政治がフィクション化している。
あらゆる情報がデーターとなったいま、真実と虚構の境界線がもはや意味を失いつつある。
社会的手続き、政治的言説 規範意識 ・・・・現実の隅々に虚構が浸潤し、人はニヒリズム
の快楽に逃避しはじめている。
インターネットが約束したはずの、誰にでも開かれた自由な空間。
しかしそれはいまや、排外主義と資本主義が暴力的にヒトを管理する牢獄へと一変した。
もはや我々はフィクション化した現実を生きるしかないのか。
しかし軌を一として、フィクションの、もつ政治性が改めて脚光を浴びている。
想像力という武器が新たに世界を変える言葉を紡ぎ、牢獄にわずかな風穴をあけようとしている・・・・
人々は何をおそれているのか 芸術の自由と不自由をめぐって 田中純
抵抗するフィクションをさがして 斎藤美奈子
虚実の間に 円城塔
政治的神話と社会的呪術 なぜ人はフアクトよりフエイクにひきつけられるのか 森本あんり