事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

今年の芥川賞

2011-08-31 10:58:58 | 本と雑誌

直木賞もそうだけど今は選考委員が10人いるからなかなか意見が一致しなくて受賞作が出ないのかも、中で一番票数が多かった(でも○は一つもなかったとのこと)作品が文春に掲載されることになったらしい、円城さんは○も多かったけど絶対×というヒト(石原慎太郎とか)も多かったみたいね、残念だなあ、二人受賞だっていいだろに、ここは池澤夏樹より先に石原が降りるべきだ-というわけでその作品

戌井昭人ぴんぞろ」-主人公=私は台本作者、チンチロリンのイカサマを修行したという芸人に誘われて賭場へもぐりこんだが、あっさりバレた上にそいつがショック死してしまった、おかげで私は群馬県の温泉宿へ行ってショーの司会をやるハメになる、三味線を弾き花電車を演じる婆さんとストリッパーの孫娘、私の司会はさんざんだがショーはけっこう人気だった、だがある日婆さんはバス事故で亡くなり、私は孫娘と共に東京へ戻る・・・・・

私の書く台本は「父帰る」の登場人物と上演時間を強引に水増ししたものとかで、それを買ってくれるのは怪しげな芸能プロをやってるオッチャン、そんなんで商売になるんかしらん、登場人物みんな変だけど一番アヤシイのはこの主人公なんだよな(その正体は結局最後まで不明、というか書いてる本人はそれほどアヤシイと思ってないのかも)、またそう簡単にヒトが死ぬもんかなあ、私はその死体を背負ってオッチャンのとこまで運んだり、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンかよ?
花電車やストリップをおもしろいと思うかどうかは趣味の問題だからあえてつっこまない、およそ先行きの見込みなさそうなこの二人がこれからどうするのか心配だけど、読者に心配させたということは(そんなんどうでもいいやと思わせなかったということは)小説として成功したってことなのかもね
お酉様の神社、熊手とおかめの面、チンチロの賽、温泉地のサル、宴会で騒ぐ品のない男たち、舞台設定と小道具の使い方もまずまず効果的だと思う、ラストでちゃんと「ぴんぞろ」になるあたりは作り過ぎって気もするけど

あれ、何かホメちゃってるじゃん、もしこれが受賞してたらラジー賞文学賞部門の有力候補だって言おうと思ってたのに・・・・ま、いっか、次回に期待します、ホントだよん


光あれ

2011-08-30 10:58:10 | 本と雑誌
ぼくは上陸している (下): 進化をめぐる旅の始まりの終わり ぼくは上陸している (下): 進化をめぐる旅の始まりの終わり
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2011-08-10

ウロ覚えだが「カラマーゾフ」の最初の方で、スメルジャコフが「神様が4日目に太陽と月をお作りになったのなら、最初の日はどこから光がさしたんでしょう」と言って老僕グリゴーリーにぶん殴られる(おかげでてんかん発作を起こすようになったとのこと)というシーンがあった、何も殴るほどのことじゃないと思うけど、これ必ずしもスメルジャコフの冒涜というわけではなく、ドストエフスキー本人が密かにそう思ってたんじゃあるまいか、創世記の書き方がよくないのである、最初に光を作って昼と夜を分けたと言っておきながら、4日目に作った太陽と月(それによる昼と夜)は最初にできた光と無関係に見えるのだ(少なくとも日本語訳ではそのように読める)

今さら手遅れだがここはグールド師匠に解説してもらうと、神様は最初の日に「光と闇」を左右に分け、2日目に「天と地」を上下に分け、3日目に地を「海と陸」に分け(陸に植物を生やし)、4日目になって光を「大きな太陽と小さな月と星」に分けて昼と夜に配したのだ、以下5日目に海の動物と空の動物、6日目に陸の動物、そしてヒト(念のために言えば男と女)を作って終了(というモザイク画がベネチアのサン・マルコ大聖堂にあるとのこと、昔のヒトは偉かった)

光を出す物質である太陽や恒星より前にエネルギーとして光があった-とは偶然ながら宇宙の始まり方としても正しい、いったい創世記1章の著者はどっからそんなことを考えついたんだろね?他ではあんまし聞かない気がするけど・・・・*

ということはさておいて不明な私はオラトリオ「天地創造」をヘンデルの作だと思い込んでいた、ハイドンだったのか、「光あれ」の Licht,Sei (英語では light,be になるんだろか?)は確かに聞いた気がするけど、他のところは全然知らないのでとりあえずレコードを注文した、ジョージ・セル指揮だからたぶん英語だと思う

追記-*もちろんこれは過大評価、このヒト(エロヒストと呼ばれてる)は全ての生物(植物と動物)が光を必要としてることはわかってたけど、地球におけるその光とは太陽に他ならぬという近代人ならあったりまえの事実をちゃんと認識してなかったというそんだけのこと・・・・こっから後はグールド先輩が喜んで歌ったというその曲を聴いてから考えることにしよう

とか言いつつもう一つ追記-とは言えこれまた現代人の偏見かも、夜が完全な闇ではなく、毎日形を変える月、位置を変える恒星と惑星があるという事実は大昔の中東人にとって今の日本人には想像もつかぬほど重要な事実だったハズ、神様がまず大きな光を作って後からそれを昼と夜に切り分けたというのは意外にロジカルな思考なのかもしれないのでアル


純文学は開かれてないだと?

2011-08-29 13:25:01 | 本と雑誌
今朝の朝日新聞はビリビリにする価値がある」とツイートしてたヒトがいたので、ちょいと見て来た、本文は「パリコレ」の紹介、このものはちょっと前までとても一般人には手の(眼すら)届かない超高級ショーだったが、最近変わって来て、ネットで公開、皆でツイートを交わす、即通販も可(信じられん、数十万もする服を通販って-と思う私は古いのだろか?)になってるんだそうである、次は10月、お楽しみに・・・というんだがこれ宣伝なんだろか?

で、川上未映子のコメント
「プラダを着た悪魔」に「いい大人がベルト一つにこだわるか」というシーンがあった(以下略)、なるほど「真夜中」の彼女は、映画でメリル・ストリープがやってた横暴編集長が元ネタだったのか、だいぶ迫力が違いそうだな・・・ということとは別に関係なくラストの一行「純文学と違ってファッションの世界は開かれている

どういう意味だ、文学はどう開かれてないんだ、ちゃんと説明しろよ、確かにこれは「ビリビリにする価値がある」かもな

追記-まさかファッションはロハで楽しめるけど、本はお金を出さにゃ買えんとか言うんじゃないだろな?

ギルバートとサリヴァン

2011-08-28 23:50:47 | 本と雑誌

ぼくは上陸している (上): 進化をめぐる旅の始まりの終わり ぼくは上陸している (上): 進化をめぐる旅の始まりの終わり
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2011-08-10

SJグールドについては今まで書いてないと思う、最後の著書がようやく訳されたので購入(どうでもいいけど、本屋の姉さんが「五千円札がもうない」と言っていた、これ2冊で5250円也、万札でおつりに五千円札いらないね、たまにはこういうこともある・・・)

いろいろ考えさせられるネタあり、オペラ「ミカド」のイラストって一応日本人っぽい服装に書かれてるのね、名前はデタラメだけど、グールドは「東洋のどっかアヤシイ国」としか言ってないけど、この絵はチョンマゲ、着物にゲタ、まちがいなく日本人の男性だよ・・・困ったもんだ

ということとは全然関係なく「見よや十字架の旗高く」って歌、サリヴァン作曲なの?、讃美歌っていろんなヒトが作曲してるけど(ブラームスとか)、アメリカのオペラがあったとは知らんかった

「cross.mp3」をダウンロード

けどほんとにそうなのかな、どなたかご教示いただければ幸いです、あ、日付変わるから大急ぎでアップ

そうだ、訳者の渡辺さん、I have landed は現在完了でしょう、過去完了なら問題ないと思うんですが・・・・・

追記-グールドはわりと最近(と言っても20世紀末かな)オリヴィア・デ・ハヴィランド(「風と共に去りぬ」のメラニー)約80歳に会って、「それなりにきれい」だったので感心したとのこと、驚いたなあ、今も健在なんだ、ヴィヴィアン・リー(スカーレット)が亡くなって何年?

さらなる追記-彼女(オリヴィア)は「見知らぬ人でなく」(1955)という映画に出ている、家のすぐそばにそのポスターがずいぶん長く貼りっぱなしになってて、子供の私はそれを見る度に「何か変な日本語だ」と思った、原題は Not as a stranger 、直訳だね、ナゾが解けてうれしいよ


へ調のメロディ

2011-08-27 23:54:46 | 音楽

「fmajorM.mp3」をダウンロード

これはルビンシュタイン作曲「ヘ調のメロディ」って曲、元はピアノ曲だが譜面を書いたのが私なのでメロディだけ、日付が変わるからとりあえずアップ

それがどうしたって、いやその・・・私にはこれが「ト調のメロディ」に聞こえるんだわな、絶対音感ないのに、クラを吹かんくなって30年は経ってるのに、耳は今でも inB なのだ・・・

ということはさておいてルビンシュタインはこの曲を作ったヒト、いい曲だと思うし、どなたか実際に演奏してアップしていただければ幸いであります-と久々に音楽ネタ・・・

8/29追記-「アントン・ルビンシュタインピアノ曲集」のレコード(弾いてるのはレスリー・ハワードというヒトである、「風と共に去りぬ」のアシュレイをやってた役者さんと同名だが別に関係なさそう)をAzonUSで購入した、1ヶ月半ほどかかるというメールが来たので「シーメールかよ」と思ってたら約1週間で届いた、ちゃんとエアメールで送ってくれたのだ、Kindleファイルと言い、これと言い、アッパレなり、AzonUS・・・・・

さらなる追記-今メールボックスを確認したら、注文したのが8/21(日)、発送したとのメールが8/24(水)に来て、8/27(土)には郵便受けに入ってた(ので早速譜面を書いてアップしたんだった)、国内の通販ショップとほとんど変わらんと改めて感心するばかり、採算合ってるんだろか?