KAWAYU EMC スタッフのひとコマ(弟子屈町・川湯温泉・阿寒摩周国立公園・屈斜路湖・摩周湖など)

川湯エコミュージアムセンターの職員が写す日々の季節の移ろい、出来事をどうぞ Kawayu EMC staff diary

さわやかに、6月スタート♪

2014-06-01 11:38:55 | アイヌつれづれ(about Ainu)

みなさ~ん。

今日から6月ですね。

 

移りゆく1日ということでは、ほかの日となんら変わりありませんが、

区切りとして設けられていると、

毎月の「ついたち」というのは、ちょっと気が引き締まる感じが(私としては)します。

 

古今東西、

人は月の満ち欠けだとか、

動物や植物の動きなどで時間や季節の流れを感じてきました。

 

北海道の先住民族アイヌの人たちにも、

独特の表現があったようです。

 

現暦の5月(旧暦4月)は「モキウタ チュプ」=静かなる採取月

現暦の6月(旧暦5月)は「シキウタ チュプ」=大いに採取できる月

そしてシキウタ・チュプは「サク チュプ」=夏の始まりです。

 

大いに採取できるモノ、

その主役は「ハル イッケウ」=食料の背骨と称されたオオウバユリの鱗茎です。

 

オオウバユリは花が咲くようになるまで、

数年~10年ほどかかるといわれていますが、

鱗茎を採るのは花が咲かないうちのものです。

 

この“ユリ根”からは、良質なデンプンが多く採れるのです。

一番粉、二番粉、そしてデンプン滓に至るまで、

ムダなく利用されました。

 

1882(明治15)年ごろ、西川北洋によって描かれたアイヌ風俗絵巻の中にも、

オオウバユリを採集するアイヌ女性たちの姿があります。

 

オオウバユリ掘りだけでなく、

山菜を採りに行くときなどは1人で行くことはなく、

たいていは3人から5人くらいの女性で出かけたとか。

 

わいわい、がやがや賑やかに、

キムンカムイ(ヒグマ)と遭遇しないための対策でもあったと思われますが、

それ以上に、若い人と年上の人がともに行動することで、

探し方や採り方、処理の仕方などが受け継がれていく、大切な時間だったのでしょう。

 

オオウバユリの葉を見るたびに、

遠い昔のひとときに、思いを馳せてしまいます。

* 

周辺は、日に日に緑が濃くなってきています。

植物の生命力を感じに、

森の中に出かけてみませんか!

 

センターでは、

リアルタイムな情報を用意してお待ちしておりますので、

ぜひお立ち寄りくださいね!

 

川湯エコミュージアムセンター  http://www6.marimo.or.jp/k_emc/

 



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