“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

2013年 今年の漢字

2013-12-16 01:20:24 | 日記
こんばんは。

先週13日(金)には、朝7時台で勤務地の道に氷が張り、翌14日(土)はしろねこの住む地域では強風で午後から雪、昨日15日(日)も雪は続きました。

しろねこは、過去の自分のブログを読みつつ(やっと昨年まできました!)、部首別にケータイ辞書で漢字を調べるのをぼちぼち再開しています。

12日(木)漢字の日に、今年も「今年の漢字」が発表され、漢検生涯学習ネットワークメールマガジンVol.28でもその詳細が、職場のPCに届いていました。

それによると、第一位「輪」は、170,290票の応募のうち、9,518票(5.59%)で決定したようです。

理由は2020年オリンピック招致決定が、なんといっても一番でしょう。
他にも色々書いてありましたが、それらは個人的には、日本人的な「和」のほうが合っているのかな、とも思いました。
「輪」は「和」に通じるということでしょうか。

他には(代表的な理由にはありませんでしたが)、「笑っていいとも!」も、ちょうど終わってしまうという発表がありましたし……。
友達の輪は、今後も見えないながら世界に広がっていくのだと思いますが……。

輪廻転生、メビウスの輪、……なにか、輪には強い゛運命゛みたいなものを感じます。運命の輪に巻かれていく世界を考えたとき、……私は、ただただこうべを垂れるしかない、何だか無性にやりきれない気持ちになります。

更にどちらかというと、しろねこ個人は、具体的には書きませんが、一部のニュースなどから、「輪」という字にはよいイメージばかり持てているわけではなくて、ちょっと気が塞がる思いがしました(よい意味で考えている方、本当にすみません)。
うちに帰って母にそのことを告げると、母も同様のことを考えていたようです。

まあ、本当に、いろんな意味で、今年らしいといえば、本当に今年らしい一文字であると思います。

因みに

2位「楽」8,562票(5.03%)
3位「倍」7,623票(4.48%)

だそうで、私としては、3位に賛同します。


……余談ですが、これと同じくらい、世相を反映してるなあと思わされた言葉の言い回しがあったので、紹介しておきます。
断っておきますが、これは批判というより、ひとつの表現をどうとるかという投げかけです。

最近流れていると思われる某CMに、

「家族を楽しもう」

というキャッチコピーがあります。
といっても、私はTVで見たのではなく、そのお店のレジの液晶パネルで見たので、見間違いでなければ、です。

仮に私の見たものがそのとおりだったとして、私は一瞬どきっとしました。


「(商品を)家族で楽しもう」

「(商品で)家族を楽しもう」


この二者には大きな違いがあります。

前者が常識的な感覚の表現であるのに対して、後者は、「家族」というものを楽しくする潤滑油に、わが社の商品がなれますよ。と、前者より強調して言っているのです。「あなたの家族がいつも楽しくあるためのお供に」ということなわけです。
上手いよな~、と思うと同時に、「家族」というものを、意識して「楽しむ」ものに位置付ける程、現代は役割を演じる社会なのか、とちょっとこわくなってしまうのです。(同じような意味で、以前流行った「家族サービス」や、最近定着した「女子会」という言い方にも、しろねこはちょっと鳥肌がたつ思いです。)

そして後者の言い方だと、商品の魅力のほうが、家族の楽しさよりも普遍性がある、という解釈がされうると思うのです。

しろねこも未婚であり、私の友人にも未婚の人が沢山いて、少子化のなか、そうして意識的に「家族」というものの結束を固めざるを得ない時代だからこそ、のキャッチコピーなのかもしれません。

ちょっと漢字の話からそれてしまいましたが、今夜はこの辺で。