KAWAYU EMC スタッフのひとコマ(弟子屈町・川湯温泉・阿寒摩周国立公園・屈斜路湖・摩周湖など)

川湯エコミュージアムセンターの職員が写す日々の季節の移ろい、出来事をどうぞ Kawayu EMC staff diary

春告獣

2014-04-04 10:24:34 | アイヌつれづれ(about Ainu)

今朝はまどろみの中、

心地よい音が耳に届き、目が覚めました。

 

何か月ぶりかの雨-。

春を告げる音。

雪解けが一気に進みそうです。

 

山の中のどこかで、

この冬に生まれたエペレ(子グマ)たちも、

初めて見る雨をフシギそうに眺めているかもしれないなあ…

思わず、そんなことを考えてしまいます。

 

先住民族アイヌの人たちは、

ヒグマのことを「キムンカムイ」と呼びました。

キムンは山、カムイは神のことです。

 

日本国内の陸上で暮らす動物としては、最大級の大きさを誇るヒグマ。

それでいて、冬の間は食べ物を口にすることなく穴にこもり、

おまけに出産という偉業をやってのけるこの動物を、

アイヌの人たちが「神」と称賛したのは、十分すぎるほど理解できます。

 

アイヌの人たちは、

自分たちにとって有益なものにしか名前を付けなかったといわれています。

 

植物を例にとるとわかりやすいかもしれませんが、

たとえば「トマ」というのは、「エゾエンゴサクの根茎」“だけ”を指します。

根茎は食料としたためです。

花そのものを愛でるというよりは、

実用的なものとしての利用価値のほうが高かったのでしょう。

 

で。ヒグマです。

アイヌの人たちはヒグマに対し、

1歳のクマ

2歳のクマ

3歳のクマ…から始まり、

おとなしいクマ

冬が来ても穴に入らずに山野をうろついているクマ

胴や手足の長い性悪のクマ…などに至るまで、

分かっているだけでも80以上の呼び方を使っていたとか。

 

それだけ、アイヌの人たちとヒグマの間には

強い関係があったのです。

 

-と、そんなことを書き始めるともっともっと長くなるので、

今日はこのへんで止めておきます(笑)。

 

そんなヒグマたちも、そろそろ目覚めの時期だなあ…と思いながら、

通勤道を車で走っていると、

あと、数百メートルで川湯温泉街に入るというあたりで…

 

むむっ?

一旦は通り過ぎてしまった車を慌ててバックさせてしまいました。

 

実は、明日4月5日から5月11日まで、

北海道では「ヒグマ注意特別月間」となっているのです。

 

山菜採りやハイキングなどで、

人間が山に入る機会が増えるこの時季は、

ヒグマと遭遇する機会も増えるわけです。

 

私としては、

ヒグマに対しても「人間注意特別月間」を広報してあげないと…と思うのですが。

***

川湯エコミュージアムセンター  http://www6.marimo.or.jp/k_emc

 

 

 



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