こちらの実光院も、宝泉院と同じく勝林院の子院であり、元は大原陵の地にあった他の2箇所の子院を併合して大正8年
に現在の地に再建されました。 位置的には、宝泉院の南隣で勝林院から三千院に戻る途中にあります。
客殿の玄関 参拝の方は、右上の銅鑼で来院を知らせて下さい。
客殿に入り左手に池泉観賞式庭園があります。 まずこちらでお抹茶をいただきますが、宝泉院の後に行くと続けてお
抹茶をいただく事になります。
客殿の南に広がる庭園は、池泉鑑賞式庭園で、旧普賢院(併合した子院)の庭園で(契心園 けいしんえん)と言い、
中央の心字の池へは律川から導いた滝の水が流れ落ち、滝口の近くには蓬莱石組があり、築山の松は鶴を、池の島は
亀を表しております。さらに池の手前が俗世間、向こうを仏の浄土に見たてております。
御本尊には、地蔵菩薩像を祀り、脇侍には不動明王像と毘沙門天像を安置いたしております。
これらの楽器は、いずれも声明研究の一助にと歴代住職が収集されたものです。
欄間の三十六詩仙画像は、江戸時代中期の狩野派の画家の筆によるものです。
客殿西側の庭園は、旧理覚院(併合した子院)の池泉回遊式庭園で、実光院に併合された後、当時の住職が作庭した
もので中央に瓢箪池があり、配置してある石の多くは寺領の山や谷から運び込んだものです。
池の向うに見える不断桜は、例年初秋より咲き始め翌年の春まで花が咲いている珍しい品種で、秋の紅葉の季節には
観桜と紅葉狩りが一度に楽しめるそうです。
庭の北西隅にある茶室「理覚庵(りかくあん)」は、昭和50年に建てられたもので桧の変木床柱を始め、木材ほとんどは
実光院領の山林から調達されました。
茶室控えの間の夏椿 よく「沙羅双樹」と呼ばれますが、釈迦(しゃか)が亡くなったときに近くに生えていたことで有名な
「沙羅双樹」は、全く別の熱帯樹のことで「沙羅双樹」は日本の風土では育たないそうです。
では、なぜ夏椿がこの「沙羅双樹」に間違われたのか・・・。 昔、ある僧侶が、仏教にゆかりのある沙羅双樹の樹は日本
にもきっとあるはず、と山に入っていろいろ探したところ、夏椿の木を見て「これが沙羅双樹だ!」と思い込み、それを広め
たため、との説があります。
理覚庵茶室
茶室前のつくばい(手水鉢) 庭木には茶花を多く植え込む配慮もなされております。
西の金比羅山や小塩山を借景に取り入れるために庭木を低く仕立てて開放的な明るい印象を与える工夫がなされて
おります。
次は、大原最後の目的地の三千院にお参りいたします。
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