京の四季 名勝散策 写真集

京都の観光、散策の参考にしていただければ幸いに思います。

鹿ケ谷 安楽寺 新緑 6/4/2011

2011年06月23日 | 洛東 銀閣寺方面

      

       住蓮山安楽寺は、鹿ケ谷・法然院の南にあり、法然上人の弟子、住蓮上人と安楽上人を開基とします。この開山両上人が、現在地より東1キロメート

      ルあたりに「鹿ヶ谷草庵」を結び、布教活動の拠点を持たれたのがこの寺のはじまりです。

 

 

 

 

      

      山門前の石柱には、「浄土礼讃根元地」と刻まれており、開山両上人は、唐の善導大師(ぜんどうだいし)の『往生礼讃』に大原魚山(天台宗)の礼讃

      声明(らうさんしょうみょう)を転用して浄土礼讃を完成されました。両上人が称える礼讃は誠にすばらしく、両上人の前で出家を希望する人も出るほどと

      伝わっております。

 

 

 

 

                  

      その中に、後鳥羽上皇の女官、松虫姫と鈴虫姫がおられ、両姫は、法然上人や開山両上人から念仏の教えを拝聴し感銘され、いつしか仏門に入りた

      いと願うようになりました。建永元年(1206)12月、両姫は後鳥羽上皇が紀州熊野に参拝の留守中、夜中秘かに京都小御所を忍び出て「鹿ヶ谷草庵」

      を訪ね剃髪、出家を乞います。最初、両上人は出家を認めませんでしたが、両姫のお詠に感銘され受け入れをけついされました。


      「哀れ憂き この世の中にすたり身と 知りつつ捨つる 人ぞつれなき」
     

 

 

 

 

      

       19歳の松虫姫は、住蓮上人から剃髪を受け「妙智法尼」と法名を授かり、また17歳の鈴虫姫は、安楽上人から剃髪を受け「妙貞法尼」と法名を授かり

      ます。

 

 

 

 

      

       この事を知った上皇は激怒し、念仏の教えを説く僧侶に弾圧を企てます。翌建永2年(1207)2月9日、住蓮上人は近江国馬淵(まぶち)(現在の滋賀

      県近江八幡市)で、同日安楽上人は京都六条河原(東本願寺近く)で斬首され、この迫害はこれに止まらず、法然上人を讃岐国(香川県高松市)に流罪、

      親鸞聖人を越後国(新潟県上越市)に流罪に処します。いわゆる建永(承元)の法難です。

 

 

 

      

      

       その後、両姫は瀬戸内海に浮かぶ生口島の光明防で念仏三昧の余生を送り、松虫姫は35歳、鈴虫姫は45歳で往生を遂げたと伝えられています。

 

 

 

 

 

      

       また、両上人の亡き後、「鹿ヶ谷草庵」は荒廃いたしましたが、流罪地から帰京された法然上人が両上人の菩堤を弔うために草庵を復興するように命

      ぜられ「住蓮山安楽寺」と名付けられました。その後、天文年間(1532〜55)に現在地に本堂が再建され、今日にいたっております。

 

 

 

      

               

               なお、安楽寺は、春と秋のお花の時期に併せて一般公開を行い、庭園をはじめ、本堂・書院を解放しております。

               春は、さくらの頃、つつじの頃、サツキの頃を中心として、秋は、もみじの頃に公開日を設定しています。

               仏さまのみ教えに触れていただきたいという願いを込め、本堂で30分おきに約10分間、寺の由来やお木像の説

               明をしていただき、また、書院では(催しが行われている時は除く)床の間に宝物(掛け軸)を公開し、ご希望があ

               れば、絵解きもしていただけるそうです。法務がない時間帯は、住職が本堂におりますので、寺の縁起のこと、仏

               教のこと、植物のことなどお尋ねがありましたら、できる限り対応していただけるそうです。また、納経(朱印)は書

               院で受け付けております。  公開の日時は、土日が中心になりますが、毎年時期がずれることがありますので、

               ネットなどで確認の上参拝してください。  http://anrakuji-kyoto.com/anrakuji

 

 

 

 

 

      

      本堂 

 

 

 

 

 

                  

                   山門を潜り参道を進みますと、左手に本堂、右手に石碑が立ち両上人の墓所が佇

                  んでおります。

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

       墓所前の両氏の歌が刻まれた石碑

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      安楽寺では、毎年7月25日の9時から15時(入山)まで「中風まじない鹿ヶ谷カボチャ供養」を勤めており、当日ご参拝されたお方に、煮炊きされた鹿ヶ

      谷カボチャを食べていただき、中風にならないよう祈願する行事です。鹿ヶ谷カボチャは、寺伝によりますと、寛政年間をはじめ(1790年頃)、京都の粟

      田に住んでいた玉屋藤四郎(たまやとうしろう)が青森県に旅行した際にカボチャの種をお土産に持ち帰り、鹿ヶ谷の庄米兵衛に与え、当地で栽培した

      ところ、突然変異して、ひょうたんの形になったといわれています。

 

 

 

 

 

      

       この頃、当寺の住職、真空益随(しんくうえきずい)上人が本堂でご修行中、ご本尊阿弥陀如来から「夏の土用の頃に、当地の鹿ヶ谷カボチャを振る

      舞えば中風にならない」という霊告を受けられたそうです。以後7月25日に供養日を定め、今日にいたっており220年続く伝統行事です。

      なお、当日、本堂では「安楽寺縁起絵」「剃髪図」「九相図」などの宝物(掛け軸)十数点も虫干しを兼ねて公開され、10時と15時から絵解きも行われ

      ます。

 

 

 

     

      

 

 

 

 

 

 

      

       本堂西側の「縁」と彫られた石碑

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

       本堂右手が庭をはさんだ書院になります。

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

               

 

 

 

 

 

 

      

       書院の南側の客殿につながる架橋と呼ぶのでしょうか? 

 

 

 

 

 

                

                 書院と客殿の間の坪庭

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

       本堂正面

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

       客殿 「椛 momiji」 2010年夏、安楽寺境内に新しい客殿が建築されました。飛騨高山の大工さんを招き、日本の伝統的な建築方法で木と土の家

      が完成しました。東山の木々を借景とし境内の桜やさつき、紅葉を融合するこの建物を「椛 momiji」と命名しました。お寺の中のフリースペースとして

      広く開放していきたいと思います。 お寺の公開していない日を中心にカフェスペースとして開放しています。安楽寺オリジナルの「京野菜ジュース」を飲

      みながらお寺の庭園でゆっくり自分だけの時間をお過ごしください。詳しくはhttp://anrakuji-kyoto.com/momijiを御確認してください。

      安楽寺ホームページより。

 

 

 

 

     

      

 

 

 

 

 

 

               

                生垣には、幾種類もの木々が使われており、季節ごとの花を咲かせております。

 

 

 

 

 

               

 

 

 

 

 

 

               

 

 

 

 

 

 

      

       安楽寺の前の道路は、車がすれ違うのがやっとの幅しかないのと、駐車場がありませんので、紅葉シーズンの土日は車の乗り入れはお勧め出来ませ

      ん。 歩いてる方の顰蹙の眼差しを浴びることを保証いたします。 銀閣寺に何カ所か大きい駐車場がありますので、そちらをご利用ください。徒歩10分

      程度です。

 

 

 

 

 

 

 


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