“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

「今年の漢字」1位は「絆」

2011-12-12 23:54:36 | 日記
こんばんは。

12月12日は「いい字一字」の「漢字の日」なのだそうですが、
今年もその日がやってきました。

1位の漢字は、家族や周囲の予想通り「絆」でした。

しろねこは、個人的には「救」が一番心にぴったりきていました。
震災やゲリラ豪雨をはじめ、「救われた人」と「救った人」が沢山存在した一年だったように思うからです。

ランキングを見ると、5位に「助」があり、共通した理由が見いだせそうです。

「絆」といえば、
今年この字が1位になった背景とは全く異なるお話なのですが、
しろねこが人生で最初にこの字を強く意識したのは、
中島みゆきさんの歌の歌詞によります。

中島みゆきさんのアルバム「夜を往け」は、
しろねこが中2の時に初めて自主的にお小遣いで買ったCDですが、
そこに収録されている「新曾根崎心中」という歌の歌詞に、「絆」という漢字が出てくるのです。

当時は歌詞を覚えて歌うことに没頭していましたが、
「新曾根崎心中」の歌の世界は中2の子供には刺激的で、
すぐさま学校の図書室で
近松門左衞門の『曾根崎心中』を借りて読んでみたりしたものです(勿論原文だと殆ど不可解なので、解釈に頼りました)。

そんな中、当時は常用漢字しか目にしていないしろねこには、
「絆」という字が眺めるほどに風変わりな形の字で、
なにか古い因縁のオーラを漂わせているように感じられたのを記憶しています。

因みに、同じアルバムの中の「遠雷」という歌には、
「ほだす(絆す)」という言葉も出てきます。

中島みゆきさんといえば
コンサート「夜会」が有名ですが、
(しろねこは、行ったことはないですが。)
国文学出身の方だけあって、
古典文学を多く引用されていますね。

そんな「絆」の文字のもつ世界に引き込まれた昔の記憶が、
現在の世相とは全く別に、
彷彿として思い出された一日でした。