井昭人「ぴんぞろ」-主人公=私は台本作者、チンチロリンのイカサマを修行したという芸人に誘われて賭場へもぐりこんだが、あっさりバレた上にそいつがショック死してしまった、おかげで私は群馬県の温泉宿へ行ってショーの司会をやるハメになる、三味線を弾き花電車を演じる婆さんとストリッパーの孫娘、私の司会はさんざんだがショーはけっこう人気だった、だがある日婆さんはバス事故で亡くなり、私は孫娘と共に東京へ戻る・・・・・
私の書く台本は「父帰る」の登場人物と上演時間を強引に水増ししたものとかで、それを買ってくれるのは怪しげな芸能プロをやってるオッチャン、そんなんで商売になるんかしらん、登場人物みんな変だけど一番アヤシイのはこの主人公なんだよな(その正体は結局最後まで不明、というか書いてる本人はそれほどアヤシイと思ってないのかも)、またそう簡単にヒトが死ぬもんかなあ、私はその死体を背負ってオッチャンのとこまで運んだり、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンかよ?
花電車やストリップをおもしろいと思うかどうかは趣味の問題だからあえてつっこまない、およそ先行きの見込みなさそうなこの二人がこれからどうするのか心配だけど、読者に心配させたということは(そんなんどうでもいいやと思わせなかったということは)小説として成功したってことなのかもね
お酉様の神社、熊手とおかめの面、チンチロの賽、温泉地のサル、宴会で騒ぐ品のない男たち、舞台設定と小道具の使い方もまずまず効果的だと思う、ラストでちゃんと「ぴんぞろ」になるあたりは作り過ぎって気もするけど
あれ、何かホメちゃってるじゃん、もしこれが受賞してたらラジー賞文学賞部門の有力候補だって言おうと思ってたのに・・・・ま、いっか、次回に期待します、ホントだよん