“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

街はクリスマスの装いです。

2011-12-09 16:17:27 | 日記
こんばんは。
街はすっかりクリスマスシーズンの装い、通勤のバス待ちも随分冷え込むようになりました。
しろねこのクラスの学級日誌にも、もうクリスマスには誰と過ごすつもりか(たいていアイドルの名前が書いてあります)という話題が書いてあったりします。

しろねこは定期考査の答案を採点しつつ、刻一刻と迫る次回の検定に向けて、
一日ほんの1時間前後ではありますが、努めて時間を取って苦手問題の整理をするようにしています。

ところで、最近はあまり人から漢字について尋ねられることもなかったのですが、
先日次のようなことがありました。
職場の事務室に用事があって出向いたところ、
事務長さんが「ちょっと漢字を聞きたいんだけど」と言うので
差し出された書類を覗き込みました。
指差された先には

「悉皆」

の文字が。

しろねこ:「これは、『しっかい』と読むんですよ。」
事務長さん:「『しっかい』!?(って何!?)」

その書類を見ると、いくつかの項目があり、
一番上の項目の最後に括弧付きで「悉皆」とあり、
二番目以降の項目には同様に括弧付きで「選択」と書いてあります。

しろねこ:「これ(=悉皆)は『ことごとくすべてみんな』っていう意味なので、これは全部必修みたいなもので、以下は選択だから全部でなくてもいい、ということなんでしょう。
…にしても、こんな文書に『悉皆』なんて使うのはどんな年代の人なんですかね~??」
事務長さん:「…さあ…。」

事務長さんは、「こんな言葉初めて見たわ」と呟きながら席に戻っていったので、公文書にも、そうそう頻繁に使用されるわけではないんですね。

文書作成したお役人さんは、漢字使えるのはいいけど、各分野の人の理解力とか、漢字読解にかかる時間が影響を及ぼす仕事の効率も、少しは考慮してもよいような…。
漢字使用の充実も大切なことながら、一方で、誰にでも分かりやすい表現に努めることも必要なのではないかと、思いました。
とはいえ、「悉皆」という漢語が今回のように人の目に触れる機会があって、その言葉の存在を知ってくれる人が増えるのは嬉しいんですけれども。

誰かから突然どんな漢字を聞かれてもいいように、自分もいろんな漢字にいろんな角度から触れていきたいです。