“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

偶然の出来事

2021-06-13 19:31:51 | 日記
6月も半ばになり、夏至が近づいて暑い日が多くなってきました。
昨年の今頃は、6月から対面授業が始まり、「今からでもできることをするのみ」と前向きな気持ちで授業に臨んでいましたが、
今年6月になってみると、やはり4・5月の2か月は大きいな・・・と当然のことなのですが思ってしまいます。
というか、4・5月があっても生徒の実力アップには全然足りない。とはいえ、長く演習すればよいというものでもない部分もあるので、与えられた条件で頑張るのみなのですが。
年度当初は心配だった、2年ブランクのあった生徒たちとの関係は思ったより安定していて、高校から入学してきた生徒たちとも気心が知れてきて、年度末までとにかく支えるイメージはついてきました。

先日、とある模試の古文の問題で『源平盛衰記』と『今鏡』の文章が出題され、その解説を日曜に自習登校していた生徒から求められたときのこと。
本文の内容は、藤原多子が二条天皇に再入内した際に、近衛天皇に入内していた当時目にしていた紫宸殿の皇居の内装を再び見る場面なのですが、予習・解説していてふと、
――『讃岐内侍日記』の回想シーンを同時に解説できたら面白いのになあ
という考えが浮かんできました。『讃岐内侍日記』にも帝に仕える立場は違えど、類似の読解パターンとなる回想場面があるのです。
出仕していた堀川天皇崩御の後、作者は一度里下がりしたものの、今度は鳥羽天皇に仕えることになり、やはり建物が同じで昔を思い出すという展開なのでした。
さて、その生徒への解説が終わり、次に予約の入っていた生徒に解説する予習のために、指定された別の模試の過去問を開いたところ、
――なんという偶然!! 問題文が『讃岐内侍日記』ではありませんか!!
生憎抜粋部分は回想シーンそのものではなく、再出仕する経緯の場面ではありましたが、でもこんなことはなかなかないものです。
こちらの生徒も、先ほどの藤原多子登場の模試を解いた生徒だったので、双方の回想パターンの共通点を解説しておきました。
なんだかこういう巡り合わせは、晴れやかな気分になります。

気がつけば漢検1週間前。正直、勉強そのものからは2月の頃より遠のいてしまっていますが、無事受けてきたいと思います。