片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

世界の朝の通勤電車で、職場に通う人々の顔が一番暗いのが日本だそうです。

2012年04月06日 | 22世紀を目指して
本当に会社に行くのが嫌なんだろうなあとつくづく思います。
そうおっしゃるのは、組織と働きがい研究所代表の斎藤智文さん。

昨日のBPIAの面白工学研究会での講演。

戦後、低賃金で作った製品を、その国の産業が壊滅的な打撃を受けようが構わずに日本製品を世界中に売り浴びせたエコノミックアニマル日本。同じことを韓国や中国が始めると、すっかり慌てふためいて意気消沈しまった日本。

自殺者は逆に、成長が止まったあたりから年間3万人台を下ることなく、他の国の倍以上の自殺大国になった。しかも他の国が60歳以上の高齢者が多いのに、日本は40代50代の働き盛りも多いという。

ただ一方、明るい話題もある。
1998年から2011年の間に調べた新任取締役への意識調査では、ステークホルダーのうち何を一番大切にしますかという問いに、1998年では、株主という答えがトップで、従業員と答えた人の倍の差があった。ところが昨年の調べでは、トップが従業員で、株主はその半分以下だ。つまり日本の経営者もこの10数年で大きく意識が変わってきたということだ。

米国でファミリーフレンドリーという言葉がよく使われるという。
これは、家族のようにお互いに助け合いましょうという意味だと斎藤さんは言う。
今流行の「絆」だ。

会社のマネジメント層が従業員を尊敬し、従業員はマネジメント層を信頼する。これが企業にとって一番大事なことだと今では思うが、エコノミックアニマル時代にはこういったことは軽んじられ、売り上げを上げたものが昇進していった。つまり、言い方は悪いが人品の怪しい人々でも会社の業績だけ上げれば日本企業のマネジメント層になれた。

自社のマネジメント層を信頼できるか、みなさん自分の会社の社長を見て欲しい。
社員を尊敬し、明確的確な経営戦略を立案し、できるだけ公平に社員を評価することを心がけ、社会道徳をしっかり守り、世のため人のためにビジネスができる経営者だろうか。


たった一年学んだだけで映画のお気に入り投票サイトを作った若者

2012年04月06日 | 不思議なこと
感動を通り越して不思議だった。
嘘でしょというのが私の感想。

一昨日の「Bizの明日を考える会」での講演を聞いて。

Bizの明日を考える会の命名は大日本印刷の奥野さん。
それを代表幹事として仕切っているのが栗田さん。
Biz/Browserのユーザならだれでも入れる会だ。
なんと55回を重ねている。
毎月やっていてもうすぐ5年になる。

今回は、HAL東京の学生の講演。
河村君といって、プログラムを書く仕事をしたいと思って、それまでまったく経験はないが、HAL東京に入った。それから半年HTML、C、Java、インターネット環境などを学び10月から就職活動のためのプレゼン用ソフト作りにかかった。

彼は外国映画が大好きなのだが、いい紹介サイトが無い、あっても広告色が強かったり、個人のサイトでは品数が少なかったりで、自分の欲しい、沢山の外国映画を適切に紹介してくれるサイトがないので、それを作ろうと思った。
途中でぶれるといけないので、まずは企画書作りから入った。
最初に目的を明確に設定した。そして何を誰に対して提供するのかを明確にした。
それを先生の指導を受けながら10月一ヶ月かけて書き上げ、11月から設計に入った。
それから3ヶ月、いろんな企業の方々が見に来ている中でプレゼンをした。
それがとても評判がよかったらしい。
栗田さんがそれを見初め、今回校長の鶴保さんにお願いしてBizの明日の会での講演となった。

堂々たる発表で、弱冠21歳の、プログラミング経験1年のしかも社会人ではない専門学校で1年学んだだけの学生の発表とは、とても思えない。
どうしたらこんな短期間でこれほどのシステムとプレゼンができるのだろうか。
学校の教育方法の成果なのか、本人の持って生まれたものなのか、なぞのまま終了。

私は思わず叫んでしまった、「起業すべきだ!」と。
本人にはその気はなさそうだが。

しかし驚いた。。。。
目がどんよりしているIT企業の若手社員に彼を見せてあげたい。
自らを猛省することだろう。
65歳の私自身も焦ったくらいだ。