片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

世代を超えて生き続けている言語はCOBOLしかない

2007年12月02日 | 私の正論

小碇暉雄さん。三菱電機のオフコン、名機MELCOM80のOSを作った男。今、オープンソースソフトウェア協会の理事をしておられる。彼の著書「オープンソースで人が繋がる」を読むと、小碇さんが、いかに多くのコンピュータ言語に接してきたか実によく分かる。この本を読みながら頭に浮かぶのは、地球全体をカバーするコンピュータネットワークの、それぞれのノードで地道に動いている「言語たち」だ。アセンブラー、C、COBOL、Javaなど、実にたくさんの言語で、さまざまなプログラムが作られ、相互に協調して動いている。オーケストラで、さまざまな楽器が協調して音楽を奏でるように、言語たちも♪ならぬデータを協調して処理してゆく。どうしてこういった感情が湧いてくるかというと、小碇さんの文章から、「どの言語もいとおしい」という愛情を感じるからだ。その中で、一世代30年を越えて生き続ける言語COBOLに対しては、特別の敬意を払っているように感じられる。
オープンソースについての想い。言語を学ぶとき、一番いいのは人が書いたプログラムを読むことだ。小碇さんは、人の書いたプログラムを読み、ときにそれを利用して仕事をしてきた。今振り返ればオープンソース。人の書いたプログラムは先生だった。だから小碇さんはオープンソースにこだわる。
小碇さんのお人柄も随所に表れており、さわやかに読了しました。ソフトウェア開発を仕事としようと思われている方、ぜひこの本を読んで、大きな視野を持ってください。Javaしか知らないのでは、知っている言語に固執するようでは、プロとは言えません。