■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-24 プロ管理職のリーダーシップ 代表的なリーダーの理想型の理論 PM理論
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ
私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。
管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ 2-24 代表的なリーダーの理想型の理論 PM理論
リーダーシップを語るときに、忘れてならないのが「PM理論」ではないでしょうか。
PM理論は、管理理論としては珍しく、日本人が考案した、リーダーの分類法です。1966年に、社会心理学者であります三隅二不二氏によって提唱されました。
PM理論は、組織的な活動を、リーダーが持つ力、すなわち「リーダーシップ」の観点から見てみようという考えです。「組織をさらに発展させる機能、すなわちコンピテンシは何か?」という観点で考察したリーダーシップ理論なのです。
リーダーシップを、リーダーに必要な要素として「目標達成」に対する行動面と、「組織活動」という人間関係性の二面性をピックアップし、マトリックスに組み合わせてリーダーを分類しようという試みです。
類似した理論として、FFS理論やマネジリアル・グリッド論がありますが、後者は、ほとんどのリーダーシップに関する書籍などで詳説されています。前者は、アメリカ海軍におけます「ストレスと性格」の研究において開発されたもので、経営コンサルタントなどの支援が必要なために、ここではPM理論をご紹介します。
PM理論では、目標を達成する意識や行動力を「P:Performance Function」、「組織活動・人間関係」面を「M:Maintenance Function」とし、それをXYの二軸にして、4つのセルで考察しようという考えです。
目標達成機能といわれますP機能のPは、既述のとおり、PerformanceのPです。出来栄えとか、成績、性能などの意味を持つ言葉ですので、組織が問題発見・課題解決などの業務を通し、生産性を高めて目標を達成する機能です。リーダーとして求められる「結果」をだせる力が評価されます。
それに対して、集団維持機能のMは、Maintenanceの頭文字です。持続、維持とか保守保全というような意味を持っています。メンバーや仲間が相互信頼し、各自の強みを充分に発揮し、弱い部分を補完し合いながら、良好な人間関係を保ち、組織的な活動ができる、リーダーとしての力が評価されます。
M機能が強いですと、職場の雰囲気は一見しますと良好に見えます。しかし、放任主義的な雰囲気から、メンバーが、自分の力以上に成果をあげたり、成長したりすることは困難です。
P機能とM機能のバランスがとれるように伸ばして行かなければなりません。
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