■■思いもよらぬ人との再会【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.128
昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。
【本書の読み方】 脚注参照
■12 第二創業期始まる 4 通算128回 思いもよらぬ人との再会
印刷会社ラッキーの取締役会の場である。荒れた取締役会であるが、五カ年計画の第二議案まで何とか可決されるところまできた。
幸は、荒れた役員会の思い出から、我に返ると、そこはまだ靖国神社の茶室であった。三代目になるであろう育猛が何故ブログの話をしだしたのか気になって仕方のない幸である。
そのうちに幸は竹根と再会した1980年代に再び引き戻された。
【回想2 1980年代】
九月に入っても、一向に涼しくならない。
幸は先月の役員会のことでデスクワークが多い。軽印刷組合の経営者向けのセミナーが開催されたが、それに行く気はなかった。
しかし、同業の飲み仲間に強引に誘われ参加した。セミナーの内容は抽象的なことばかりで、たいして参考にならなかった。
ところが、終わってからの名刺交換会の席で思いもよらぬ人に出会った。福田商事の海外事業部の角菊事業部長だ。
二人で会場内のラウンジに移って話をした。
「昨日、経営コンサルタントの竹根君にあったよ」
かつて竹根の上司であったこともあり、君付けである。
「そうですか、どちらで?」
「うちの会社に来たらしいが、久しぶりだといって、わざわざ俺のところに挨拶に来た」
「竹根先生らしく、律儀ですね」
「君らは、アメリカで結ばれたんだよな」
「結ばれたという表現は微妙ですが、私がまだ駆け出しの頃でした」
「あいつだって、若造だったが、俺がアメリカに出してやったんだ。それなのに、あいつときたら帰国後二年でおさらばだからな」
――どうやら、角菊さんは竹根先生をよく思っていないどころか恨みを持っているようだ。自分があたかも先生を育てたような口ぶりで、その人が辞めてしまったのだから、わからなくもないけど。それにしても、もう何年も前のことなのに、執念深いというか・・・どうもこの人みたいなインテリ風を吹かす人は好きになれないな――
< 次回に続く お楽しみに >
■■ 脚注
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。
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