京都市内の桜の最後を飾りますのが、仁和寺の御室桜です。今年は、染井吉野・枝垂れ桜ともに開花が遅れておりましたが、御室桜も同じように時
期がずれてくれ、4月の最終週までお花見が出来ました。写真の八重桜は、遅咲きの普賢象でまだ見頃が続いております。
仁和寺の東側の駐車場に車を停め境内に向かいます。 普賢像は里桜の一種で、主に大島桜(オオシマザクラ)を母種とする園芸品種の総称です。
平安時代から人為的な交配や野生のものから選抜育種などが行われ、200以上の種類があるそうです。花弁数は30~40枚くらいあり 花の色はか
すかに紅色を帯びた白です。 名の由来は、緑化した2本の雌しべが普賢菩薩の乗る象の鼻(牙)に似ることからこの名が付けられたそうです。
新緑のモミジも目に鮮やかです。 空模様が怪しくなってまいりましたが、傘も持たずに入ってしまいました。
霊宝館では、寺宝展も催されておりましたが、スルーいたしました。 霊宝館には、金堂に祀られていた御本尊の木造阿弥陀三尊像が安置されて
おります。
霊宝館西側の金剛華菩薩坐像 済信塚と霊宝館の間に露座される菩薩像で、金剛界曼荼羅の金剛華菩薩です。左手には宝相華を盛った器を持ち、
右手で器をはさむような姿をなされております。昭和56年(1981年)に安置されました。
勅使門の前の御室桜の若い木です。 御室桜の特徴は、樹高があまり高くならず、地面に近いあたりから枝分かれが始まります。
勅使門です。 予想より早く雨が落ちてまいり傘を持ってこなかったことを後悔しつつも時すでに遅しです。
こちらの木には「楊貴妃」の札が掛っておりましたが、普賢象との区別がつきませんでした。 雨だけでなく風も
強くなってまいり一時テントに避難いたしましたが、雨足が段々強くなってまいりました。
雷まで鳴り出し、前日に続き春の嵐の様相になってまいり、20分程足止めを余儀なくされました。
少し小降りになってきたので、中門まで進みます。 御衣黄桜 江戸時代に、仁和寺で栽培されたのがはじまりと言われており、「御衣黄」という名
前は江戸時代中期から見られ、その由来は貴族の衣服の萌黄色に近いためとされており、古くは「黄桜」「浅葱桜(浅黄桜)」とも呼ばれていたとも
云われております。
花の緑色は葉緑体によるもので、同じく葉緑体をもつウコン(鬱金)も若干緑色が掛っておりますが、その量が少ないためにもっと薄い淡黄色になりま
す。また濃緑色の部分の裏側には、ウコンの花にはない気孔も存在するそうです。
鬱金桜(うこん) 両方共に珍しい品種ではありますが、全国では、沖縄を除く100カ所位で見ることが出来るそうです。
中門 応仁の乱(1467~77)により全伽藍を焼失した仁和寺ですが、寛永18~正保元年(1641 ~44)に再興され、その時に中門が建立されました。
右側を護る、持国天王。
左側を護る多聞天王。
やっと、空が明るくなってまいり、雨もやんでまいりました。
先ほどの、雷雨が嘘のように青空がよみがえってきました。 中門の内側に広がる桜園は、昨年までは茶店が料理や飲料を出し桜の下で床几に
腰掛け花見が出来たのですが、今年から中止になり、お寺側と茶店側が揉める事態になっております。
連日の春の嵐で、相当の花びらが散っておりましたが、まだ半分程度は残っており、十分楽しむ事ができました。
一部の木は、風と雨に花びらを落としておりましたが、違った花の様にも見えましたが、御室桜と違う種類のようでした。
まだ、こんな蕾も残っております。
桜園の北側の観音堂
枝垂れ桜は、さすがに終わりをむかえておりました。
五重塔は、高さが36.18㍍あり寛永21年に再建されたもので、各層の屋根の大きさがほぼ同じという江戸時代の特徴があります。
正面の金堂(国宝)は、仁和寺の本堂とされ、慶長18年(1613年)に建立された旧皇居の正殿・紫宸殿を寛永年間(1624年-1644年)に移築・改造した
もので、宮殿から仏堂への用途変更に伴い、屋根を檜皮葺きから瓦葺きに変えるなどの改造が行われております。御本尊の木造阿弥陀三尊像は、も
とは金堂に安置されておりましたが、現在は寺内の霊宝館に移されております。 仁和4年(888年)創建時の本尊といわれます。
経蔵 金堂の右手にある建物で寛永〜正保年間の建立ました。内部は釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩など六躯を安置し、壁面には八大菩薩や十六
羅漢が描かれます。内部中央には八面体の回転式書架(輪蔵)を設け、各面に96箱、総計768の経箱が備えられており、その中には天海版の『一切
経』が収められています。
金堂
鐘楼 「鐘楼」の「楼」とは元来二階建ての建物を指します。階上は朱塗で高欄を周囲に廻らせ、下部は袴腰式
と呼ばれる袴のような板張りの覆いが特徴的です。また、通常吊られた鐘は外から見ることが出来ますが、この
鐘は周囲を板で覆われており見ることが出来ません。
鐘楼の西側の奥には、水掛け不動さんが祀られております。
手前の長い柄杓で湧水をすくいお不動産に掛けてお参りします。
御影堂 鐘楼の西に位置し弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像を安置します。御影堂は、慶長年間造営の内裏 清涼殿の一部を賜
り、寛永年間に再建されたもので、蔀戸の金具なども清涼殿のものを利用しています。
御影堂と鐘楼の間の道を南に下がると観音堂があります。
観音堂の本尊は千手観音菩薩で、脇侍として不動明王・降三世明王、その周りには二十八部衆が安置され、須弥壇の背後や壁面、柱などには、白
衣観音をはじめ仏・高僧などが極彩色で描かれています。内部は通常非公開とされ、現在も仁和寺に伝わる法流の相承などに使用されています。
境内のあちこちで見かける三つ葉つつじ
左手の道を進みますと、御影堂の前にでます。
掃除機で吸い取るのでしょうか? 私も実家の庭を掃除いたしておりますので、他人事のように思えません。
境内を一周してまいりました頃には、完全に青空が広がっておりました。 日頃の行いが悪かったのか良かったのか分からない天気の移り変わりで
した。
東門の手前の普賢象です。
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