スーパー秘書・優子の誕生
私が作ったのは、スケジュールを入れるDBのみ。informixはスキーマを切り、DBを生成すれば、一件ごとのデータ入力画面は、自動的にできる。しかしそれでは一覧性や時系列性がない。しばらくすると、誰かが縦軸に日にち、横軸に時間を取って、スケジュールを二次元で表現できるようにしてくれた。これは便利だ。
ところで、スケジュールはいいが、社内で会議をするときなど、会議室も一緒に予約したい、というニーズが出てきた。会議室予約で必要な要素は、誰が、何日、何時から、何時まで、誰と、どこの会議室で、何をする。つまり、スケジュールは人の予約、会議室予約は、場所の予約。機能的にはほとんど同じ。すぐ作れた。
こういった機能を全員が使うためには、ひとつだけルールが必要だ。それは、「スケジュールが入っていなかったら勝手にスケジュールを入れてよい」というルールだ。だから、手帳にだけスケジュール書いたのでは、他人からスケジュールを入れられてしまうので、できるだけ速やかにスケジュールを入力するようになる。罰則として、自分が入れなかったためにダブルブッキングになった場合の調整は、自分でしなければならない。便利だから使うのではない、スケジュールを入れないと、自分がひどい目に遭うから速やかに入れるようになる。すると、スケジュールは常に最新のものが入っているので、信用できる。するとそれに頼るようになる。そしてなくてはならない道具になる。
いろんな人が珍しがって見学に来たものだ。そのうち欲しがる人が出てきた。informix-4GLという言語で書いてあり、名刺、ニュース、購入図書、伝言メモ、ToDo機能などを付けて、「スーパー秘書・優子」と命名して、ソースプログラムで80万円で販売した。80本くらい売れた。ソースが手に入るので、カスタマイズができ、ユーザに喜ばれた。
落ちがひとつ。ニュース、購入図書、ToDoは使い切れなかった。運用体制がしっかりしていないと無理。
こういう文化を受け入れられないと風通しのよい会社にはならないという意志を優子込めました。
表現は汚いのですが、「上司は共同便所、みんなで使うもの」と云ってはばかりませんでした。