“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

椀と碗、槌と鎚

2010-08-21 21:14:15 | 日記
椀と碗、同じものなのにどうして二つ表記があるんですか、と先日生徒が何かのプリントの説明文中にある文字を示しつつ尋ねたので、槌と鎚を引き合いに出しつつ、素材の違いで部首が違って、それに表音文字が付いているのだよ、と大雑把な説明をしました。

生徒は納得したふうでしたが、そんなんでよかったのだろうか??と内心少しはらはら。


ご無沙汰しております。

今日は検定の71日前ということで、思わず

残り日数が「ない(=71)」

という縁起でもない語呂に見えてしまいました。

毎日飛ぶように日数が経ってゆきます。仕事に…のまれっぱなしです。遥か沖へ流された人のように、「漢検の岸」に帰り着くのも一苦労です。

久々に連絡をくれた卒業生が、「漢字テストのふしぎ」というビデオ作品を紹介してくれました。
不覚にもしろねこはこの作品を知らなかったのですが、東京ビデオフェスティバル2007年の大賞作品で、長野県の高校生が作成しており、反響があちこちのblogに残されています。

学校の先生の漢字テストの採点基準にはばらつきがあり、そこに注目した生徒の視点で謎を解明してゆきます。

受験指導の立場からすれば、この作品中に登場する先生方と同様、しろねこも厳密な基準に固定して採点する派です。

ただ、常用漢字の標準字体がどのように決まっていったかは具体的に知りたいですね。「遠」や「園」の下方の縦画についても、よく生徒に何故はねないか聞かれますが、

「そう決まっているから」

と何とも情けない回答しかできません。

後れ馳せながら、小山哲郎氏の『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(新潮文庫)を読んでいるところです。
確かにつきつめれば「漢字テストは図形テスト」かもしれませんが、せめてその「図形」の成立と構成は出来るだけ学んでおきたいと思います。

まだまだ日々発見、です。