■■最後の詰め 【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.157<o:p></o:p>
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昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
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■13 初めてのイベント 13 通算157回 最後の詰め <o:p></o:p>
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小さな印刷会社ラッキーでは、荒れた取締役会であったが、五カ年計画が何とか可決された。<o:p></o:p>
プリダ軽オフセットを使ったプリントショップビジネスの新事業への取り組みが決まったものの、それを誰が担当するかが問題となった。なんと営業部長の息子であるまだ若い係長が抜擢されなど、人事面でも思いもよらない方向ではあるが、いよいよ五カ年計画がスタートした。<o:p></o:p>
幸は、荒れた役員会の思い出から、我に返ると、そこはまだ靖国神社の茶室であった。三代目になるであろう長男の育猛のことが気になって仕方のない幸である。<o:p></o:p>
竹根と話をしているうちに、幸は再び1980年代の竹根に顧問を依頼した頃に思考が戻った。<o:p></o:p>
五カ年計画のプリントショップビジネスの第一弾として、福田商事とラッキーの共催でセミナーを開催し、ビジネス紹介のでも現場も見られるようにした。これがヒットした。しかし新たな問題として、顧客のニーズにラッキーの体制が整わないことが予想された。<o:p></o:p>
その対策会議は遅々として進まない。サービス内容と料金面でも、問題がある。<o:p></o:p>
そんなところに竹根事務所から担当の、印刷業界のコンサルティング経験が豊な荻野が登場し、停滞していたミーティングにカツが入った。<o:p></o:p>
しかし、意見が大松田と刷増の間を激しく行き来した。<o:p></o:p>
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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>
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「版下を作ることが問題なので、版下作成の時間を短縮すればいいと思います。それには、お客がフロッピー・ディスクにワープロデータを保存して持ってくる、これにより版下制作時間と費用は大幅に削減できます」<o:p></o:p>
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「だんだん、いい線に来たね。今一歩」<o:p></o:p>
また、ブツブツに変わった。大松田は、天井画を眺めるかのようににらみ上げている。社長室の天井は、和風の板張りの天井である。木造建築を改築して作ったために建物にはあまりお金をかけていない。<o:p></o:p>
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「要は、完全版下、あるいはそれに近い形で持ち込まれれば、版下制作の時間とコストを下げられるのだから、お客に完全版下を持ち込んでもらえるようにすればいい訳です」<o:p></o:p>
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「うん、また一歩近づいて来たな、部長」<o:p></o:p>
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「社長、そこまではいいのですけど、それからが・・・」<o:p></o:p>
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「お客様の立場になって考えてみてください」と荻野がまたヒントを出した。<o:p></o:p>
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ブツブツと天井にらみがまた始まった。<o:p></o:p>
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「なぜ、お客は版下を作らないか。ワープロがない、見出しなどの大きな文字を作れない・・・」と今度は、大松田が独り言を言った。<o:p></o:p>
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「お客は、版下作りに自信がないのだから、そのヒントを出せばいいんだ。他社がやらないような差別化を図れば良いんだね。版下作りの勉強会を開く、社長、こんなのはどうでしょうか」<o:p></o:p>
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「大松田部長、それはいけそうですね。先生どうでしょうか」<o:p></o:p>
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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>
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■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
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