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「美しいものを見に行くツアーひとり参加」 益田ミリ

2020-10-22 | 読書

面白かったです。先日の尾道旅行の宿で読みました。

著者は1969年生まれのイラストレーターでエッセイも書く人。その人が海外ツアーに一人で参加した時の旅行記。

楽しく読んだあと、またきっと海外旅行行きたいと決心しました。


北欧のオーロラ、ドイツのクリスマスマーケット、モンサンミッシェル、リオのカーニバル、台湾の天燈祭、プリンスエドワード島への旅行が載っている。

旅行記は星の数ほどあるけれど、英語できない、夫は仕事、一週間も一緒に旅行する友達いない、時間はあるけど、お金は元々山ほどないし、旅行にそんなに使いたくない私にはぴったりの本でした。

ツアーの中での立ち位置とか、会話の心得なども、参考になりました。相手のことを詮索せずに、旅行の話題にとどめるとか、自分に合うグループを見つけて、食事の時は横に座らせてもらうとか。

それから持ち物。

スーツケース、行きは半分空けておく。へこむのが心配でとかく詰めてた私。入れなくていいんだあ・・・

ボールペンはたくさん。あちこち探しまわるのもストレス。

ブラジャーは前ホック。これはしています。機内では外しておく。登山用のプラスティックの留め具を使います。これでセキュリティチェックも安心。

お土産は買った日にその都度ベッドの上に並べて写真にとる。私はまとめて写真撮ってたけど、この方がどこで何買ったかすぐわかる。お土産は人に渡して、二度と見ないけれど、パッケージなどがきれいなのが多いのでいいアイデア。

中国台湾韓国へは一人では行ったことない。ネックは大皿料理。韓国では二人鍋というのもあった。一人参加はちょっと居心地悪いかも。

それに同窓生みたいな集まりの一部男性客が、現地人を見下し、食事のマナーは悪い、夜になると集団でどこかへ行くと、ヨーロッパ旅行ではまず見ない人たちが混ざっているのも何とも。


ふだん、まず付き合わない、出会わない人と出会うのが海外ツアー。その中でより居心地よくするためには服装を観察。豪華、派手な服装の人は私とは合わないので近寄らない。よしんば同じテーブルになっても、こちらから話を振って下手に出ない。もちろん、ご主人と直接話さない。話しかけられても返事は奥さんの方へ。

私は海外旅行で登山服着ていることが多いので、シンプルで機能的な服着ている人とは割と話が合います。服装、持ち物ででその人がほぼ分かる。似た人の傍へ行く。旅行の邪魔してはいけませんが。

一人の理由をそれとなく詮索されたら「主人は仕事」と言っておけば後は安心。いてもいなくても使える手です。ずっと独身だったとか、途中で別れたとか、亡くなったとか、仲良くなると言ってくれる人もありますが、聞き流してそれ以上は詮索しない。

そして女同士で助け合う。と、こんな感じでしょうか。


また海外旅行行きたいですね。あまり年取らないうちに。

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「隠し事」 羽田圭介

2020-10-22 | 読書

芥川賞作家、羽田圭介が9年前に文芸雑誌「文芸」に発表した中編。

単行本のほかに文庫本もある。


僕、大学時代の先輩の鈴木は、後輩の茉莉と7年前に知り合い、二年前から同棲している。

ある夜、入浴中の茉莉の携帯に着信メールが届く。相手は鈴木の大学時代のクライメイトで、今は茉莉と同じ広告業界で働いている。

内容は見ないけれど、送信相手だけは見てしまった。

なんでメールのやり取りしているんだ・・・鈴木は二人の関係が気になって、真夜中に起きてはこっそりメールのすべてを覗く。それを繰り返す。

自分が知らない茉莉の姿を掴もうとするが、どれもこれも疑い出したらキリがない。知っていたはずの茉莉が、却って掴みにくくなる。

会社の同僚の喫煙仲間(女性)に、喫煙室でそのことを相談するようになる。それは見ていいんだとアドバイスされ、ついでに自分の着信メールがすべて茉莉の別のアドレスに転送するように設定されていたことを知る。

盗み見していたのは茉莉の方が先だったのだ。

狭い部屋で共に暮らし、お互い隠し事をしない約束だったはずだけど、そんなことはできないし、無理だと当人たちも気づき、そこから物語がまた続いて行く。。。。

10年近く前なので、使っているのはまだ二つ折りの携帯電話。なんかものすごく昔に感じる。一人一人が通信手段を持ち歩くようになると、人との距離は縮まるようで、却ってそこにはない姿が見えにくくなっている。妄想だけが肥大し、昔の、会って話す、話さないことはなかったこと、無理に聞かないというのんびりした関係はもう取り戻せないのかもしれない。

仕方ないと言うよりも、人は道具を作り、道具で人が変わる。そこのところを書いた、今の時代の小説だと思った。

只のハッピーエンドではなく、人間の複雑さ、謎の深さを感じる結末となっている佳編。

スマホの時代はどんな書き方になるのでしょう。スマホのアプリ、機能などほぼ分かっていない私には想像もつかない。

 

コメント (2)
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